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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

スキルとしての「眠っている間に決断」

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Hbr200702
(c) Harvard Business Review

一晩寝たら、問題が解決していた。そんな経験はありませんか。実のところ僕自身はあまりそういう経験が無いのですが、考え詰めずに寝てしまった方がよい決断ができるとは、よく言われることですよね。

最近のHarvard Business Reviewに、無意識下の思考の有用性を訴える文章がありました。以下、その記事("When to Sleep on It")から引用しつつご紹介。

心理学の研究によれば、意識的な思考は、それが時間をかけた注意深い熟考であっても、驚くほど粗雑で非効率になってしまう。これは意識というものの処理能力が非常に限定されているためであるという。
Psychological research shows that conscious deliberation, however long and careful, can be a surprisingly crude and ineffective tool, because the conscious mind has a very limited processing capacity.

時間を掛けてしまうと、様々な因子を考慮に入れてしまう。本来その決断に重要でない因子をも取り込んで処理しようとした挙げ句、脳味噌がパンクして決断の質が下がる。「考えすぎて失敗」のメカニズムを大雑把に言えば、そういうことらしいです。

ところが、無意識の思考は意識的なそれよりもはるかにキャパシティが大きいとのこと。実験によれば、無意識下の思考プロセスをくぐらせた決断はただのカンよりも熟考よりも優れていたそうです。実験の詳細は書かれていないものの…

(無意識下の思考によって得られた)決断は、規範的な観点からも、主観的な観点からも、客観的な観点からも、優れていた。
Their decisions were better from a normative perspective (more rationally justifiable), from a subjective perspective (more likely to produce post-choice satisfaction), and from an objective perspective (more accurate, as in predictions of soccer-match outcomes).

僕がハッとしたのは、実はこの部分。「よい決断」をこの3つのperspectiveで測るというフレームワークでした。

  1. 規範的な観点 (決断に至るプロセスが合理的に説明可能である)
  2. 主観的な観点 (決断後の後悔が少ない)
  3. 客観的な観点 (結果と照らし合わせて、正しかった)

本題に戻って、無意識下の思考を使うにはどうすればいいのか?

教訓は何か?意識的な思考を、情報収集のツールとして使うことだ。決断に必要な情報をすべて集めたら、分析しようとしてはいけない。仕事から離れ、意識下の思考がまとめてくれるのを1、2日待とう。その後で得られた直感が、何であれ、まずベストな選択肢と言えるだろう。
The moral? Use your conscious mind to acquire all the information you need for making a decision—but don’t try to analyze the information. Instead, go on holiday while your unconscious mind digests it for a day or two. Whatever your intuition then tells you is almost certainly going to be the best choice.

上記の引用部分が、記事のまとめにあたります。昔から、それこそ直感的に、有効な意思決定の手段として紹介されている方法ですね。

この決断法がほんとうに有効だと仮定すると、次の問題は何か。それは、寝ているときの自分が下した決断を、起きているときの自分が受け入れられるかということでしょう。自分の直感を信じるというのはある種のスキルだと思います。とりわけ、論理的な思考に慣れている我々大人にとっては、意識的な ;-) Un-learningが必要そう。

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