国立国会図書館の「テーマ別調べ方案内」や「レファレンス協同データベース」は便利
今日は我々が最近に手がけたお仕事関連でちょっと紹介。
先週末の日経ビジネス・オンラインに「国立国会図書館、情報の在りかを指南する仕組みを2009年度に導入」という記事が掲載された。国立国会図書館が外部向けのホームページを改修してより情報をさがしやすくする為の新サービスを提供をするという記事だが、実はこの新サービス開発の為のアイデア提供的な調査研究を昨年度に手掛けて報告書をまとめた。
この案件は「ナレッジ提供サービスのユーザインターフェース要件調査」という名前の案件で競争入札だったので国立国会図書館のホームページを見れば弊社が落札したことは判る。報告書では、はてなをはじめとしたインターネット上の先行サービスを参考に、新サービスで実現した方が良い機能をいくつも織り込んだ。
実は国立国会図書館のホームページには今でも非常に充実したコンテンツが揃っている。例えば「テーマ別調べ方案内」というページには、いろいろなトピックについて調べる際の情報源が調べ方案内として纏められている。何かについて調べたいけど、どこから手を付ければ良いのか判らないときなどにはまずここを参考にしてみると良い。「テーマ別調べ方案内」は情報を探すことのプロである司書の方の手によって作成されており情報源だけでなく探し方のノウハウも学ぶことが出来る。
ちなみに、私がよく使うのは「テーマ別調べ方案内」の「産業情報ガイド」というページだ。このページには例えば情報サービス産業やゲーム産業といった様に業界毎の基本的な情報を得るための各種情報源が整理されている。コンサルタントやシステムエンジニアという職業の場合、お客さんの業種については日頃から情報収集をし勉強しておく必要があるのでこういう纏め方はとても使い勝手が良い。学生等にとっても就職活動をする際に自分の希望の業種のことを知るのに使えるのでは無いだろうか?
調べ方案内については国立国会図書館以外にも、「パスファインダーバンク」や「公共図書館パスファインダー(調べ方案内)リンク集」というのもある。公立図書館には各地域に関する情報が充実している事が多く、自分の住んでいる地域の事や歴史を調べる際にすごく便利だ。
国立国会図書館には他にも「レファレンス協同データベース」というコンテンツがあって、こちらでは全国の図書館で行われているレファレンスサービス(質問回答サービス)の記録がデーベース化されている。レファレンスサービスというのは図書館関係の人以外には聞き慣れない単語かもしれないが、『資料や情報を求める利用者の方々に文献の紹介もしくは提供するサービス。「調査相談」、「参考調査」等の名称で呼ばれることもある。』とされる。ようは図書館で迷ったときや困ったときに司書さんに相談するといろいろと教えてくれるあれのことだ。
日本だとレファレンスサービスはあまり知られていなくて利用する人も少ないらしいが、一応どこの図書館でもレファレンスサービスは受けられることになっている。図書館の多くは我々の税金で運営されているわけで、こんな便利なサービスは使わないと損だ。未経験の人は是非使ってみると良い。
「レファレンス協同データベース」にはそうした相談の事例が膨大に溜まってきており、司書さんと顔を合わせて相談をするのは苦手という人や図書館まで行くことが出来ない人でも活用することが出来る。
これ以外にも国立国会図書館のホームページには様々な有益な情報が沢山ある。国立国会図書館と言えばNDL-OPACという蔵書データベースが有名だが他にも仕事や勉強に役に立つものがあるはずだから是非いろいろ試してみると良い。
冒頭の日経の記事にでた新サービスは、こうした沢山の情報源をより探し易くするための仕掛みを提供するものだ。システム構築について今年後半以降に行われ、実現は来年度になる予定だが、私も一利用者として楽しみにしている。