OmniFindについて
先週の木曜日と金曜日にサーチエンジンのイベント「Search Engine Strategies Conference & Expo 2006 Japan 」(略称:SES) 」に出席したところ、展示会場のほうで日本IBMが自社のサーチエンジンである「OmniFind」を出展していた。
「珍しいな」と思って覗いて立ち寄ったところ具体的な製品の展示ではなくパワーポイントに画面を貼り付けたものの出展(要はモック)でまたしても本物を見ることができなかった。ちょっと前から日本IBMが「OmniFind」を売り出しているのは聞いているのだが、実のところ私は今日まで本物を見たことがないのだ。セミナーでデモは多少はやるのだが簡単な検索しかしないのでその実力もわからない。過去の経験から海外ベンダーの作る検索エンジンはたいていの場合、日本語の辞書の部分が弱点となり検索結果の信頼性が低いので一度自分で条件を入力してその実力を見てみたいと思っていのだがなかなか機会が来ない。
仕方が無いので展示会場でいくつか質問をしたのだが、検索の画面は単純なキーワード1語の入力画面のみで絞り込みや複数条件検索の画面は標準では提供されずカスタマイズの開発になるとのこと。検索結果の画面についてもファイル名の表示すらない非常にシンプルなものが提供されるだけでこちらも必要に応じてカスタマイズで開発となるようである。こうしてみると、どうも「OmniFind」という製品は、パッケージというよりは検索エンジン部分の提供というツールの提供に近い形式の製品のようだ。ちなみにIBM製品なのに製品名にバージョン番号をつけて呼ばれることが少ないのも珍しい。
当日配布していたカタログには、「WebSpherePortal」や「Domino」、「QuickPlace」上のACLの継承などもできるとあり日本語についても大和研究所に研究チームがいるという触れ込みになっている。しかしこれほど実体がないと現時点では正直エンタープライズサーチツールとしての評価対象外とするしかなさそうだ。
そうえいば1月に参加したIBMのナレッジ系のイベントにあたるLotusphereでも、「サーチ」はあまり重要なテーマとしては語られていなかった。「OmniFind」のセッションもほとんど無かったので、もしかするとIBM社内での「サーチ」の位置づけは低いのかも知れない。
ちなみに、私もIBMのLotusNotesのユーザの一人なのだが、ここで最後に一言だけ本音を言わせてもらおう。
「IBM様、専用の検索ツールを開発する暇があるのなら、まずLotusNotesの検索をもっとまともにして使えるようにしてください」(苦笑))