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アジャイルや機械学習、リーンシックスシグマなど、日々の仕事の中で見て聞いて感じた事を書き留めています。

頑張っている日本勢

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ここ北国ウィスコンシン州にもようやく春がやってきて、庭の芝生もすっかり緑になりました。今年も庭仕事を始めるにあたり、12年間使い続けた芝刈り機を思い切って新調しました。芝刈り機を新調するにあたり、インターネットで新製品を調べてみたり、あちこちのホームセンターに行って価格の違いを比べてみたりしました。

芝刈り機などを作っている機械メーカーがエンジンは別に他社から調達することは一般的なことですが、面白いと思ったことは、インターネットや店頭で製品が売られる時、「この製品はOOO製のエンジンを使っています」と、エンジンの違いを強調して宣伝していたことでした。

実際にホームセンターでずらりと並べられた芝刈り機を一つ一つ見てみると、Briggs & Stratton製のエンジン、ホンダ製のエンジン、カワサキ製のエンジンなど、名の知れたブランドのエンジンが使われていました。

小型エンジン市場

芝刈り機に限らず、雪かき機など小型エンジンの需要はここウィスコンシン州ではかなりありそうです。一軒にたいてい二つは小型エンジン機械(芝刈り機と雪かき機)があり、さらに小型エンジン機械が多い家はチェーンソーや発電機、2台目の芝刈り機なども持っているので、小型エンジンの総需要は膨大でしょう。

インターネットで小型エンジンの市場について調べてみると面白いことがわかりました。米国の小型エンジンの市場は

  • Briggs & Stratton
  • ホンダ
  • Kohler
  • カワサキ
  • Generac
  • スバル

の6社でほぼ独占されていたのです。しかもBrigges & Stratton社、Kohler社、Generac社は地元ウィスコンシン州の企業で、特にBrigges & Stratton社は僕の家の近所にあります。

少し余談になりますが、オートバイ用エンジンを作っているHarley-Davidson社、モーターボート用エンジンを作っているMercury社もウィスコンシン州の会社です。どうやらウィスコンシン州はエンジン関連産業が盛んな所のようです。

Small Engines Sales.PNG

芝刈り機を見ていて日本人として誇らしく思ったことは、日本のメーカーがここでも頑張っているということでした。

それでも芝刈り機を買うときに悩ましかったのが、日本勢を応援するか、それとも地元ウィスコンシン勢を応援するか、ということでした。古い芝刈り機はBrigges & Stratton製のエンジンを積んでいたので今回も同じものでいこうかなとも思いましたが、結局今回はホンダ製エンジンの芝刈り機を試してみることにしました。いくつかの会社がホンダ製エンジンを搭載した芝刈り機を作っているのですが、やはり評判が高い(値段も高い)ホンダが作っている(もちろんホンダ製エンジン)芝刈り機に決めました。

芝刈り機市場の変化

ホームセンターで売られている芝刈り機をここ数年見ていて気がついたことは、電動芝刈り機が少しずつ増え始めていることでした。今年も販売スペースが増えて、芝刈り機売り場全体の4分の1程度を電動芝刈り機が占めていました。値段も小型エンジン搭載の芝刈り機とほぼ同等でした。

実はホンダの芝刈り機を買うとき、電動芝刈り機も検討の対象でした。しかし電動芝刈り機を実際に使っている友人に聞いてみたところ、一回の充電では庭をすべてカバーすることは難しく、予備のバッテリーが必要だということが分かりました。予備のバッテリーも購入することになると値段も上がってしまうので、今回は小型エンジン芝刈り機に軍配が上がりました。

しかし今後は芝刈り機に限らず、小型エンジン市場全体に電動化の波が押し寄せるのでしょう。そこで心配になったのが、小型エンジンを作っている日本企業です。やはり電動化の波に飲み込まれてしまうのでしょうか。

望みはあります。希望の星がリョービ(RYOBI)社です。リョービ社の電動芝刈りが今年は大々的に売られていました。今後はホンダやカワサキ、スバルに代わって、リョービが芝刈り機市場などで頑張ってくれるのではないかと思います。がんばれ日本勢!!

P.S. オルタナティブ・ブログをご覧の皆さん、ぜひロボット掃除機ルンバのようなロボット芝刈り機(AI搭載)を作ってください。作ってくれたら、次はそれを買います。

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