ショッピングセンターがユビキタスになったらどうなるのか
近所のショッピングセンターでユビキタス実験をやるということで昨日はその実験に半日つきあってきた。これは総務省が支援して行われるユビキタス最新技術を利用した実証実験「ユビキタスパーク」の一貫で13社3大学によって11月3日から12月19日まで10個の実験が行われる。(参考記事:「ドコモやKDDIなど13社3大学、柏市ショッピングモールで実証実験を開始」)
{NTTdocomoの報道資料のページには各実証実験の変わりやすいイメージ図も出ている。以下にその中の1枚を引用}
初日の3日はこの中のタイムリー&タイムリーというサービスが実験された。これはショッピングセンター内で今起こっている出来事をリアルタイムに発信して、センター内に設置されているデジタルサイネージや携帯端末に提供するというサービス。
しかし初日ということで内容はさんざんなようだった。肝心の館内のデジタルサイネージが半数くらい故障で動かない状態で、しかもレポーターがポストした投稿のいくつかはエラーになってはじかれたりもしたようだ。実験メンバーが寄合い所帯のためにコミュニケーションが難しく、デジタルサイネージの本体を管理する三菱電機と上手く連携が取れていないようだった。
さらに、そもそもタイムリー&タイムリーというコンセプトが今のショッピングセンターにあっているかという疑問も感じた。考案者は多分、スーパーのタイムセールのようなものをイメージして「本日開店から先着10名には粗品プレゼント」「15時から加工食品20%引き」「17時からはお刺身半額!」みたいなリアルタイム性に富んだ情報を流して、それによって店内を人がわらわらと動くようなさまをイメージしたのだろうが、実際に今時タイムセールを行うショップは少ない。
曜日を決めての特定商品の安売りや休日だけの特典進呈などは行うにしてもそれは1日ずっと、あるいは長めの期間をとってのセールになる。ところが館内のデジタルサイネージには直近の10件に満たない情報しか表示されない(貸し出し式の専用端末にはスクロール機能が付属)。しかもそのうち半分は、地域のお天気情報とフードコートの混雑状態だ。そもそもショッピングセンターへの来訪者のセンター内の滞在時間って2~3時間程度ではないのだろうか。例えタイムセールがあったとしてもたまたまその間に合致する可能性を考えるとちょっと・・・だ。
せめて、デジタルサイネージや携帯電話やPC用のホームページにはスクロール機能が不可欠だろうし、お店単位に過去の情報を絞り込んで見る機能などが必要だろう。実際リアルタイム性よりは、スポット情報に着目して位置情報を使って店単位(エリア単位)の情報提供のほうが訪問客の動線にあっているように思う。あえて言うならTwitter的アプローチよりはfoursquare的アプローチのほうがショッピングセンターには向いていると思う。
ちょっと否定的な事ばかり書いたが実験はまだはじまったばかりで次の週末の6日と7日にもまた行われるので初日の反省をいかして改善されることを期待している。途中にちょっと書いたようにショッピングセンター内のフードコートの各所にCO2センサーを設置してエリア毎の混み具合を自動探知して案内するサービスなんていう、いつも子連れで席探しに奔走している私には結構魅力的に思える試みもあるし。