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人々はQ&Aコミュニティで何を探しているのか?

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 先日ヤフーと国立情報学研究所(NII)が以下のようなプレスリリースも発表している。

Yahoo!知恵袋のQ&Aを学術利用 NII

 実はちょっと前のエントリーで、3回にわたってQ&Aコミュニティの話を書いたところ、インターネット上のQ&AコミュニティであるYahoo!知恵袋のプロデューサーである岡本さんからご丁寧にメールを頂き、Yahoo!知恵袋のデータを使ったいくつかの研究論文をご紹介いただいた。

 どれもかなり興味深い研究結果で私の本業にも非常に役に立っている。特に面白かったのは『「質問タイプ」から見た参加行動』の中の質問内容のテキストマイニングによる分析結果だ。以下に論文から一部を引用すると

人をあらわす語は「答未知」タイプで多く、答既知タイプは全体でも4 種類にとどまるのに対し、答未知タイプでは8 種類の語が含まれている。

ということだ。ここにある「答既知」というのは正解が存在する知識追求タイプの質問で「答未知」というのは決まった解が存在しない相談や予測といった問題解決タイプの質問のことである。答未知タイプの質問に人を表す言葉が頻出するのは、人間関係等に関する質問が多いことによるのだろ思う。そもそも人間関係に関する相談には当然正解も無いようなものが多く、さらに人間関係等の疑問は検索エンジンで検索しても答えを得られる可能性は低いだろうから「答未知」でのそうした質問の割合が高いと推測する。

 そしていま注目しているのは

なお、どの列にも「方法」という語があらわれており、そのことから「方法」を問う質問が多いと推測される。

という部分。ここでいう「方法」って具体的に何だろうか。方法という言葉は使いやすいので質問のときについつい使ってしまうのだろうがより具体的に分析すれば、やり方・手段、ツール、考え方・アドバイスなどに細分化ができそうだ。

 例えば、「ブログのネタを集める方法を教えて下さい」は手段の問い合わせ、「ブログをオフラインで書く方法は?」はツールを探している、「ブログを続ける方法」なんてのはアドバイスを求めているのだと思うのだ。ここで手段とアドバイスは若干区別しにくいが、基本のやり方は分かっていてその上で応用としての考え方やアドバイスを求めるのは手段を求めるのとは分けたほうが良いと考えたのだ。基本を聞くときは知識追求タイプ的で、応用を求めるときは相談的になるのはないかと直感している(間違っているかも知れない)

 どなたか他に「方法」を細分化するアイデアをお持ちの方がいれば是非コメントを頂きたい。

 冒頭であげたNIIを始めとしてこの分野の研究者が増えて、このような人々がQ&Aコミュニティで探しているものは何かという検索行動を突き詰めていくと、次世代の検索エンジンの開発などに応用できると思っている。

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