朝礼で新聞記事をネタにスピーチ練習
私の会社ではかなり昔から朝礼で社員が順番にスピーチをすることになっています。人前で話をすることに慣れるというのが目的で、当初は仕事の取り組み方や自己啓発ネタなどを話す感じでしたが、途中から新聞記事を題材に話す、という形式になりました。
仕事の取り組み方などを話していた頃に、私が感じていたことが、「仕事の反省ネタ」が多かったことです。途中でバカなことはやめるようにと指摘しましたが、朝礼は上司はもちろんトップまで聞いているのです。そこで仕事で失敗して反省しましたという話をしても、自ら私は無能です、とアピールしているようなものです。たまには他の人への参考になるような失敗談もありましたが、ほとんどは単に「注意不足で」とか、「そこまで考えられなかった」というような内容で、マイナスのイメージを皆に持ってもらうようなものです。
その後、会長から「新聞をもっと読むように」ということで、朝礼でのスピーチも新聞記事を題材に、ということになりました。
ちょうど今朝は私が話をしました。社長はやらなくても良いという意見もあったのですが、話すのが好きなのでやってます。まずは2つ記事を選んで、A4にプリント・コピーして全員に配ります。
新聞記事を貼り付けて良いかどうかわからないので、記事はぼやかしてますが、こんな感じで、スピーチする日付、名前、記事の出所を書きます。配布物には誰がいつ配ったものなのかを書く癖をつけるように、こういう記載が抜けていると厳しく注意されます。
朝礼で大体3分間くらいで、記事を題材にスピーチするという流れです。
ここでまずいのが、単に記事の内容を紹介して終わるというパターンです。そんなものは読めばわかることなので、意味がありません。その記事に対して自分がどう思ったのか、あるいは自分で調べてみた付加情報を紹介する、ということが要求されるのは当たり前です。感想といっても「面白いと思いました」と小学生の読書感想文のようになっても駄目です。
スピーチというのは人によって上手下手の差が大きくありますが、基本的に後天的な能力です。繰り返しやっている人が上手くなるのです。もちろん単に繰り返すのではなく、どこが悪いか、どうすればもっと良くなるかを考えながら繰り返さなければなりません。上達のポイントは、厳しく指摘してくれる人を相手に話すことです。友達感覚で話ができても、人前ではさっぱり駄目、というのは、厳しい目線の中で話す練習をしていないのが原因です。声が小さい、日本語がおかしい、態度がおかしい、早口すぎる、など、指摘してくれる人がいないと、なかなか自分では気付きませんし、直そうとも思わないものです。
また、スピーチ以前の問題として、題材を見つける力、あるいは、見つけた題材に対してどうコメントするかを考える力も必要です。これも普段からそういう意識で物事を見ているかで能力が大きく変わるものです。
昨日のブログで紹介しましたが、ブログを毎日書くということは、題材を見つけ、素早く文章にまとめる力が要求されます。最初はなかなかできなくても、毎日意地になって書いていれば慣れてきます。それが自分の力になるものです。
これらの力は社会人として仕事をしていく上で非常に重要なものです。お客さんに自分たちをアピールする際、お客さんと会話する際、提案する際、いずれでも役立ちます。ポイントは前向きに取り組み、継続できるかどうかだけです。
仕事はコミュニケーションに始まり、コミュニケーションに終わると思っています。会話能力・文章能力・表現力共に、できて当たり前であり、なおかつ、差が大きいものです。私の会社ではスピーチの場は設けて練習していますが、ブログなどで文章能力・表現力の練習のしなければならないかな、と思っているところです。