Gilletteのビンテージカミソリホルダー
休日ですし、雪も降っていますし、自宅で暇だという人も多いかもしれませんが、私は部屋でできる趣味も多いので・・・
興味ない人には全く面白くない内容だと思いますが、個人的趣味でアップしておきます。本当はそれぞれのホルダーごとに個別ページを作りたいくらいですが、興味ない人も多いと思うので簡潔にまとめて。。
妻の包丁の柄を自分で修理したのがきっかけで?カミソリに興味がわき、いつの間にかGilletteの両刃カミソリホルダーだけでこれだけたくさん集まってしまいました。今までは朝に電気カミソリを使って髭剃りしていましたが、安全カミソリなら深剃りできるので、夜、風呂に入りながら剃っても十分翌日過ごせるのが分かり、お風呂でゆっくり髭剃りを楽しみながらリラックスすることが毎日の楽しみになりました。凝り性なので当然のようにホルダー自体にも関心が高まり、いろいろ調べるうちに使い比べてみたくなり、これだけ集まったわけです。ちなみに、Gillette以外にもまだまだあります・・・。
Gilletteは両刃カミソリホルダーを発明した会社だそうで(たしか・・・)、1900年頃から様々なホルダーを発売してきました。さらに、高級志向のものも古いほど多かったので、手にする満足感も高いのが特徴です。まあ、Gilletteの歴史はいくらでもインターネットを探せば見つかりますので、ここでは手持ちのものを写真中心でざっと並べてみます。
・1919年:BulldogとStandard(Single Ring)(銀メッキ)
そもそもはこのタイプが欲しかったわけではなく、後述しますが、Aristocratと似たハンドルデザインのBulldogがどうしても欲しくて、世界中を探してやっとスペインのオークションサイトで見つけて、GoogleTranslateを使ってスペイン語でやりとりしながら購入したのですが、ケースが付属していなかったので、同じ時代のStandardをケース付きで入手した感じです。この頃はシリアル番号が刻まれており製造年が特定できますが、たまたまどちらも1919年。Bulldogのケースはこのタイプではないのですが、まあ、同じ時代ということで・・・
本体もケースもかなり傷んでいて、銀メッキを自分で補修したり、ケースも内装を別珍で張り替えました。
3ピース構造で、当時は他に携帯用として次に紹介するようなコンパクトになる3ピースモデルも販売されていました。現在販売されているホルダーはほとんどが次に紹介するタイプの3ピースですね。
剃り味はかなり肌あたりが強い(アグレッシブ)感じですが、当時のブレード(刃)ではこのくらいでちょうど良かったのかもしれません。
・1930年代:Long Comb New(ニッケル再メッキ)と昨年販売されたHeritage(クロームメッキ)
もともとは、アメリカのアマゾンでのみ販売されているHeritageを購入したのですが、同じハンドルデザインのオリジナルモデルである1930年代のNewモデルを並べたくなって、ニッケルメッキをしなおされて販売されていたものを購入しました。Gilletteの製品名はあまり統一された感じがなく、このモデルも本当の名前は良くわかりませんが、このデザインでヘッドの櫛の部分が長いものと短いものがあり、こちらは長い方なのでLong Combと呼ばれている感じです。本来はニッケルメッキではなく金メッキですが、金メッキは柔らかいので傷みやすく、Heritageと並べたい関係で同じ色合いのニッケルメッキを買いました。Heritageはクロームメッキですが。。
剃り心地はこれまたアグレッシブです。
なお、Heritageはヘッド部分がドイツブランドのミューレと全く同じで、おそらくOEMと言われています。このケースはHeritageのものですが、Newモデルも同じ構造の3ピースなのでピッタリ入ります。現代としてはケースも頑張ったと思いますが、昔のケースに比べると手抜きですねぇ・・・
・1934年:Aristocrat(初期型)(金メッキ)
1934年にGilletteはツイスト・トゥ・オープン(TTO)のワンピースホルダーを発売し、その最初のモデルです。ハンドルの下側を回転させることでヘッドが観音開きになり、ブレードを簡単に交換できます。この写真のモデルがまさに最初のモデルで、同じ形状で3タイプマイナーチェンジされたものがあります。ケースの内装は別珍で張り替えました。ホルダーの金メッキも自分でメッキし直して補修してあります。
剃り心地は上の2つに比べると少しマイルドで、両刃カミソリに慣れた人ならちょうど良い剃り心地くらいではないかと思いますが、人によって髭の質も剃り方の癖も違いますので・・・
・1935年:イギリス製Aristocrat(初期型銀メッキモデル)
Gilletteはアメリカの会社ですが、イギリスでも製造され、なぜかアメリカのモデルとは微妙に違う感じで楽しめます。どちらかというとイギリス製の方が手が込んだ作りという感じでコレクターの人気です。このモデルはイギリス製のTTOでの最初のAristocratです。次に紹介するロジウムメッキのものと違い、銀メッキですが、メッキだけではなく細かいところが結構違います。こちらもケースの内装・ホルダーのメッキ共に自分で補修しました。
剃り味は、似た感じの上と下の3機種ですが、個人的にはこれが一番自分に合っている感じで、肌あたりと剃れ具合がよい感じです。
・1938年:イギリス製Aristocrat No.15(ロジウムメッキ)
No.15と言われていますが、どちらかというと15というのはホルダー自体というよりケースや付属品の区別で、番号だけで探すと違うモデルがヒットすることも多いので注意が必要です。イギリス製Aristocratはロジウムメッキが多く、当時のイギリスは植民地で希少なロジウムが取れたかららしいです。ロジウムは金や銀より固い金属ですので、カミソリホルダーのメッキには最適で、今でもメッキの状態が良いものがたくさん残っています。この写真のものはこのモデルの中では後期型で、ハンドル部分がこの後に登場したNo.21と呼ばれるものと同じタイプで少し上のモデルとは違います。たまたま未使用品?のような素晴らしい状態で手に入れられました。これだけはケースもメッキも補修していません。
剃り心地は、上の2つよりは少しだけアグレッシブに感じますが、ほとんど同じ感じです。
左のアメリカ製の初期型だけヘッドの高さが少し低いですね。
TTOのAristocrat初期Open Combの3つの比較をすると、ヘッドのドア部分を固定しているあたりがまず違い、左はドア側にピンがあり、他は保持部分側にピンがあります。また、右はその部分を保護するような形状が追加されています。さらに、左のアメリカ製はヘッドの土台がプレス部品で、イギリス製はまだまだプレス製には後の時代までなりません。
Open Combの櫛の数も実は違いがありますね。左はAristocratではなく、1919年のもので、これが違うのは構造も時期も違うのでいいとしても、真ん中と右は製造国が違うものの、同じブランドで同じ時期ですからねぇ・・・
両刃カミソリ初期はブレードから肌を守る部分がOpen Combと言われる櫛のような形でした。
左の一番古いタイプは横から見ると単にブレードを2枚のカーブしたものではさんでいるだけでしたが、真ん中から後は、ベース部分とブレードの隙間が明確にできるようになり、隙間の広さと櫛の出っ張り具合で剃り味が変わるようになりました。
・1948年:イギリス製Aristocrat No.15またはNo.16(ロジウムメッキ)
これまたNo.15とか16とか呼ばれていますが、上のものとケースが同じタイプだからです。本当はこのモデルの前にイギリス製AristocratはNo.21というモデルもありましたが、まだ持っていませんので。。No.21からAristocratはClosed Barと呼ばれる櫛の代わりに直線的な肌あたり保護形状になりました。個人的にはOpen Combの方がソープやクリームの馴染みが良いので好きですが、ホルダーを床に落とすと簡単に櫛が曲がってしまうことや、そもそも製造が面倒だったのでしょう。この後はほとんどClosed Barばかりになります。
ロジウムメッキは丈夫なのですが、固いので剥げるというよりは割れて欠ける感じで、少しだけメッキが傷んでいたので自分でロジウムメッキ補修しました。ケースの状態もかなり悪かったので、内装もメッキも補修しました。
ハンドルが、デザインとしてはBarber Poleのままですが、ツイストする部分が変わり、ヘッドをオープンさせるとハンドル全長が短くなるようになりました。これがこの時期以降のイギリス製の特徴になりますが、アメリカ製はこの構造は一度もなかったのでした。
このモデルはAristocratの中では一番重量が重たく、自分で測って81gです。一番軽い1934年モデルが65gですので、結構違い、使い心地も変わります。一般的には重たい方が剃りやすいと言われていますが、好みもあります。
剃り心地は・・・手持ちのGilletteの中ではもっともアグレッシブで、最初の頃はこれを使って血が出ないことはないくらいでした。ノギスで測定すると、ベース部分の幅が狭いため、肌にブレードが強く当たりやすいのだと思いますが、ネットではこれが一番剃りやすいという意見も多い感じで、好みは人それぞれですね。
・1948-1950年:Aristocrat(金メッキ)
しばらくイギリス製が続きましたが、アメリカ製Aristocratもちゃんと販売されていました。が、初期のOpen Combモデル以外はハンドルのデザインが違い、なんとなく興味の度合いが・・・ これはアメリカ製Aristocratのほぼ最後のモデルで、金メッキですがラッカーで保護されているおかげでメッキが綺麗に残っています。ケースも綺麗な状態でしたので、少し掃除した程度です。
剃り心地は、とてもマイルド。アメリカ製Gilletteは1950年代後半から後ほど紹介するAdjustableモデルが中心になっていきますが、それに似た剃り味です。
・1952年:イギリス製Aristocrat No.22(ロジウムメッキ)
イギリス製Aristocratの最後のモデルです。ここでようやくヘッドのベースがプレス製になり、アメリカ製と同じ感じになりましたが、ハンドルのタイプは違うままです。本体は綺麗ですがケースは少し外装と染みがきになり、とくに染みはなんとかする予定です。。
剃り心地は、アメリカ製同様にマイルドになりました。
Closed Barになってからのヘッド部分の様子ですが、ドアを支えている部分が、左のアメリカ製はカバーが接着された感じになっていますが、イギリス製は一体成形のような感じです。真ん中のみ分厚いベースプレートですが、両側の2つはプレス製ですね。
手持ちのAristocratを全部並べました。左から右に新しい時代になりますが、Open CombからClosed Barへ、さらに、ヘッドのトップにバーが飛び出たり、いろいろと変化があります。
Barber Pollハンドルは旋盤加工が結構大変そうな気がしますが、見た目はとても綺麗で大好きです。Barber Pollモデルは、他にイギリス製Aristocrat No.21と、アメリカ製Executiveがありますが、Executiveは球数が少なく高めのわりにハンドルデザイン以外は普通のアメリカ製Aristocratみたいなものなので、頑張って手に入れるかどうかは微妙です。
さて、Aristocratはこのあたりで途絶え、その後はAdjustableがメインになっていきます。Aristocratの名前のついた金メッキのAdjustableも作られましたが、徐々にカミソリもコストダウンの方向で、ゴージャスなモデルはどんどんなくなっていきます。
・1958年:Adjustable Toggle D1(金メッキ)
Gilletteではアルファベットで製造年、1~4の数字で四半期を示すデートコードが古くから使われており、ブレードは1930年から、ホルダーは1951あたりから使われ、製造時期を今でも簡単に判別できるようになっています。このホルダーはD1で1958年代1四半期製造です。
Gilletteは3ピース時代に肌当たりの強さをハンドルの締め付け具合で調整できることをアピールしていましたが、その後、TTOになってからそれができなくなり、このAdjustableでようやくまた調整可能にしました。ベースプレートを上下させることでブレードとベースの隙間を可変にしたのです。
このToggleと呼ばれるモデルはTTOのツイストではなく、レバーを折ることでヘッドを開くことができるようにしたモデルで、これとツイストのどちらが良いかを市場調査し、結局ツイストの評判が良かったので、Toggleはごくわずかしか作られませんでした。とはいえ、クリスマスシーズンにプレゼント用として販売したりしたようで、金メッキにしたりしてゴージャスな見た目がたまりません。Toggleでも数タイプあるのですが、数が少ないものはコレクターズアイテムになっています。
ケースはゴージャスな感じですがプラスチックやビニール?で、劣化してしまうのが玉に瑕。。古いケースの方が丈夫です。
見るからに金属が多いので、重さも手持ちでは一番重たい88gと重量級で、持った感じもなかなか満足できます。
剃り心地は、調整可能ですが、基本的にはマイルドで、Adjustableの時期以降は誰が使っても安心して使えると思います。
・1960年:Adjustable (FatBoy) D1(ニッケルメッキ)
・1966年:AdjustableSlim L3(ニッケルメッキ)
徐々にケースがプラスチックになってきて、プラスチックは割れたり劣化したりして状態の良いものはプラスチックのくせに高値になるので、この2つはケースを持っていません。。
どちらもニッケルメッキです。なお、Adjustableは金メッキされてExecutiveとして販売され、AdjustableSlimは金メッキされてAristocratとして販売されました。
AdjustableはビンテージGilletteの一番人気で、肌当たりの強さを調整でき、球数もそれなりに多く、見た目や重さのバランスも良く、使いやすいと言うことで、未使用品や美品はそれなりに良い値段になりますが、程度をあまり気にしなければ比較的安価に手に入れられ、実用性も高いものです。AdjustableSlimが後継機ですが、それに比べてずんぐりしているので、FatBoyというニックネームで呼ばれています。
AdjustableSlimの方は、私が生まれた1966年8月に合わせて、1966年第3四半期製造のデートコードL3を手に入れました。あまり程度が良くなく、分解して掃除したり歪みを直したりしました・・・。Slimの方が製造期間が長く、また、見た目の関係もあってか安めに手に入ります。
両者の重さは79gと71gとそれほど違わない感じもしますが、ハンドルの太さや長さの違いからバランスも違い、私の好みとしてはFatBoyの方が使いやすい気がしますが、Slimの方が鼻の下など狭いところが使いやすいという意見もあります。調整可能ですが、どちらもマイルドな剃り心地です。
Aristocrat全盛期に比べると、徐々に手作り品から工業製品になった感じで、満足感は減ってきますね・・・。
1974年頃まではGilletteはTTOの安全カミソリを作っていましたが、その後はカートリッジ式のカミソリにシフトして、消耗品販売で稼ぐ方向になってしまったため、魅力的なホルダーがなくなってしまいました。もっとも、昔からGilletteは特許を使ってブレードを他社に作らせないようにしてきたわけですが。幸い特許には期限があるので、今では両刃ブレードは世界共通規格のようになっていて、安価にいろいろなメーカーのものを手に入れることができます。
ビンテージGilletteは真鍮製にメッキがされていて、真鍮が丈夫で長持ちするために100年前のものでも今でも使えます。今でも両刃カミソリホルダーは海外では一般向けやマニア向けに製造されていて、一般向けの安いものは亜鉛合金にメッキのためボロボロになりやすいですし、マニア向けのステンレスやチタン削り出しはそれなりの高値です。ブレードが世界共通規格というかGillette規格のおかげで今でも安価に手に入るのは素晴らしいことです。まあ、Gilletteも3ホールブレードの後に特許関連でいろいろあったのですが。。
金属を磨く楽しみや・・・
自分でメッキする楽しみ・・・
内装を綺麗にする楽しみなど、工作も楽しめます!
ということで、安全カミソリに進化を体験しながら、工作や使う楽しみもある安全カミソリは趣味としてもなかなか楽しめるものです。他社のホルダーもいろいろとありますし、ブレードの歴史もまた奥が深いのですが、どの分野でも進化の過程を知るのは楽しいものですね〜!