理念を掲げてるか!?
今日は先週に引き続き、ケーススタディを行いました。前回取り上げたケースを今回も使いました。このケースではある人が海外進出を担って活躍する話なのですが、その人の評価はどうなんだろうか、ということを議論しました。
この人はある面では非常にすばらしい成果を出し、自身も非常に成長したのですが、海外進出の到達目標に対する成果としてはかなり厳しい途中経過であり、客観的に判断すれば悪い評価になるだろう、という感じの議論だったのですが、まさに自分たちの事業の様子と同じような内容で(もちろん、企画のIさんはそれを狙ってこのケースを選んだのだと思いますが)、メンバーも皆考えさせられたことでしょう。
ケースの内容をそのまま紹介するのは著作権的にまずそうなので、例えば当社のどんなところかということで紹介すると、
「
当社のIT事業は受託開発から製品開発にシフトを始め、この2年くらいで1500台以上を販売した「不正接続検知/排除システム:IntraGuardian2」をはじめとして、多くの製品開発販売を軌道にのせることができつつある。技術はともかく、販売は初めてのことばかりの中、メンバーたちは積極的に行動し、多くの失敗を重ねながら販売に関するノウハウを学んだ。製品開発販売の実績をもとに、特注品の相談も増えてきており、今後は得意分野に特化した仕事を中心に、当社ならではの仕事を広げて行くことができるとメンバーたちは自信に満ちあふれている。
」
と書くと、とてもすばらしい状態じゃないか、と思えるのですが、
「
製品開発販売の実績がない中で、製品を選択してもらうために、価格を戦略的に低く抑える方法をとった。入札案件を中心に圧倒的な価格競争力を発揮し、多くの販売店を味方に付けることができつつある。一方、価格を低くしたため、当社自身の利幅が少ないとともに販売店のマージンも少なく、業績としてはほめられる状況ではない。製品販売はサポートの手間もかかり、さらに要望対応に対応するためにバージョンアップを繰り返し、工数を考えるととても利益がある状態とは言えない。
」
という面もあり、どこに評価のポイントを置くかで、評価は大きく変わってくるものです。もちろん当社の場合は若いメンバーも多く、会社の今後を考えても今のうちに様々な経験を積み、メンバーが成長することも重要な課題なので、現状悪い評価ではない(というより、それを前提にもともとはじめている)ということもありますが、経営目標的には未達という冷たい評価もできるわけです。
その評価のより所になるのが「理念」です。
どんなものに取り組むにしても、「理念」つまり、「どうあるべきか」をイメージできているかどうかは大切です。後半の議論では、このケースでの企業理念の話から、自社の理念、さらに、自分自身の理念について議論しました。
企画のIさんは自分自身のあるべき姿をガントチャートまで作ってまとめているくらい、徹底しているのですが、多くの人は自分の将来に関して何も明確に描いていないのではないでしょうか。あるべき姿、目指すところがはっきりしないと、当然毎日の行動もふらついてしまい、長い目で見ると対して成長できていないということになってしまうかも知れません。
逆に理念をガチガチに硬めすぎると、融通が利かなくなってしまうこともあるものです。理念はある程度漠然と、概ねこうなりたい、という感じが良いかも知れないという話にもなりました。
ちなみに、恥ずかしながら私の理想の将来像はかなり若い頃(子供の頃)からずっと同じで「有名になりたい」です。「**ならこの人」という感じです。子供の頃はノーベル賞をもらおう、と思ったり、ギタリストとして世界を回ろうと思ったり・・・難しいプログラムを作って有名になろうとか、著書を発売するたびに、これで少しは有名になれるかと思ったり、社長になったり、ブロガーになったり、何か新しい状態になるたびに多少なりともそう思うのですが、現実はそう甘いものではありません。
もっとも、そう簡単に達成できても張り合いがありませんので、まだまだ「有名になること」を目指して精進していかねばなりません!