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これからの情報システムのキーワードは"つなぎ"

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 今日はOracle OpenWorld Tokyo 2009に来ている。会場は盛況で大勢の人が押し寄せている。オルタナティブ・ブロガーも何人も見かける。

 さっそく先ほど「異業種パネルディスカッション~世界経済危機の時代 日本企業が挑むべき明日のビジネスモデルとIT」というアサヒビール、カシオ計算機、トヨタ自動車、ファミリーマート、明治乳業といった日本を代表する大企業のCIOが揃ったパネルディスカッションを聞いた。そこで大企業のCIOの方々が口を揃えておっしゃっていたのは「これからの情報システム(部門)は"つなぎ"が大切」というキーワード。

 各社のCIOからは既に日本の大企業では個別業務のシステム化やグループ企業各社の情報化については一巡しておりそれなりの効果も発揮しているという前提が語られ、その上で今後の攻めの戦略のためには、例えばサプライチェーンの中の各プロセス毎のシステムを"つないで"更なる効率化や無駄の除去を行うことや従来あまり情報化が行われていなかった顧客との"つなぎ"の部分をシステム化することが必要という意見が出ていた。ただ顧客との繋ぎの部分ではCRM/SFAの構築・強化というよりは、顧客の声を聞く/顧客と対話するというコミュニケーションのほうを各社とも重視しているようだった。
 他にも"つなぐ"というキーワードでこれからの情報システム部門の役割として、グループ内の一社で成功した成功事例を他社に展開するように"つなぐ"であるとか、外部の新しい技術やアイデアを社内に"つなぐ"仕事が重要になるという意見もあった。

 そしてカシオ計算機の矢澤さんからはこうした"つなぐ"の実現手段としてインターネット系技術の活用が提唱されていた。例えばSCM内の個別システムや機能の連携部分についてはネットで鍛えられたSOA技術やアプローチが使えそうだし、顧客とのコミュケーションには双方向性をもったWeb2.0ツールが使えるし、社内での情報伝達やノウハウ継承には動画の活用できるといったアイデアを披露。新製品の新しい使い方を営業員に説明するために社内YouTubeを立ち上げて動画で説明をすれば従来のパワーポイントでの説明よりも、もっと判りやすくなるという具体的な例まででていた。
 カシオ計算機といえばイントラブログの活用事例をはじめとして、いち早くWeb2.0系の技術を社内システムに取り込んでいることで有名だが既にさらに一歩先へと進めているようだ。

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