製品開発販売・サービス事業も人手が必要な仕事がある
昨日、「勤務時間の長短」で、製品開発販売やサービス事業なら時間と無関係に稼ぐことができる、と書いたのですが、実はそれらの事業でも人手が必要な仕事があります。
「サポート」です。
製品やサービスで、購入前・購入後に「お問い合わせ」がこないケースというのは意外と少なく、大抵はサポートが必要です。購入前は半分営業的な面もありますが、製品に関する質問や相談があります。購入後は、セットアップの問い合わせはもちろん、動作に関する質問などがあります。
サポートの省力化のために、
・製品自体をわかりやすくする
・マニュアルやQ&Aを充実させる
という努力もしていますが、ゼロにすることはまず無理でしょう。
多くの技術系のメンバーにとって、サポートは嫌な仕事の一つのようで、営業と共に、できればやりたくない仕事ではないかと感じています。自分が開発にも関わった製品なら、内容も良くわかっていますし、愛着もあるでしょうから、サポートもまだ良いのだと思いますが、詳しく知らない製品のサポートはなかなか大変です。下手をするとお客さんの方が使い込んでいて詳しいこともあるでしょう。思い通りに動かないときなどは厳しい言葉を浴びせられることもあります。
サポートの仕事は基本的に困っているお客さんに対応する仕事なので、時間もあらかじめ予定できないものです。開発の仕事に熱中している最中にお問い合わせの電話が来ても、断ることはできません。時間帯も、基本的には勤務時間内となっていますが、困っているお客さんを放置して、途中で帰ることもやりにくいものです。
結局、製品やサービス事業もサポートで人手が必要になり、長時間労働になるじゃないか、ということになるでしょう。
しかし、人月単価で仕事をしているのと同じというわけではありません。製品やサービスは工夫の仕方によって利幅を増やすことも、人手を減らすこともできる面があります。サポートを専門としている業者にアウトソーシングするのもわかりやすい方法ですし、販売代理店などと分担して対応することも可能です。製品やサービス自体の質を高めることでサポートの手間を減らすことも可能です。もちろん、それ以前に、ちゃんと売れて儲かっていることが前提ですが。
サポートへの要求は、製品によってかなり違ってきます。たとえば私が担当している、高性能DHCPサーバ「ProDHCP」では、技術的に非常に深い質問が来ますので、社内でも対応できるメンバーは非常に限られてしまいます。しかし、それほどたくさん来るわけではないので、基本的に私が対応するようにしています。それで特に問題なく販売もサポートもできていますし、私も好きでやっている製品ですので、全く嫌ではありません。
一方で、不正接続対策製品の「IntraGuardian2」などでは、非常に幅広いユーザの層からのお問い合わせがきます。量も当然多く、一人で全部を対応していたら、それだけで1日が終わってしまうくらいでしょう。このような製品は複数のメンバーで連携しながらサポートをするようにしていますし、販売店さんの協力もたくさんいただいています。サポートの質を揃えることや、やる気をもたせることなど、難しいタイプです。
いずれにしても、サポートはとても重要であると同時に、技術系メンバーは嫌がる仕事でもあるので、モチベーションへの影響なども含め、しっかり考えなければならない部分です。まず基本は情報をきちんと共有することでしょう。特定のメンバーだけに負担が集中しないようにするなど、マネージメントも大切です。