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ナレッジマネジメントは「型」にしないと効果がない

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 2回続けてナレッジマネジメントのエントリーを書いたがもうひとつ。

 先日のエントリーで「ナレッジマネジメントそのものを目的としたシステム導入は上手くいかない」と書いた。実際にナレッジマネジメントの実施の際に最終的に何らかの「仕組み」に落とし込まないと、個人のナレッジが組織に落ちない(溜まらない)のだ。これは、先日書いたことと一見矛盾しているようだが、これまでの経験からいって多分間違いないと思う。但しここで言う「仕組み」は、IT系のシステムとは限らない。紙でも制度でも良い。「仕組み」にしないと一過性のものになってしまう。
 もうちょっと具体的に考える。例えば、営業員の持つ営業ノウハウとして顧客への提供情報を共有して再利用するというナレッジマネジメントに取り組むとする。プロジェクトを立ち上げ、この目的を共有し実際に営業員から情報をくみ上げる。その後そのくみ上げた顧客ニーズを分析して仮説を立案するなり、営業用パンフレットをバインダーにまとめる。最後に仮説に基づいて新製品を開発したりこのバインダーを営業員に配布する。そして「この営業ノウハウを活用するように」という掛け声が発せられる。

 さてこの後なにか起こるであろうか?たぶん、ほとんど何も起きない。

 この間、情報を集めることに携わったプロジェクトメンバーにはナレッジが溜まると思うが、それがそれ以上の人に広がらないし、集めた情報がその後ブラッシュアップされて品質や精度を上げることは起こらない。これは営業員が顧客先にいつもバインダーを持ち歩くわけではないから集めた情報はほんのちょっとしか使われないことや一旦作った営業用パンフレットや提案書が更新されないことによる。そして時間が経過しプロジェクトメンバーの異動などと共に集めた情報が失われる。
 しかしこれが「仕組み」に落ちるとどうだろうか?顧客ニーズを日報に記載して報告するという制度や日報システムに顧客ニーズを書く欄を作りそれを管理する人を決めたり、バインダーを電子化してフォルダに格納して差し替えのルールを作るとナレッジの活用のチャンスが増える。「仕組み」になると組織内で関与する人が増えて彼らが継続的に情報に触るのでこれがナレッジに昇華するチャンスが増える。情報がナレッジに昇華する為には、回数と時間が必要でそれを増やすためには「仕組み」が不可欠なのである。ここでは「仕組み」と書いたが「型」と言い換えてもよいかもしれない。
 しかし多くの組織では「仕組み」を作ることは非常にハードルが高い。大企業になればなおさらだ。このあたりにも「検討ばかりして実行しないナレッジマネジメント」が生まれる原因がありそうだ。

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