グループウェア(ノーツ等)の移行先候補トップがGoogleAppsだというが
TechTargetジャパンが2012年6月に行ったグループウェアに関するアンケート調査をダウンロードして読んでみた。
こちらの記事にもなっているが、グループウェアユーザの実に半数以上が不満を感じているそうだ。しかしながら、ではいざグループウェアを替えようと思うと「移行コストが高い」のであきらめているらしい。この傾向はノーツユーザーでより顕著に出ている。ノーツユーザ以外では不満に思っているといっても「コストをかけてまで不満や課題を解決する必要がない」というのが大勢のようだ。
さてではノーツから何に移行したいかというとGoogleAppsがトップだそうだ。うーん、それは値段だけしか見て無くないか?というのが私の率直な感想。
ノーツはグループウェアの老舗ということで機能が豊富だしカスタマイズ余地も大きい。がりがりに作りこんだノーツを使うヘビーユーザの移行先としてあまりカスタマイズができないGoogleAppsというのは選択肢としてかなり疑問だ。ノーツで実装していた機能はどう巻き取るつもりなのだろうか。
逆にノーツをほぼほぼプレーンで使っているライトユーザの場合は、たいていユーザリテラシーが低い。こうしたリテラシーの低いユーザにGoogleAppsは使いこなすのが難しいのでは、というのが私の意見だ。Googleの思想では利用者にそれなりのリテラシーを求めていて、「ついて来れる人だけ使ってください」的な匂いがプンプンするのだ。それに一般ユーザが最も慣れているUIはマイクとソフトベースのもので、これについてもGoogleAppsはノーツと同様にちょっとUIに癖がある。
実際にここ最近一旦(安いからと)GoogleAppsを導入した企業から、「従業員がついてこれず使いこなせないので」あるいは「いろいろ出来すぎるのだが、結局にどれも時間ばかりかかって業務上無駄が多い」などの理由で別のグループウェアに戻りたいという相談を立て続けに受けている。
いまやグループウェアは業務遂行にはなくてはならない基盤になのだから、担当者の方には、安易に価格の安いものに走るのではなくユーザの利便性や業務革新やワークスタイル変革の実現性まで踏まえてよくよくご検討を頂きたい。