幸福のパラドックスから、再認識する「共感」時代のマーケティングについて
イースターリン・パラドックスという言葉をご存知でしょうか?
通称、幸福のパラドックスと呼ばれていて、簡単に説明すると
「お金がある」=「幸せ」ではないということを
表す、イースターリンという学者が1974年に提唱した考え方です。
モノに溢れ、情報に溢れている今の日本では
「お金がある事は幸せなこと」を信じている人は少ないでしょう。
それは先進国を中心にして周知の事実に
なっていると思います。
もう一つ、
CSV(Creating Shared Value=共有価値の創造)と
いう言葉もあります。
今年の2月にマイケル・ポーターという
経済学者が提唱した企業の在り方についての比較的新しい考え方です。
別の言い方をすると
コーズマーケティングとも呼び変えられるかもしれません。
簡単に意味を説明すると
これまでは企業と消費者のWin-Winを目指す
マーケティング活動にそれを取り巻く「社会問題」を取り入れ、
「社会×企業×消費者」のTriple-Winを目指す
考え方だと私は認識しています。
有名な事例では
ボルヴィックの1ℓ for 10ℓキャンペーンが
あげられますが、このような取り組みを初めて
行った企業がアメリカン・エキスプレスで
自由の女神修復資金寄付キャンペーンが発端だとも
言われています。
また、震災復興支援としてのガリバーが行っている
ガリバータッグプロジェクトも個人的に
応援しています。
同じモノが2つ売っていて、
片方を買えばその企業が儲かる、
もう片方を買えば、他の誰かも笑顔になれる、
のであれば後者の方を選択したくなるのが
人間なのではないのでしょうか?
そしてソーシャルメディアという
ツールを手にした私たちは
常々何かしらについて噂をしたがっています。
そういった会話したがっている人々に
社会に対して「いい事をした」という「ライト自慢」を
促すキッカケを企業がつくっていくのも
一つの戦略として効果的なのではないかなぁと思いますし、
そして、その「いい事をした」という
自尊心こそが前述した「幸福のパラドックス」を
乗り越える課題であると私は個人的に確信しています。
来日中のレディー・ガガや
ビル・ゲイツに見て取れるように
お金に充足している人々が社会貢献に
熱心なのもそのためでしょう。
そして、私たちはお金に充足しているかは
人それぞれなので解らないけど(笑)、
必要なモノにはある程度充足しているはずです。
そんな時代の中、人々の幸福度を増やしてあげるために
企業は「共感」をフックとして
モノを売っていかなければならないでしょう。
限界がみえはじめている地球で
このような流れが起きるのは当然の事と感じますが
世の中の為になるには違いないこの流れに
心から期待します。
以上、マーケティング3.0についての備忘録としてのエントリーでした!