ITSSスキル標準の導入企業は未だ3割
総務省及び経済産業省から「情報通信業基本調査」(速報)が発表された。この統計は、我が国における情報通信業に属する企業の活動の実態を明らかにし、情報通信政策の基礎資料を得ることを目的に創設されたもので今年が第一回になる。冒頭に我が国の情報通信業の全般として以下の記述がある。
情報通信業を営む企業(主業か否かを問わず少しでも情報通信業を営んでいる企業をいう。)の数は4,405 社で、情報通信業に係る平成21 年度売上高は38 兆6,583 億円(全社の売上高は47 兆2,915億円)。売上高は、電気通信業、ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業の順に大きく、この3業種で情報通信業全体の72.9%を占める。
企業数の構成割合について、資本金規模別にみると、12 業種中7業種において「資本金1億円未満」に属する企業が5割以上を占め、兼業率別にみると、兼業をしている企業が全12 業種において5割以上を占め、特に有線放送業については、94.5%が兼業をしている。
他にもこの統計にはいろいろなデータが詰まっていて結構使い出がありそうだが、その中で私の目にとまったのは39ページにある情報通信業におけるスキル標準の導入状況のグラフだ。
ITSSをはじめとしたスキル標準が策定されてもうかなりの時間が経過しているが導入状況は遅遅としたものだ。というかスキル標準の存在自体をしらない企業やITスキル標準(ITSS)、組み込みスキル標準(ETSS)、情報システムユーザスキル標準(UISS)と3種類のスキル標準があることを知らない企業も多そうだ。
そのくせ実はユーザ企業を訪問すると役員から「うちの情報システム部門は優秀なのかそうでないのか判断が出来ない」「本業とは異なる傍流にあたる情報システム担当者の評価や処遇をどうすれば良いのか悩む」なんて話は良く聞く。
もしこういう悩みを持っている企業があれば、スキル標準の導入を検討してみると良いと思う。