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ポケットをひとつに出来ることこそがセマンティックウェブの効果ではないだろうか

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 さて先日のジャストシステムでのミーティングでマイクロフォーマットの有効性の議論があったのでこの週末からマイクロフォーマットのことを真面目に勉強し始めている。
 正直なところこれまで私は、マイクロフォーマットはブログなどのXHTMLを記述する際にメタデータを埋め込んで意味情報も一緒に表記・伝達させる為の仕掛けだとしか認識していなかった。マイクロフォーマットについては伝えたい情報の種類ごとに少なくとも以下の4つの規格が既に決められているようだ。

  • レビュー情報(hReview)
  • イベント情報(hCalendar)
  • コンタクト情報(hCard)
  • 人脈情報(XFN)

 ところがこのマイクロフォーマットを読み取る側のアプリケーションとなるとまだあまり無いようだ。ざっと調べたのだがテクノラティの検索ツールとGoogleの一部くらいしか見つけられなかった。そうマイクロフォーマットを読む側のアグリゲーターがほとんど普及していないのである。どうしてかな、と考えていたときにふと思い出したのが、ウチの会社でセマンティック・ウェブを追いかけている担当から聞いたこの言葉

セマンティック・ウェブ方面の人は「今あるウェブのコンテンツをどうすればもっと便利に使えるか?」という視点から議論する傾向があるんですよ。「俺はこういうアウトプット出したいから入力側でこういう意味データを付記してくれ」っていう、そういうスタンスの人が多い印象を受けます。

 なるほど今回マイクロフォーマットについて調べていて見つけた「人間にも機械にも意味を理解できる Web、第 1 回: どうすれば人は Web の豊かさを共有できるか」というページでも、書き手が意味情報を発信してくれれば利用者側がこんなに便利に使える(このページの場合スケジューラ)という視点で例を提示している。でもこの書き方で書いた例って正直私にはあまり魅力的に感じない。
 先日のブロガーズミーティングでは、xfyを使ってブログを書くデモンストレーションが行われた。そこでもブログを書くときに外部の複数のWebサービスを一つにまとめたマッシュアップの説明があったのだが、なんか視点が違うのではないかと思い始めている。

 ブログエディタでマイクロフォーマットを書く(しいてはセマンティック・ウェブを使う)メリットは出口側の視点ではなく入口側の視点でこそ真価が発揮できるのではないかと勝手に思い始めた。

 ちょっと話を変えると、最近はやりのLifeHack(昔の言い方で言えば仕事術)の分野では、「ポケットをひとつ」にするという発想がある。メモだとかタスクリストだとかなんでも良いのだが自分の記憶を外に吐き出すときにその対象(外部記憶装置)はひとつにしろという教えである。
 ところが今のIT下でのいろいろな環境はそうなっていない。それはソフトウェアが最終データの属性に合わせて細分化されてしまっているからだ。
 例えばスケジュールを管理するソフトと顧客情報を管理するソフトと名刺データを管理するソフトが別になっている現状では、自分の持つデータを属性ごとに専門ソフトに入力し分けないといけない。そう今の、ITの現状では入り口がひとつにしにくいのである。
 
 だからこそマイクロフォーマットを使うときは、入力や登録といった入り口を一つした実現イメージを訴求してはどうか。先日のエントリーで書いたようにブログに日報という形式で記事を書いた際に各項目にタグがつけば、それがそのままスケジューラやCRMや名刺管理システムにも反映されるようになるというのであれば皆が便利さを実感できると思うのだ。そう思って、先日文章で書いた内容をちょっと図に起こしてみた。

Beforeafter_1  私は別にマイクロフォーマットの普及を担っている立場ではないが、もしそんな立場にある人がいるのなら、この入り口が一つになるというメリットを実現する視点からスケジュール管理やタスク管理、人脈管理ベンダーを是非巻き込んでみてはどうか。当たり前の話であるがこうやってマイクロフォーマットを読み込む対応アプリケーションがたくさん用意されるようになればなるほど、入り口が一つにしやすくなってxmlの便利さがより享受できるようになる。
 

参考にしたページ

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