念力コミュニケーション
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昔は父親というのは頑固おやじで、こんなことをしたら勘当だって、わかりやすかったんです。逆らうか従うか、どちらかしかないんです。でもこのごろの親はね、「好きなことを探せ、全力で応援するから」と言う。口ではそう言いながら、「本当はこうだといいんだけど」と、念力で伝えるんですね(笑)。そうすると子どもはがんじがらめになってしまう。
― 藤村 靖之、辻 信一 『テクテクノロジー革命―非電化とスロービジネスが未来をひらく 』 大月書店 2008年
念力(笑)。笑ってしまいましたが、笑えない話でした。
あー自分も念力パパをやっているなとハッとさせられたわけですが、
考えてみると「念力マネジャー」も多いですよね。
「それは、君の選択だから (念力:自分勝手なこと言っているのが分かってるのか!)」
「自発性を重んじたいんだ (念力:いちいち指示しなくても提案してこい!)」
「この件は、君に任せるよ (念力:責任もオマエが全部取れよ!)」
みたいな。
話し手の意図と感情表現と言動が一致していない場合にコミュニケーションにどんな影響が出るか
といった研究はいろいろありますが、難しい言葉を使わずに「念力」という平たい言葉で
伝えきっているところが素晴らしい。引用部分は、藤村先生の言葉です。
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