【ブックトーク】引き出しの一つとして。 / 『世界の日本人ジョーク集』
“エスニックジョーク”、ご存知の方も多いかと思いますが、国民性や民族性の特徴を端的にとらえた風刺ネタで笑いを誘うジョークとなります。行きすぎると民族差別などにもつながるため、なかなか舵取りが難しい部分があったりも、、
あくまでジョークなので、“ウィットとして受け入れられるかどうかを十分に配慮しながらジョークを披露する”との気遣いが大事なります。そういった意味で、ジョークは会話(コミュニケーション)の潤滑油なのかな、と感じさせてくれたのがこちらです。
『世界の日本人ジョーク集』(早坂隆/中公新書ラクレ)
日本人である私としては、日本人がどう見られているのか(生真面目、高い技術力、融通がきかないなど)を覗けたのも楽しかったのですが、諸外国の民族や国民に対するイメージに触れることができたのも非常に面白かったです。
そういった意味ではある種、比較文化的な視点を得ることもできるのでしょうか、、あくまでステレオタイプですので先入観につなげてしまうのは危険でしょうけど。それでも、結構意外な特性(ポルトガル人はいい加減?など)が見えたりもして、ふむふむと。
ちなみに、私がクスッとしたのは、この辺りのネタでした。
ケース1:船が沈みそうな時、船長から海に飛び込むよう指示されるときの言葉は?
アメリカ人:飛び込めば、あなたは英雄です
イギリス人:飛び込めば、あなたは紳士です
ドイツ人:飛び込むのが、規則です
イタリア人:飛び込めば、女性にモテます
フランス人:飛び込まないでください
日本人:みんな、飛び込んでます
ケース2:待ち合わせの到着時間について。。
1時間前に、ドイツ人と日本人は到着する
30分前に、ユダヤ人は到着する
10分前に、イギリス人は到着する
時間ちょうどに、アメリカ人は到着する
5分遅刻して、フランス人は到着する
15分遅刻して、イタリア人は到着する
30分以上遅刻して、スペイン人は到着する
そして、ポルトガル人がいつ到着するかは、誰もわからない
ケース3:幸せな生活、不幸な生活
幸せ:アメリカで給料を貰い、イギリスの住宅に住み、
中国人のコックを雇い、日本人を妻にすること
不幸:中国で給料を貰い、日本の住宅に住み、
イギリス人のコックを雇い、アメリカ人を妻にすること
出版は7年前(2006年)ですので時事ネタは大分風化していますが、いま読み返してもうなずいてしまう部分も多かったです。疲れた頭を柔らかくしたいなぁ、なんて時にパラパラとめくってみたりも楽しそうですし、異文化な方々との会話の引き出しとして持っておくのもよさそうです、なんて風に感じた一冊でした。
【あわせて読んでみたい、かもな一冊。】
『トラッドジャパンのこころ』(江口裕之/日本放送出版協会)
『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ/BEAMCOMIX)
『フットボールの犬』(宇都宮徹壱/幻冬舎文庫)
『MASTERキートン』(浦沢直樹/ビッグコミックススペシャル)
『増補改訂版 なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』(青木高夫/ディスカヴァー携書)
【補足】
ちなみにこちらは、お世話になっている「東京朝活読書会(エビカツ読書会)」の【テーマ:笑える本】で紹介させていただきました。いろいろと悩みましたが、なんとなく直球勝負な気分で参戦な感じでした。いや、朝から笑うと一日が心地よくなりますね~