何故部下は思う通りにならないのか? 〜これからはコーチ型マネージャーの時代〜 ⑤言い訳の多い部下には?
何故部下は思う通りにならないのか?
〜これからはコーチ型マネージャーの時代〜
⑤言い訳の多い部下には?
このシリーズはこれが最後です。
当たり前ですが、同じ人は地球上に居ません。また生まれ育った環境が全く同じ、と言う人も居ないはずです。
ここから言えることは、皆様の周りに居る人々は皆違う様々な経験に基づき、人格を形成してきたのです。
人の性格や価値観、信念・信条等は、親からもらったDNA以外は全て生きてきた環境の中で"後天的"に作られたものです。
私の例を申し上げますと、私は強度の高所恐怖症で、今でも遊園地のジェットコースターに乗る方の気持ちが全くわかりません。でも高所恐怖症になったきっかけは認識しています。
小学生低学年の夏休み、父の出身地福島県浪江町でバイクが転倒、後ろに座っていた私も擦り傷を負いましたが、転倒した道のすぐ横はなんと断崖絶壁でした。。。。(余談ですが福島第一原発近くです)
人間は無意識で「安心・安全」を手に入れるように脳にプログラムされます。その時私の脳にはこのようにプログラムされたのではないかと思います「高い所=痛い=怖い=避けろ」、と。
長くなりましたが、これは仕事場においても色々当てはめられます。
例えば、会議で発言しない人は、過去に発言した際に馬鹿にされたり叱られたりした過去があるはずだと思いますし、ネガティブな人は今までで大きな失敗の責任を取らされたりしたことがあったのではないかと思います。
本日のテーマの「言い訳が多い」もこの人は何故言い訳が多い人間になったのか、という理由を考え/問いかけながら取り組んで頂くことをお勧めします。
部下「無理です。今月末迄って絶対無理です。時間もないし、他の仕事もあるし、出張も入ってます。」
このケースだと、自分の実力を見極められない時代に、安易に請け負った仕事を納期通りにできず叱責される事が続くと自然にバリヤーが高くなってしまったのではないかと考えられます。そこでこんなアプローチはいかがでしょう?
上司「もし間に合わない場合の責任は私が取る、私が本部長にお詫びにいく。だから出来そうな方法を一緒に考えてくれないか?」
上司がこの様な「安心・安全」を担保するアプローチをしてきたら、バリヤーは下がるのではないでしょうか、次は出来ない理由の分解です。
上司「納期に間に合わないという理由を洗い出してみよう」
そして、どうしたら出来るかを考えるのです、この時は一旦制約を外すとアイディアが広がります。
上司「では、その中で出来そうな部分はどれかな、またどこからどんなサポートを貰えれば更に進められるかな?出張は来月に変更できるか?」
とても頑なに拒否する場合は過去の痛い経験を聞いてあげ、その時と今回は違うこと認識してもらうのも良いと思います。
過去の悪い解釈を弱め、力を発揮できる「安全」な環境であることを理解し、出来ない理由を分解し、出来るやり方に光を当てることが、言い訳を減らす方法だと思います。