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2chは避難訓練をやった方がいいんじゃないの

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2chが閉鎖されるという話が飛び交っている。遅ればせながら、何も書かないのも気持ちが悪いので、少し感想を書いておく。

それから、実際に今回閉鎖されるかどうかはともかく、こういうネット上の空間、特に2chなんかは、危機管理を考えた運営をした方がいいのではないか。

■ひろゆき氏への感想
「気の長い話:Winnyが作る歴史」というエントリでも少し触れたとおり、ひろゆき氏が日本のインターネットに与えた影響は大きくて、大したものだと思っている。(もちろん、オトモダチになりたいかどうかという論点とは別にして。そこまで個人的な感想は、僕は持っていない) 日本のインターネットの一部は確実に彼が作っている。

しかし稼ぎまくっておきながら賠償からは逃げ回ってるのもなー、しかも少なくとも脱法行為だもんなー、と、庶民的感覚から言えば釈然としない気持ちがあるのも事実。

その一方で、「イチイチ払ってたり、イチイチ裁判行ったりしてたら、今の2chなんて運営できるわけないじゃん。あれは確信犯なんだよ」という趣旨の書き込みを見たりすると、それもなるほどと思ってみたりする。

■そもそも差し押さえできるのか?
素朴な疑問だが、そもそも差し押さえなんてできるのか、と思う。ただこれについては、あまりちゃんとフォローできていないが、詳しい方による同趣旨のブログ・記事等いろいろ出ているようなので詳しくは突っ込まないことにしよう。

■そもそも閉鎖なんて起きるのか?
あまり世の中で触れられていない気がするのだが、ここが一番疑問。仮に差し押さえが本当に強制執行されたとして、差し押さえ=2chのドメインの停止なんて本当に起こるんだろうか。

なぜ「閉鎖」なんて話になったかが不思議なのだが、最初にあった報道に「閉鎖」というキーワードが出ていたのが大きいのだろう。あれらの記事は何を根拠にしているんだろうか。男性(35)が、「2chを差し押さえして閉鎖するつもりです」とインタビューに答えたのだろうか。

・そもそも、2chのドメイン名の所有権が停止されることと、ドメイン名の運用が止まることは別では?
・差し押さえしてドメインの運用を止めたら、ひろゆきの財務状況も悪化するし、「2ch.net」というドメイン名の資産価値も下がるし、意味がないのでは?
・そもそも何百万、一説には二千万人のインフラを止めるだけの度胸がこの男性(35)にあるのか?

最後のポイントが大きい。どう考えても運用が止まるわけがない気がします。

■実はもろい?2ch
実際に今回の事件で2chが閉鎖されるのかどうかはともかく、今回の事件は改めて、2chという世界有数の巨大な公共空間が、「ひろゆき氏」という個人に依存しきっているという恐ろしい事実を再認識させてくれる。

何百万人の利用者が毎日使っている空間というのは、社会の財産だ。

「500万円ぽっちで、おれたちがいつも使ってる2chを潰されてたまるかよ」という趣旨の発言があちこちで出るのももっともなことだ。500万円の債権と2ch.netのドメイン名が生み出している空間の価値では、桁が違う。金銭的な価値の問題だけではない。多くの人の生活が関わりすぎている。もちろん、これが「負の価値」だという評価の人もいるわけで、その人たちは潰した方が功徳になると言うかも知れないわけだが、影響が大きいことだけはそういう人たちも否定しないだろう。

2chは、ひろゆき氏本人にさえつぶす権利なんかないんじゃないかと思えるほどの、巨大で影響力の大きい空間だ。

しかし一方で、2chが今の形で存在しているのは、法的リスクも世間からのバッシングも、全部ひろゆき氏個人が引き受けているからに他ならない。その意味で、この巨大な空間はひろゆき氏個人に依存しきっている。

ということは、ひろゆき氏に何かあったら2chは非常に大きなダメージを受けるわけだ。例えば差し押さえ。例えばひろゆき氏が明日突然事故で死んだら2chはどうなるのか。

■2chは避難訓練をやった方がいいんじゃないの
以下は、2chの住民とは言えない人間が、他人事なのに勝手にふと思ったことです。

考えてみれば、公的機関というのは災害や事故などの非常時に備えているものだ。2chくらいの空間になれば、自然と公的な性質を持たざるを得ないのだから、手をこまねいて見ているのもどうかな、と思えてくる。

何か起きたときのための備えはしておいた方がいいのではないか。例えばドメインが使えなくなったらどうするか。ひろゆき氏が明日死んだらどうするか。危機的な状況を想定して、どう対処するかということを考えておいた方がいいんじゃないかという気がしてくる。特に、2chは「ひろゆき氏」という個人に依存している点で、構造的にもろいのだから、必要性は高そうだ。

別にひろゆき氏にやれというわけではない。住人の一部が勝手に考えたりしてもいいのだろう。いざというときの避難所の検討なんかはあらかじめやっておいてもいいのかもしれない。ひろゆき氏も、いざという時のために遺書くらい書いておいた方がいいんじゃなかろうか。

住民とは言えないが、いろんな形で2ch発のものを楽しんでいる一個人としては、何かの事故で2chが突然なくなってしまうのも寂しい感じがする。

Comment(2)

コメント

inusuke

仰有るとおりですね。私も今現在は在って当たり前のように2chを利用してますが、一個人のひろゆき氏が核となって支えていることを考えるといつなくなってしまうかわからない程脆いコミュニティーであるとも言えますね。実際無くなってしまえばそこの住人達は第2の2chに再収束するか、あるいは各分野それぞれのコミュニティに散らばるのでしょうが、今と同じような状態が再び構築されるかと考えると必ずしもそうでは無さそうです。2chが世間で取り扱われる場面といえば何かと負の印象が強い気がしますが、実際には様々な人種が居て、そこで様々な意見が自由に飛び交うからこそ、その中に有用なモノが生まれてくるのだと思います。ひろゆき氏がどうにかならずとも、法規制が進んでく上でやがてはかつての2chは失われるのではないでしょうか。なんとも寂しいモノです。

いしばし

コメントありがとうございます。2chも変化し続けていますし、多くの人が言うとおり2chが原因で悪いことも起こってきたのが事実なので、単純に「続けばいい」とは言うことはできません。
しかし、なくなってしまうリスクが高いことは事実です。当事者は、そのことを念頭に置いて行動すべきなのだろうと思います。

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