オルタナティブ・ブログ > windhole style >

何となく見過ごされているけど、実はとても気になっていること

Gの社食

»

Debian Projectの鵜飼さんがMountain Viewに来ているということで、会社訪問。San Franciscoを拠点に活動している鈴木さんと一緒。私はまたもや国際免許を申請する時間がなかったので、鈴木さんにレンタカーを運転してもらった。多謝!
   
広い敷地で、入るところが分からなかったのだが、運良く、オフィスから出てきてくれた鵜飼さんを発見。乗り込んでナビゲートしてもらって、無事、駐車場にたどり着くことができた。
   
さっそく、巷で噂の社員食堂でランチをごちそうになる。

   
外観は、セルフサービスの、何の変哲もないカフェテリアに見える。テーブルは日本の(昔の?)学食によくあるような長テーブル式(長方形のテーブルが長く連なって列になっている)。もちろん席は自由だ。
   
別のところで聞いた話では、こちらのセルフ式カフェテリアでよくあるような丸テーブル式ではなく、長テーブル式になっている点も「こだわり」らしい。すなわち、丸テーブルのような「島」で内輪に籠もるのではなく、長テーブルでいろんな人とオープンに交わりやすくなっている。

「こだわり」は、それだけではない。食事を載せるトレーはプラスチックだが、お皿はセラミック(色は4色で、ロゴで使われている色に合わせてある)も選べるようになっている。ここで食べる人はセラミック製、別の場所に持って行く人はプラスチック製を選んでいるようだ。こんなに大人数が利用するセルフ式カフェテリアで、洗浄の手間がかかるセラミック製プレートを使うというのは、なまなかな覚悟ではないと思う。当然、フォークやスプーンなども、金属製とプラスチック製とが選べるようになっていた。
   
もちろん、最大のこだわりは料理。キャンパスには何カ所かカフェテリアがあって、それぞれで、サーブされるメニューやオープンしている時間帯が異なっているようだ。
   
私たちが連れて行ってもらったのは一番大きなカフェテリアで、メインではイタリアン、中華、インド料理がサーブされていた(別のカフェテリアには、「日本風」料理もあるらしい。あくまでも「日本風」ということみたいだが)。最初は、端から端まで全部食べてやろうと意気込んでいたのだが、料理を目の前にすると、どれも非常においしそうで、思わず多めに取ってしまうことに。結局、私は、イタリアンとインド料理で手一杯(おなか一杯)になってしまいました。
   
料理はどれも、噂に違わず、すばらしいものだった。
   
社食というカテゴリを飛び出して、巷のレストランと比較しても、はっきりいって、ここアメリカではかなり上位にランクされるだろうというのが実感。サラダ1つを取ってみても、ありきたりのものではなく、ハーブがちょっと効いたさっぱり系のオリジナルドレッシングで、口にした後のさっぱり感がなんとも絶妙な初めての感覚。一口で、ああ、これは手間を惜しんでないなと直感できる出来映え。カフェテリアなのに。
   
シーフードのカレーも、何というか、フレッシュなスパイシーさが絶妙のタイミングで攻めてきて(意味不明だな)、スプーンが止まらない止まらない。ナンと一緒に一瞬で平らげてしまった。カフェテリアなのに。
   
デザートの前に、少しフルーツをつまんで(なんという贅沢……カフェテリアなのに)、それからチョコレートタルトとコーヒー。アメリカのレストランでは、普通、チョコレート系のデザートは食べないことにしているが(1回でも食べたことがある人なら理由はおわかりでしょう)、ここならと期待するものがあって、あえてチョコレートタルトを選択。期待に違わず、甘さ、口溶け感とも非常に上品な一品で大満足。
   
ただ、コーヒーは、もうちょっと苦み系のほうが良かったかも。酸味系と苦み系の豆の種類を選べたらば最高……などと、つい無茶な要求をしたくなってしまうのも、それだけ料理のレベルが高いから。カフェテリアなのに。
   
食事がおいしいと話も弾んで、ついつい長居してしまった。話の内容は……snip……あしからず。
   
そこで食事していた人たちの表情が生き生きとして明るく見えたのは、建物の採光が優れていたせいだけではないだろう。勢いのある組織は、いろんなところにその活気がみなぎり、それが端々でにじみ出るものなんだと改めて思った。Jさん、「突撃! となりの社食──シリコンバレー編」の企画、ぜひやりましょう(笑)。
   
帰りに車を駐車場から出して通りを曲がったら、敷地の一角に据えられた社名プレート(表札?)が目に入った。唐突に、この会社の名前が、日本語の空腹時の擬態語(?)に似てるのは偶然ではないのかもという天啓を受けた気がしたが、気のせいだったかもしれない。

Comment(5)