オルタナティブ・ブログ > windhole style >

何となく見過ごされているけど、実はとても気になっていること

缶コーヒー68円の妄想

»

 電車に乗っていると、いろいろとアホなことを考えてしまいます。
 缶コーヒーが120円なのはなぜなのだろう、とか。

 最近、JRの駅では、Suica(なので、JR東日本の管内の話ですが)で買える、飲料の自動販売機が設置されていることがあります。商品のボタンを押すと値段が表示されてICカードリーダーの表示が点灯するので、そこにSuicaをタッチすれば、ドスンと商品が落ちてくる。小銭がなくても手軽に買えるので、慣れるとすこぶる楽ちん。私は、モバイルSuica(おさいふケータイ版Suica)を使っていて、いつも取り出しやすいポケットに入れている携帯電話をかざすだけなので、財布を出し入れするよりさらに手軽なのでした。

 こうしたICカード型(ICチップ型?)のいわゆる電子マネーが広く普及するようになると、Suicaにかぎらず、小銭を用意しなくても手軽に支払いができるシーンはもっと増えていくことでしょう。

 近ごろ、クレジットカードが使えると謳うタクシーが増えてきていますが、これ、実際にやってみると、運転手さんには嫌がられるは、えらく時間がかかるはで(認証のための通信に時間がかかるし、運転手さんが操作になれていない)、はっきりいって実用度はかなり低い(高額の支払いの場合なら少しはメリットがあるのかもしれないけど)。こんなときこそ電子マネーでしょう。タクシーは支払金額が半端なことも多いですし、電子マネーが最適な応用分野の1つではないかと思っています。ぜひとも早くそういうタクシーが一般的になってほしいものです。

 ICカード型電子マネーを使っていると、小銭の「半端さ」がまったく気にならなくなります。硬貨という実態がないのだから当然といえば当然なのですが、このことは、商品の値段付けに少なからぬ影響を与えることになるのではないかと、ちょっと思ったり。

 で、缶コーヒーです。
 ICカード型電子マネーが普及したら、自動販売機の缶コーヒーだって、98円とか、82円とか、そんな半端な金額を設定することが実用的な意味で可能となります。日によってとか、時間によって値段を変えることもシステム的には簡単なはずなので、通勤時間帯には缶コーヒーがタイムセール中とか、そんなこともできるでしょう。

 いや、別に缶コーヒーの値段が高いから値下げしろと言っているわけではありません。ただ、一律に100円とか120円とかで、それを頻繁に変えるのはなかなか難しいという現状から、もっと柔軟な価格設定ができるようになることで、飲料自動販売機で価格競争が起きるかもしれない、ということです。健全な競争が行われるのであれば、消費者としては歓迎です。

 もちろん消費者としては、購入時の絶対額が小さい方が嬉しいわけですが、製造、販売側が利益を無理に切り詰めなくてもそれを実現する方法として、たとえば広告モデルがあります。飲料の容器だけでなく、多くの人が通るところに設置されている自動販売機は、広告メディアとしてそれなりに価値があると思います。自動販売機に広告をディスプレイし、そこがスポンサーとなることで缶コーヒーの値段が特別価格68円になっています、なんてやれば、それなりにインパクトがある宣伝になるのではないでしょうか。缶コーヒー容器への印刷はそれなりに手間なので、容器への広告はシールのような方法でもいいかもしれません。自動販売機にデータを送り込めば、購入されるときに印刷され、シールが貼られる……なんていう、オンデマンドなことも、将来的にはできたりして。

おっと、乗り過ごしちゃうところでした。

Comment(3)