標準化のドキュメントって曖昧なものが多い・・・
10月に『「ICT分野の標準化の調査」公募情報』という記事を書いたのですが、既に活動が昨年のうちから具体的に始まっています。昨日はそのうちのひとつの活動のディスカッションに参加してきました。
IT関連の標準化というと、私が関係しているネットワーク関連であれば真っ先にIETFのRFCが思い浮かびますが、他にもIEEE、W3Cなどたくさんあります。
実際にRFCをまじめに読んでみた人はどのようなイメージを持っているでしょうか。私は、たとえばProDHCPを開発する際にRFCをじっくり読みましたし、インターネットプロトコル関連でもいろいろと読みましたが、「曖昧だな」というのが正直な感想です。
RFCはそもそも「Request For Comment」なので、何となくイメージ的にも「確定内容」ではないような感じがあるのですが、いずれにしてもプログラムを書こうと思っても「実際、どうしておけばいいの?」と思うことが多いものです。
英語力が低いとかそういう問題はさておき、個人的には「文章でだらだら説明するより、ポイントを具体的に白黒はっきりまとめて欲しい」と思うのですが、欧米人は日本人と違い、「いろいろな言い回し・単語を使って、流暢な文章を書くのが格好いい」という傾向があるそうで、なおさら理解しにくい気がします。
私自身は、何度も書いていますが、ドキュメントは基本的に嫌いなので、、
・文章で曖昧に記述されるよりも、ソースを示して欲しい
・少なくとも構造体定義
・サンプル実装ソース
・どうなっていれば標準を満たしているかを具体的にして欲しい
・テスト用ツール
・チェックリスト
と考えています。さらに、
結局、標準化したいのか、煙に巻きたいのかが良くわからないものが多い気がする。
と思っていたら、「実際、企業が関係していると、ノウハウに近い部分は明確に公開したがらない」という背景もありそうです。10月の記事にも書きましたが、「中小企業が標準化などしたくないのでは?」というより、大手もあまり公開したくはないのでしょう。
インターネットのように、たくさんの情報機器が連携することによって様々なメリットが生まれているのに、標準化が曖昧なためうまく接続できないという問題は、実は開発現場ではしょっちゅう起きています。そんな場合、端末側は「台数が多い」「ハードウェア」というような理由により、「今さら変更できないから、サーバ側のソフトウェアで対応して欲しい」ということになるのです。サーバソフトウェアをまじめに作るのは結構大変なのです。さらに、標準など無視して独自解釈で作ってくる製品もあるのが困ったものです。
また、「基本的に技術者はモノ作りは好きでもドキュメント書きは嫌い」という背景もあります。出版業界と同じように、系統立てて綺麗に整理してまとめるという作業は技術者自身がやるのではなく、編集・管理担当者がやるべきなのでしょう。実際に標準化団体ではライターがいるらしいのですが、レベルはかなりばらつきがあるのだそうです。
なかなか難しい問題が多いテーマです。。