日本通信によるNTTドコモのLTE(Xi)網活用のMVNO・MVNEによる高速モバイルネットワークの市場は拡大するか?
日本通信は、NTTドコモの次世代高速モバイルネットワークLTEサービス(Xi)網を活用したMVNOでの高速モバイルネットワーク参入およびMVNE(Mobile Virtual Network Enabler、MVNO事業者向けのMNOとの調整およびインフラなどの提供)としてMVNO事業者への提供を進める事を発表しました。
- 日本通信、LTE網活用し真のクラウドコンピューティング環境を提供
― NTTドコモLTE網とのレイヤー2相互接続により商用サービス加速へ ―
http://www.j-com.co.jp/news/release/1116.html
NTTドコモのXiは、最大下り最大37.5Mbps(一部屋内施設において、下り最大75Mbps)の高速モバイルネットワーク対応製品として、既にUSB接続タイプのデータ通信製品(L-02C・F-06C)や、2011年夏モデルとしてモバイルルータ製品(L-09C・BF-01C<7-8月発売予定)をリリースしており、2011年冬春モデルから音声端末も投入される予定で、徐々にエリアも拡大しているものの、本格的な普及にはかなりの期間を要する事が想定されているだけに、MVNOによるXiネットワーク利用者の増加(稼働率向上)やLTE市場の拡大は、同社にとってのメリットも大きいのではないかと思います。
日本通信としては、従来からのオンライン通販、家電量販店などの店頭に加え、6月より大型チェーンストアのAEON(イオン)との提携を図り月額980円からという商品ラインナップの充実と販売網の強化(7月2日時点で187店舗での取り扱い)が進み、より高速なLTEサービスを自社の商品ラインナップに加える事は、当然の流れであり、UQ WiMAXおよびイー・モバイルの高速・廉価なモバイルネットワーク商品に対抗するためにも、コンシューマ向けの廉価な商品ラインナップが登場することが期待されます。
また、コンシューマ向け商品・サービス以外となるMVNE事業も、NTTPCコミュニケーションズ(2008年)、スターネット(住友電気工業グループ・2009年)、三菱電機情報ネットワーク(2009年)、HP(2009年)、日立情報システムズ(2011年)などの豊富な実績があるため、LTEサービスへの拡充は、現時点のMVNO事業者にとっても重要な方針ですし、更なる新規参入事業者が増加することが予想されます。
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日本通信のMVNO商品やMVNE先のMVNO事業者から具体的な商品やサービスがリリースされる際には、価格優位性であったり、従来製品のようなデータ量や通信速度のコントロールによる独自の商品展開、更には、MVNE先からリリースされる新たな商品やサービスの拡充は、ユーザ側の選択肢が増えて、高速モバイルネットワーク市場の拡大に繋がるものと想定されます。
背景には、スマートフォンの普及に伴う3G網のネットワーク負荷軽減を図るという目的もありますが、利用者からすると、繋がる事と高速である事はメリットですから、Xi利用可能エリアも超高速に進んで欲しいと願っています。
また今後も、日本通信のMSO(Mobile Service Operator)としてのMVNO商品・サービス、およびMVNEに関する動きを引き続きウォッチ&レポートしたいと思います。
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[ソース] アンドロイド総合情報サイトアップカミング(AppComing)
http://www.app-coming.jp/ja/articles/detail/31