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国境なきオープンイノベーション(C&D)で、世界のソフトを日本で仕上げて世界で売り抜く!

グローバル携帯電話端末市場で本当にiPhoneはシェアを落とすと思えないが、携帯電話とスマホ市場、OS・メーカー・キャリアという切り口でも見え方が変わるでしょうし。

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市場調査資料を購入するとかなり高額なので、ニュースに頼ってしまうことが多いのですが、昨日にみたIDCによる世界のスマートフォン市場についての発表はとても興味深いものでした。 (余談:スマフォじゃなくてスマホと略しますよね。)

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関連して、日本語のニュースソースとして、

2010/09/09 Android、2014年に世界2位のスマートフォンOSに――IDC予測
Androidは好調なスマートフォン分野でも特に急成長しており、2014年には25%近いシェアを獲得して、BlackBerryを抜くとIDCは予想している。 :ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1009/09/news013.html

Worldwide Converged Mobile Device Operating System Market Shares and 2010-2014 Growth

Operating System

2010 Market
Share

2014 Market
Share

2014/2010
Change

Symbian 40.1% 32.9% -18.0%
BlackBerry OS 17.9% 17.3% -3.5%
Android 16.3% 24.6% 51.2%
IOS 14.7% 10.9% -25.8%
Windows Mobile 6.8% 9.8% 43.3%
Others 4.2% 4.5% 8.3%
Total 100.0% 100.0%

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まだ見ぬWindows Mobile7よりも、今はAndroidとiOSにフォーカスして見るわけですが、iOSの▲3.8%のシェアダウンってどうなのかなぁと。

どんどん、色々なメーカーから新機種が発表されるAndroidがシェアを上昇させていくことはよくわかるのですが、どうも下げを納得するような材料がイメージできません。

ということで、グローバル携帯電話市場などをもう一回おさらいしてみようということで、今年3月のミック経済研究所による『携帯電話端末のグローバル市場の現状と展望2010年版』のニュースと、昨日のIDCの統計などを勝手に重ねてみました。

【グローバル】
ケータイ市場

2009年=約11.5億台
2010年=約13億台
2014年=約17億台

スマートフォン市場
2009年=約1.7憶台(ケータイ市場の約15%)
2010年=約2.7憶(同 約20%)
2014年=約4.2億(同 約24%)

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次に日本国内です。グローバルだとカレンダーイヤーで1月~12月ですが、日本は4月~3月の統計です。

【日本国内】
ケータイ市場

2010年度=3410万台(前年比1.0%減)
2014年度=不明(見つかりませんでした)

スマートフォン市場
2010年度=475万台(前年比16.8%増)
2014年度=790万台

参考までに、8月のキャリア別純増数は、

2010/09/09 “iPhone 4効果”続くソフトバンクが約29万の純増――2010年8月契約数
電気通信事業者協会(TCA)が2010年8月末の携帯・PHS契約数を発表。ドコモとイー・モバイルは7月から数字を落としたが、iPhone 4が好調のソフトバンクモバイルは29万弱の純増を記録した。:ITmedia Professional Mobile
http://www.itmedia.co.jp/promobile/articles/1009/07/news043.html

ソフトバンクモバイルが28万8900台に対してNTTドコモが12万5500台(全体では52万4600台)

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ということで、乾いた情報はさておき、単純にiOSの数量を上記数字から算出すると

2億7,000 * 14.7% = 3,969
4億2,000 * 10.9% = 4,578

つまり、4,578 / 3,969 = 1.15343915=15%の純増しかないということですよね。。。どうみてもおかしい気がするんです。

もしかしたら、日本は、iPhone市場においても特殊で、790万 / 475万 = 1.66315789 = 約66%の純増ということになるんですよね。世界と日本の違いは大きい。

そこで、今後について、少し考えてみると、増加要因として、

米国では、AT&T以外でもという話がありますし、それ以前に、アンテナ問題や、白iPhoneが販売されていないという現状であったりして、当然、販売する地域やキャリアの広がりも含めて2011年は、もっと爆裂的に売れるのではないか。

中国が、諸々の制限や類似商品により販売が振るっていないということのようですが、それがずっと続くのかは疑問=問題が解消されることで、とてつもない市場がそこにはあるのではないか。

小型iPadをスマートフォンという位置づけでカウントされるのではないかと思うので(上記数字にiPad 3Gが含まれているかは調べていませんが。)、その拡大も15%の範囲に収まる=対して売れないものなのだろうかと。

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次に、売れないと予測するポイントはどこなのかと

良く言われることが(Androidネタが多いので、アンチiPhoneだと思われる場合もありますが、実際には、白iPhone4がでるか、海外SIMロックフリー端末の価格がこなれたならば、買っても良いと思っていますので。)

Androidは、いろんなメーカーが端末出して、iOSはAppleのiPhoneだけでしょ?(iPad 3Gを含むとしてもAppleのみ)

そうなんですよね、Apple1社だけで15%もの世界での新規販売シェアを取っているわけで、今までで一番売れているAppleのデバイスということになりますよね。 それでも、多勢に無勢のAppleですから、これから更に増えるAndroid端末ベンダーが束になって掛かってくるということで、多様性のあるAndroid端末に屈して、この数字に留まるということなのか。

BlackBerryのようなエンタープライズ向けサービス(ソフトウェア)の供給ができないということで、カナダRIM社は高いシェアを維持し(あるいは、その座をAndroid端末が脅かすことはあったとしても)、iOSのシェアは伸びないとするのか。

全世界の多くのコンシューマを魅了するカリスマのスティーブ・ジョブズ(のApple)という1つの目的地に突き進むバスは(ビジョナリーカンパニー2の逆の意味で)、未来永劫に走り続けるわけが無いという考えからなのか。(実際に、カリスマが抜けたあとの下降というのはいつしもあることで、あながち間違いではないとも思う訳ですが)

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今後、GoogleにとってはAndroidがとても重要なプラットフォームであることは間違いないと思う反面として、AppleにとってiOSのシェアがどれだけ大切なこと(意味を持つ)かはわかりませんが、おそらく、未来もクローンを出す(iOSをライセンス供給する)ような方針がなく、そのAppleブランドを維持していこうという強い意志で臨むことで、落とし穴があるかもしれません。

それでも、高機能化・高級化ではなく、使いやすさとデザイン、そしてそこそこの値段(バリューとしての)という商品展開を今後も続けていけば、違う未来(より高いシェア)になるのではないか?

そんなことを考えさせてくれる、貴重なケータイ市場に関する調査レポートでした。

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