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SMART4Bの感想と社内Twitterの可能性について

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 Twitterが順調にユーザ数を拡大しているという。知名度も上がってきているようだ。さてここまでくるとTwitterのようなミニブログ(あるいはライフストリーミング)を企業内で活用してみてはというアイデアも自然にでてくるだろう。
 実際に先月には小川さんのモディファイから社内Twitterと呼べるマイクロメッセージングービスSMART4B が公開、サービス開始されている。早速試行用アカウントを取得して同志数名と約1ヶ月半ほど利用をしてみた。実のところSMART4Bの前にYammerも試していたのが、両方を見ても結論としては、企業内に導入するにはちょっと時期尚早だろうというのが私達の感想だ。

 まず残念ながらSMART4Bのサービス自体の完成度がまだ低い。せっかくなので(ここに書けば改善要望として小川さんが拾ってくれる事を期待して)試行利用時にメンバーから出た要望をいくつか並べてみる。※

致命的だと思われるもの

  • メンバーへの招待メールを受け取った人が誤って削除した場合、再招待が出来ない。再登録しようとすると「重複メンバーです」というエラーメッセージがでる。
  • 管理者による接続者やIPアドレス、接続時間などのアクセスログの確認やチェック機能がない。SaaSモデルでの提供であるため、書き込んだメッセージが漏洩したり覗き見されていないかをチェックするためにはこういった機能が不可欠。
  • セキュリティ確保の仕組みが不足しており不安。ベーシック認証オプションや契約企業のIPアドレス以外からのアクセスを禁止する仕組みなどが必要。

重要なものあるいは強い要望

  • 管理者の管理機能が不足。全件ダウンロードは出来るようだが不適切な書き込みの強制削除機能などはないようだ。
  • PNGやJPGの添付ファイルをクリックすると表示でなくてDLされる。そもそも画像はサムネイル表示して欲しい。
  • メールによるストリーム配信で送られてくる内容が冗長。新着だけ送るように選択できないか。
  • 他人同士がフォローしあったものまでタイムラインに出てくるのは余計。
  • コメントの表示が見づらい。どのポストが親ポストか対応関係がわかりにくい。今の「噴出し」デザイン見やすいとはいえない。

利便性向上やその他アイデア

  • ログオン時に前回以降の新着だけを直ぐに確認できるようにして欲しい。
  • 他人同士がフォローしあったものまでタイムラインに出てくるのは余計。
  • 特定のキーワードが含まれる呟きだけをタグにまとめて表示する機能が欲しい。
  • コメントへのレスが別画面への遷移なのは使いづらい。
  • ワークグループのフィードの追加削除といった編集権限が欲しい。
  • 発言時にステータスが選ばせてはどうか。(疲)、(モバイル)とか(残業中)とかそういう感じのもの。
  • 「前へ」「次へ」がわかりにくい。「過去」「最新」としたほうが良いのではないか。
  • Yammerのようなブラウザ組み込むクライアントがあっても良い。

 まあ登場したてのツールなので機能不足や完成度については仕方がないとしても、利用していて1ヶ月ちょっとで案の定呟きの回数が減った。少なくとも我々の場合は、わざわざ社内Twitterで呟くべきことは少ないという印象だ。
 弊社の場合、このブログでも何度か書いたように社内ソーシャルブックマークを活用している。電子メールを保管するためのインスタントメッセンジャー(LotusNotesに付属のSametime)利用できる。私のように外部でブログを書いているものもいる。こういう状況下では社内Twitterで呟く事があまり残らないのだ。特定の人向けのメッセージ(雑談含む)はメッセンジャーで飛ばすし、ニュースや事件を皆に周知してそれをディスカッションするのは社内ソーシャルブックマークのほうが適している。相手に絶対に読んで返事が欲しい重要な連絡はメールを使う。そうなると社内Twitterにはふとした(ふと思った)内容で他人に知って欲しく、なおかつ誰でも良いからツッコミや反響が欲しいような内容くらいしか投稿するものが残らない。
 結局最近では、昼飯のメニューや読んだ本の感想、セミナー出席時の気づきメモなどしかタイムラインには流れない。レガシー企業でイントラブログ、社内SNS、社内ソーシャルブックマークなどを全く入れていない企業ならともかくそうでない企業の場合は使い方がけっこう難しいという印象だ。

 まあインスタントメッセンジャーが未導入に企業、あるいはその替りとして社内Twitterへ置き換えるという使い方はありそうだけれども。

※というかWeb2.0系のサービスなのにユーザからのフィードバックを受付けるアドレスも仕組みもどこにも書いて無いなんて・・

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