簡単に生産性を上げる「リアルタイムロギング」メソッド
たとえば「報告資料の最終化」という作業に2時間を充てていたとしましょう。
ところが思ったような成果が挙がらない。その原因を分類すると、
- [こだわり] 細部に、妙にこだわってしまったために全体を見直す時間がなかった
- [中断] メールや電話などで思考が中断されたために何をしていたか忘れてしまった
- [拡散] 思考があらぬ方向に流れていってしまい、正味の作業時間が減ってしまった
という感じでしょうか。我が身を振り返ってみると:
「こだわり」 ― 特定のスライドや文章が気になってしまい、そこをちょこまか直すことに時間を使ってしまう。結局全体の品質を上げられないまま納期に…。
「中断」 ― ひとりで作業をするときはメーラーも落として電話にも出なかったり(!)できますが、チームで作業をしているときは、特にマネジャー役のときは、そうもいきません。
「拡散」 ― 恥ずかしながらこれが一番多いかも。報告書を書きながら「あ、これはblogのネタになる!」と思いついてしまうと、もういけません。往々にしてクリエイティブなアイデアが出るのはそういうとき(他の仕事をしているとき)だったりするので、押さえつけてはいけないと思いますが、やるべき作業は見失いたくないもの。
考えてみると、ToDoリストは未来のことを、業務日報などの作業ログは過去のことをメモしているわけです。blogも簡易パーソナルナレッジベースとして有効ですが、リアルタイム性はありません。
しかし「マルチタスク」かつ「予定外の割り込みアリ」かつ「派生的なアイデアが飛び出しがち」な仕事をしている我々にとっては、現在の思考の流れをコントロールすることが、取り組んでいる仕事そのものの生産性をコントロールするうえでは重要になっています。思考の流れを逸らせる「こだわり」「中断」「拡散」をゼロにすることは難しい(あるいはすべきでない)とすると、逸れても素早く本流に復帰する方法はないものか。
そんなこんなで、僕がここ1週間ほど試してみて調子がいいのが、「リアルタイムロギング」メソッド。
冒頭の「報告書作成」でいえば、作業を開始するときに
■××向け報告書最終化
後半へのつなぎを考える
タイムテーブルの再確認
などとロギングしておくだけです。「なんだよそれだけかよ!」という感じです。しかしなんとも情けないことに、たった2時間の作業なのに、しばしばこのログが役に立ってしまうのです。いつの間にか「こだわり」の悪魔に支配されて、オブジェクトの配置揃えなんかを一所懸命やってしまい、ハッと我に返ったとき、この2時間で最低やるべきことを思い出させてくれます。もちろん「中断」に対しても有効。
あるいは、突然blogネタを思いついてしまったというような「拡散」が始まったら、
■blogネタ
todoは未来、日報は過去
→リアルタイムログの効用
→psコマンド?メモリ管理?
など、ネタの断片をログに掃き出して、作業に復帰します(次から次へとアイデアが膨らむときもありますが…そういうときは思い切ってスケジュールし直します)。
僕は例によってNami2000を使っています。Ctrl+Dで日付が、Ctrl+Tで時間が、それぞれ打てるタイムスタンプ機能が便利です。あとは小ネタも含めてテキスト化されるので、後から横断検索をかければ、いつ何を考えていたかとか、「あのとき思いついたあのネタ」を失わずにすみます。
いかに自分が気が散りがちな人間かを長々と書いてきただけのような気がしますが、どなたかのお役に立てば。