上場取り消しのリッチメディアの純利益が上場時予想の3分の1以下に:1分から読める注目の非上場企業の決算情報
上場取り消しのリッチメディアの純利益が上場時予想の3分の1以下に、2015年11月10日の1分から読める注目の非上場企業の決算情報です。
第11期決算公告 11月6日官報42頁より
当期純利益()内は前年比
43百万円(前年は△52百万円、黒字転化)
利益剰余金
72百万円
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企業情報
企業概要
リッチメディアはサイバーエージェント出身の坂本幸蔵氏が2010年に創業、主要事業はヘルスケア領域の『スキンケア大学』、ヘルス・ビューティー領域のサロン予約サイト『KamiMado』ヘアスタイルスナップSNS『Hair』といったメディア運営です。
特に主力の『スキンケア大学』においては、ドクター221名、管理栄養士16名、その他多数の美容専門家の監修のもと、ユーザーが真に信頼できる情報を提供すべく、さまざまなコンテンツを提供しており、月間PVは3700万、月間UUも800万を超えています。キュレーションメディア等で配信された記事を見かけることも多いですね。
なお、『KamiMado』は光通信のグループ会社から譲受後、リニューアルした事業であり、株主にも、加えてもう1社、光通信のグループ会社が入っており、大株主になっているようです。
一方で、利益率自体は高くないようですが、売上自体は創業以来、ずっと順調に伸びてきており、2015年7月に一度は上場承認が下りましたが、上場僅か4日前に承認取り消しとなり、話題になりました。
最近の動向
一連の上場ゴール問題の後だったこともあり、上述の通り余計に話題になった承認取り消しでしたが、取り消し理由も結構グレーな感じの疑惑が上がっています。
そして、今回の決算を見る限り、とりあえず気になるのが純利益の金額ですね。前年の赤字からは確かに黒字転化しているのですが、上場時の目論見書での3Q終了時の純利益額は1億を超えており、着地予測は1.5億を超えていたようです。
にもかかわらず、今回の純利益の着地は43百万円となっており、この僅かな期間での大きな数字のブレは業績変動というよりは会計処理レベルで変更した、という感じがします。
また、純利益自体はもちろん利益なので、変動自体が大きいことは健全な企業運営でも投資等によっては十分に起こり得ることなのですが、順調に伸びていたとされる売上の方に関して問題が起きていたとすると、経営上もガバナンス上もかなり問題ということになるので、短期間での上場の再申請は厳しくなってきそうです。
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決算数字の留意事項
基本的に、当期純利益はその期の最終的な損益を、利益剰余金はその期までの累積黒字額or赤字額を示しています。ただし、当期純利益だけでは広告や設備等への投資状況や突発的な損益発生等の個別状況までは把握できないことがあります。また、利益剰余金に関しても、資本金に組み入れることも可能なので、それが少ないorマイナス=良くない状況、とはならないケースもありますので、企業の経営状況の判断基準の一つとしてご利用下さい。
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