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キャズム越える体力に資金調達は不可欠?米国ではfoursquareが$20M、Zenpriseが$9M。日本では『有価証券の引受け等に関する規則』で個人からのスモールマネーも閉ざそうとしている。

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私が経営に関与したいくつかの会社は、ベンチャーキャピタルからも、事業会社からも、個人投資家からも出資をしてもらい、キャズム越えの為の、あるいは生き残りのための「道」を開いてもらいました。

また、北米ではベンチャー投資が復活傾向にありますが、日本はどうなか?ということで、本日のブログを書く事にしました。(今日のブログは文字ばかりで申し訳ありません。)

リーマンショックから早1年半以上が経過した今、世界ではどのような動きになっているのか?といえば、

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2010/06/29 米国foursquare社の$20ミリオン(約20億円)の資金調達を発表
 http://blog.foursquare.com/post/751153312/were-just-getting-started (同社ブログ=英語)

※2009年春に設立されたロケーションベースのソーシャルネットワーキングサービスベンダーで、昨年秋にシリーズAで$1.35ミリオンの投資を受け、今回はシリーズA投資をしたUnion Square Ventures および O’Reilly AlphaTech Ventures も加わるマイルストン投資となったが、リードVCはAndreessen Horowitz。

2010/06/30 米国Zenprise社の$9ミリオン(約9億円)の資金調達を発表
 http://www.zenprise.com/news/releases/063010A.aspx (同社英語サイト)

※2003年設立のネットワーク運用管理・トラブルシューティングソフトウェアベンダーで、当初はMS-Exchangeに特化していたが、数年前からBlackBerry、そして今回はiPhone・iPad対応(iOS4)を武器に、創業初期から昨年の春の$10ミリオンも含め、継続的な資金調達に成功している。

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この2つは、ごくごく一例であり、また、foursquareのシリーズAで$1.35ミリオンは買収話などが早々にあっての繋ぎ調達でしかない考えると、今回が実質的なシリーズAだと考えてもおかしくはないでしょうし(今回リードしたAndreessen Horowitzは、元々、4Sqへの投資を検討していたことを含めて考えても。)、株価アップもあるのでシリーズBだとしても、わずか1年で時価総額が$100ミリオン(約100億円)レベルになるという驚異的数値。(ユーザはまだ200万人に満たないにも関わらず。)

これは、米国のベンチャー企業が、その事業の進捗や、新たな展開をするにあたり、ベンチャーキャピタルから継続的なマイルストン型の投資を受けられているという現実です。 それもかなり大規模な。

この2社がということではありませんが、最初のVCラウンドに到達する前は、自己資金・クレジットカードや身内からの借入、そしてエンジェル投資を受けることで、スタートアップをしのいでいく事が多いと聞きます。

そのエンジェルも、一定の成功を収めた元経営者から、一般個人投資家まで、幅広い人々が熱き心を持つベンチャー経営者に投資をしていくという形があります。

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さて、日本はどうでしょうか?

直近のリリースでは、iPhoneアプリ LightBikeのパンカクを例に挙げると、

2010/07/01 夏野 剛氏の顧問就任及び第三者割当増資の実施について
 http://www.atpress.ne.jp/view/15669

2010/04/09 パンカク、サイバーエージェントへの第三者割当増資を実施
 http://www.atpress.ne.jp/view/14410

※4月に5,000万円、そして今回は金額が明らかになっておりませんが、バリュエーションは前回と同一になる予定ということで柳澤社長から事前に聞いていましたが、NTTファイナンスからの調達が含まれることに価値があると思います。 調達した資金は、iPhoneアプリでの成功と同様、グローバルなアプリを開発するための資金に活用されることでしょう。

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悪くないと思いますが、やはり1億円未満規模です。
(株価設定の問題もあるかもしれませんが、経営者シェアを考えると、当然ともいえます。)
創業は2006年の終わり頃、昨年2月のLightBikeで全米1位獲得、昨年春から調達を試みて1年掛けて春の調達、そして3ヶ月かけて追加の調達。

パンカクだけではなく、一般的に思うのは、

  • 米国対比で調達サイズが小さすぎる
    対米比で、スケールの小さいベンチャーが多いからと言われればそれまでですが
  • 遂に、VCの相乗りケースが殆ど無くなってきた気がする

VC事業を事実上撤退していたり、大リストラをしているVCが多数。 相乗りで声を掛けても乗ってこない。 タイミングが合わない。。。

一方ベンチャー側は、作れど(商品や要望された事業計画書などを含め)、待てど、資金は入ってこない。 資金が入らないと、事業が進められないので、日銭を稼げる会社は日銭に走る。 そうでない会社は消えるか売却。

そんな時に、特にスタートアップもそうですが、繋ぎのファイナンスを必要として、金融機関や保証協会から相手にしてもらえない経営者はどうするのか?

以前は、エンジェル、いわゆる個人投資家に資金を求めて、繋ぎ、生き残り、そして成長の機会を狙う事ができました。 エンジェル税制も不十分とはいえ確立しました。

しかし近年、その個人投資家の多くは、リーマンショックなど影響(株価下落など)により、他の金融資産が大幅に減少し、また、ベンチャー投資経験者は多くのベンチャーが消えて行くのを見て、投資マインドが低下。 ひどいケースでは、ファンドを設立しているかしていないかというレベルのことさえもありますが、不正な株式投資の募集行為を行うような業者も現れるなど、投資家を不安にさせたり実際に騙された(上場するからと聞いて、そうでなかったケースなど含め)ことで疲弊するケースなどもありました。

個人投資家保護はとても重要です。
1ファンドあたりの投資家の数を制限したり、いろいろな法的な整備もなされてきたと思います。 また、当然ながら公募は、その資格を有する事業者しかできません。

そんな時代で、オルタナブロガーも、Alternative 笑門来福の平野洋一郎さん(インフォテリア)の記事

2010/06/24 「有価証券の引受け等に関する規則」の改正案に反対します

そして、Pan Asianな視座でいこう の加藤順彦さん の記事

2010/06/30 「有価証券の引受け等に関する規則」改正案に反対です

においても、明確に書かれていますが、この改正案により、個人投資家からの調達の道を閉ざす事になりかねないという大きな懸念があります。

いや、そもそも論でいうならば、ベンチャー企業を推進した政府もありましたが、毎年、政府が変わり、遂には政権政党も変わり、事業仕分けでファンド設立が困難になり(←ココがとても重要なのですが、銀行系などのVCが相乗りしていた資金源が無くなることは、VC事業サイズがとてつもなく小さくなる事を意味します。元々小さいのに。)・・・

ベンチャー育成・事業創造などについて「国の施策としての一貫性」を求めたいが、求めても意味が無い

という事なのでしょうか?

リーマンで失われた9兆円を運用で取り返した年金基金(年金積立金管理運用独立行政法人)のようなニュースは、投資を中長期で見るべきという典型でしょうが、それをベンチャーにも当てはめて考えよとはいかない、という日本のベンチャー資金調達市場なのでしょう。

日本をあきらめて海外に出て行く研究者=知財の海外流出 だけではなく、資金調達も市場も海外に求めて行くベンチャーばかりという時代になり、国益が損なわれたとならないような、政府や政権政党が変わろうと、国の一貫性のある施策として事業を育てていく事を求めていきたいと思います。

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