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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

キックオフミーティングの多い会社は駄目な会社

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 今週の月曜日は日経産業新聞社主催のセミナー「イノベーション時代を勝ち抜くIT戦略~エンタープライズサーチがもたらす知識経営~」での特別講師だった。私の出番はこのイベントの一番最後だったのだが、せっかくだし後から話す者としては先に話す講演者の話は押さえておくべきだと思ってとりあえず最初から最後まで全部の講演を拝聴させていただいた。

 で、やはり一番面白かったのが、基調講演での一橋大学の米倉先生の講演。実のところイベントの主テーマであるエンタープライズサーチとはあまり関係のない話が多かったのだがナレッジマネジメントに携わる者としてはかなり有益な話だった。そしてその中で特に印象に残った部分が

組織の中で最も大事な情報は失敗情報である

 先生は、超有名な3Mでのポストイットの開発話を引き合いに、組織において失敗例を流通・流通させることの重要性を説かれた。失敗を報告させる仕組みを制度化すると(報告しなくて良いからというような)いい加減なチェレンジや行動が減って結果的に失敗が減るというのがその具体的な効果としての1番目、次の効果としては失敗行動のドキュメンテーションが進むことを挙げられていた。
 実際本当にイノベーティブな事は言葉しにくいので、いろいろな人によっていろいろな角度から言語化をトライすることは非常に重要だ。だから失敗例のドキュメンテーションの義務化はイノベーションの言語化の面で効果が高い。
 それから先日このブログでイノベーションをつぶす病について書いたときにイノベーションだって現在の延長にあると書いたが、米倉先生によると時代より進みすぎたイノベーティブ過ぎる商品は、消費者認知が進んでいなかったり周辺の関連技術が追いついていない事などによって多くの場合ヒットせずに失敗に終わるという。
 だから企業で新商品開発を命ぜられたときに最も成功確率が高いのは、過去の自社の失敗事例を見てその中からこの進みすぎて失敗した商品を再活用するアプローチだそうだ。
 超納得。
 
 そしてこうした失敗例を蓄積伝承する面で良い組織の具体的行動例としては「クローズドミーティング」が多いことだそうである。いつもいろんなプロジェクトが始まる都度に「キックオフミーティング」だけをやっている組織は、どうやら駄目な組織ということだそうだ。プロジェクトの開始時の顔合わせのミーティングよりも終了時にきちんと結果や成果を確認しあう為のクローズドミーティングを実施する風土を作ることが大切だ。
 さて、あなたの組織では、「キックオフミーティング」と「クローズドミーティング」のどっちが多いだろうか。

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