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プログラミングでメシが食えるか!?

Schickのビンテージカミソリホルダー

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趣味ネタです。

Gilletteのビンテージカミソリホルダー」があるのに、Schickについて書かないの?と突っ込んでくる人はほとんどいないと思いますが・・・日本では少し年配の方にとってはGilletteよりSchickの方が馴染みがあるかもしれません。Schickは日本での販売に大成功し、本国アメリカで生産を終了しても日本市場向けに最後のモデルを販売していたくらいなのです。

さて、個人的にはSchickにも興味はあったのですが、Gilletteと違ってSchickというとプラスチックが使われた安っぽいイメージがあったため、手を出していなかったのでした。

Schick Injector Dial

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買うなら肌当たりの強さを調整できるシック・インジェクター・ダイアルかな〜と思っていたら、未開封品を見つけたので購入してみました。1965〜1972年に販売されていたようで、私と同じくらいの年齢なんですね〜。

こんな感じに替刃が入ったカートリッジを装着して刃の交換をします。

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シックはこの頃から2枚刃も販売していて、カートリッジ式カミソリではなく、安全カミソリなのに2枚刃が使えるというのはちょっと興味があったのでした。

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とはいえ、プラスチックの安物っぽさや金属部分も板金加工してそのままニッケルメッキをしただけという感じなので、せめて金属部分くらいはと、できる範囲で磨いて金メッキしておきました。シックのホルダーはカシメたりして組み立てられている部分が多く、分解できないので磨くのも難しいのですよね〜。

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上がシックの純正1枚刃で、ホルダーはとっくの昔に販売終了していますが、今でも替刃は普通に販売されています。当時はシック以外からも替刃が販売されていて、今でも海外では多少はシック以外の替刃も売られているようですが、実は先日紹介したフェザーのアーティスト・クラブ用替刃と長さ以外はほぼ同じということで、アーティスト・クラブ用替刃をカットして使ってみた人がいて、それ用のホルダーも登場したと書きましたが、同じことをやってみました。全く問題なく使えますし、フェザーの替刃の方がシャープに剃れる感じです。

なお、このシック・インジェクター・ダイアルはマニアからはシックのタイプMと呼ばれていて、Mというのはシックから最初に販売されたホルダーがAで次がBと名前を付けてMという感じです。

さて・・・

Schick Repeating Type C3

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歴史を知りたくなるのは毎度のことで、遡ってみました。これはシックのタイプCと呼ばれるもので、このタイプCまではインジェクターではなくリピーティングというシリーズでした。インジェクターは替刃がカートリッジのようなものに入っていて、交換するときにカートリッジをヘッドに装着して交換するのですが、リピーティングはそもそもハンドルの中に替刃を入れておけるのでした。

タイプCは1933〜1941年に販売されていて、ヘッドの形状が少し違う3モデルがありました。これはC3と呼ばれるクローズド・バーのタイプです。

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とりあえず、年式相応に外観も傷んでいますので・・・

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まずはヘッドの整備。ヘッドは刃を押さえる板バネ部分が変形して緩くなっていたので、バーナーであぶって分解し、形状も整えてから接着し直しました。元々は銀ロウかな?と思ったら、低温で簡単に剥がれましたので、銀ロウというよりは半田ですね。真鍮用の半田ペーストを使って再接着しました。

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整形後に綺麗に磨いたのでピカピカです。

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ハンドルの外観も傷んでいましたが、中もかなり汚れていましたので、分解します。

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結構汚れています。

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よくこんな複雑な仕組みでカミソリホルダーを量産しようと考えたものですね〜

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それでも、ここまで複雑なのにきちんと分解整備ができるように組み立てられているのは立派ですね。この後のインジェクターシリーズになるとどんどん分解できないものばかりになります。

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分解できれば個々のパーツを綺麗にするのも簡単!

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外から見える部分は金メッキをしておきました。右手前のバネはよくこすれる部分なので、ロジウムメッキをしておきました。

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綺麗になったので組み立てていきます。

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ぱっと見は新品同様という感じでしょうか。

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本当はヘッド部分にかぶせるキャップがあるのですが、残念ながらついてきませんでした。

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マイナスネジはビンテージ感があって良いものですね〜

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ヘッド部分は金メッキにより見た目が綺麗なだけでなく、真鍮臭さを抑える効果も大きいですね。メッキ前は鼻の下を剃るときには結構臭いましたので。

なお、写真では2枚刃を装着していますが、さすがにハンドル内から装着することはできません。2枚刃は厚みがあるので、隙間を出てきませんし、かなりヘッドのバネを押し広げて無理矢理ねじ込まないと装着できませんので。2枚刃を無理矢理装着するとかなり肌当たりがアグレッシブになりました。まあ、もともと2枚刃のない時代の製品ですので、みた感じでも刃が飛び出ていますね。

替刃を交換する様子の動画を撮りました。冷静に考えると、替刃がハンドル内に20枚ストックできるといっても、普段家の中で使う分には常にハンドル内にストックしておく必要はないですよね。それでインジェクターシリーズのように装着できるカートリッジで交換と進化したのでしょうけれど・・・。ステンレスの替刃だとシックは2週間程度で交換して、と書いてありますので、20枚のストックは10か月分!?まあ、当時はまだ鋼の替刃でしたので、それほど持たなかったのでしょうけれど、日本人の旅行の感覚と海外でのバカンスの違いもあるのですかね〜。日本だと2泊3日程度に対して海外だと1か月とかですかね?

ほとんど誰も興味ない内容だと思いますが、海外ではそれなりにウェットシェービング・クラシックシェービングの分野はマニアがいて、オークションでも高値になります。昔の人の工夫の進化を感じながら、手入れの楽しさも味わいながら日常生活でも役に立つ、なかなか楽しい趣味ですね!?

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