1:9:90の法則は崩れたのか?
昨日紹介したadvergirlにウェブの世界で非常で有名だった1:9:90の法則(90:9:1の法則とも言われる)が最近崩れつつあるという記事があった。
1:9:90の法則とは、
ウェブ活用におけるユーザーの行動は、情報発信意欲の極めて高い1%の「発信者」、発信された情報の周辺でコメント・評価などのコミュニケーションを取る9%の「コミュニケーター」、それらの情報を読むだけにとどまる90%の「ROMユーザー」の3層に分かれる傾向があります。(出所:2008/1/1のマイネット・ジャパンの辻さんの記事)
であるが、フォレスターの調査結果によると、2008年には21%(2007年18%、2006年13%)の人が自分でウェブページやブログを作ったり動画サイトへ作品を投稿するクリエイターになり、ブログへのコメントや口コミサイトに評価を書き込んだりするクリティックも37%(2007年25%、2006年19%)と増えたようだ。
advergirlでは、このフォレスターの調査結果から、ウェブでの発信者やコミュニケーターの割合が1%や9%の壁を破って増え始めてたとする。
ちなみにRSSを利用しタギングを行うコレクターは19%、ソーシャルネットワークを使うジョイナーが35%、ブログやフォーラム、レビューを読んだり動画やポッドキャストを聴くスペクテーターは69%にまで増えたそうだ。もはや無活動者の割合は25%(2007年44%、2006年52%)まで下がっている。なんとなく感覚はわかる。確かに私も昔よりもより積極的にウェブの世界に関与してくる人は増えているのを日々実感している。
{図の出所はhttp://blogs.forrester.com/groundswell/2008/10/new-2008-social.html}
ただ注意しなければいけないのは、フォレスターのこの"Social Technology Ladder"の場合、各消費者が月内に一度でも該当する行為を行うとその層にカテゴライズされてしまう。だから無活動者以外の層は重複しており全部を足すと100を超える。これは言い換えるとネットのどこで活動しても最も活発な層へカウントされると言うことだ。
あるフォーラムで積極的に発信をするクリエイターが他の場所でもそう振る舞うとは限らない。親しい友人のブログには頻繁にコメントをする人が他のブログは巡回して眺めるだけかもしれない。フォレスターのこの"Social Technology Ladder"での各層の割合が増えたからと言って、そのまま各コミュニティで1:9:90の法則が直ぐに5:25:70の法則に変化するとは言うないだろう。
1:9:90の法則は1人しか書き込んでいなくても見ている人はその100倍はいるという効果百倍の法則だと考え、そして今やその輪は以前の無活動者を取り込んで2倍以上に大きくなったとみるくらいがちょうど良いと思う。