労働時間制度について~働き方改革に関する実態調査(4)~
こんにちは。前回(どのITツールが働き方改革に必要か)に引き続き、弊社で実施した「働き方改革に関する実態調査」の結果についてご紹介していきたいと思います。「働き方改革に関する実態調査(4)」を是非ご覧いただければと思います。
それでは、まずは企業の労働時間制度についてご紹介していきたいと思います。
■労働時間制度について
Q.採用している労働時間制度を選択してください。 (複数回答)
今回の調査によると、以下の結果になりました。
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- 第一位「固定時間制」(55.6%)
- 第二位「変形労働時間制」(25.1%)
- 第三位「みなし労働時間制」(17.8%)
- 第四位「時短勤務制」(11.2%)
(n=1,085)
第二位にランクインした「変形労働時間制(フレックスタイム)」とは、清算期間(現在最長一ヶ月)で定められた総労働時間をあらかじめ労使協定で定めた上で、その枠内で「労働者自身が始業及び終了の時刻を決められる」制度を指します。働き方改革におけるワーク・ライフ・バランスの取り組みや、柔軟な働き方がしやすい環境整備のひとつとして注目を集めています。
「変形労働時間制」を導入している企業について、[従業員数比較]で分析すると、従業員数が少ない企業に比べ多い企業の方が「変形労働時間制」を導入している比率が高く、従業員数50名未満規模の企業の導入率は15%程度であるのに対し、従業員数300名以上規模の企業ではなんと40%近くが既に導入済みであることが分かりました。
[従業員数比較]
なお、今回の働き方改革関連法案にフレックスタイム制の「清算期間」の上限を1ヶ月から3ヶ月に延長する案が盛り込まれています。現在の法律では、総労働時間を踏まえて労働者が労働時間を配分して働けるのは、上限1ヶ月単位でしたが、同法案が成立すると上限が3ヶ月となり、より柔軟な働き方が可能となります。
Q.あなたの1ヵ月あたりの残業時間について最も近いものを選択してください。
今回の調査によると、以下の結果になりました。
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- 第一位「20時間未満」(45.3%)
- 第二位「20時間以上40時間未満」(27.1%)
- 第三位「40時間以上60時間未満」(12.9%)
(n=1,085)
さて、今回の働き方改革の大きな柱の1つに「長時間労働の是正」に向けた「罰則付きの時間外労働の上限規制の導入」という目標があります。働き方改革関連法案が可決されると、原則月45時間かつ年360時間、特例で単月100時間未満、年720時間などの残業時間の上限規制が定められます。
たとえば上の調査結果において、一ヶ月あたりの残業時間が「40時間以上60時間未満」に該当する人であれば、年間を通して月40時間×12ヶ月継続的に残業をしてしまうと、年間残業時間は480時間となり、原則の450時間を越えてしまいます。
残業時間の上限を超えた従業員が1人でもいた場合、企業には罰則が適用されるようになるため、自社の残業時間が可視化されているか確認する必要があります。
Q.あなたの年間有給取得日数について最も近いものを選択してください。
今回の調査によると、以下の結果になりました。
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- 第一位「5日以上10日未満」(26.3%)
- 第二位「5日未満」(23.3%)
- 第三位「10日以上15日未満」(18.7%)
なんと、全体の四分の1の人が年間有給取得日数は「5日未満」であると回答しました。働き方改革関連法案が決定すると、有給休暇5日の取得が義務化されます。企業は施行までの間に、従業員の有給休暇取得日数を見える化する仕組みを構築しなくてはなりません。
さて、今回は働き方改革における労働時間制度についてご紹介いたしました。
次回も引き続き調査結果についてご紹介していきます。