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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

できることしかできない

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現代の組織の最も残酷な点の一つは、とうてい達成できないレベルの合理性や明快さ、ましてや先見の明が経営者たちに求められていることです。ほとんどのリーダーはこのような域に到達できません。なぜなら彼らは、膨大な不確実性のみならず、世のなかに氾濫する、当てにならない分析を目の前にしている、単なる一個人にすぎないからです。

カール E. ワイク 『「不測の事態」の心理学』より。当文書は『組織行動論の実学―心理学で経営課題を解明する 』所収

「残酷」という言葉にハッとしました。経営層向け研修のためにメモしておこう。

思考系の研修や意志決定の研修の際に、しばしば(過度に)攻撃的な質問を受けることがあります。ごくごく圧縮してしまうと、「その方法論は万能ではないじゃないか!」というご不満から来る質問です。

そうおっしゃる背後には、質問なさる方が置かれている、おそらくは上の引用文のような状況があるように感じます。 この「経営者個人に対する過大な要求」は、経営者から組織内に伝播し、さらには家族に伝播し、だんだん世の中に伝播していくような気もしています。

僕は、精神的に追いつめられた時には、友人が教えてくれた「できることしかできない」という呪文を唱えています。

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