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仕事に絡んだ四方山話などを徒然にと思いつつも、読んで興味深かった本ネタが多くなりそうでもあります。

【ブックトーク】歴史の循環 / 『2022-これから10年、活躍できる人の条件』

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 個人的な話になりますが、、大学では基礎学問として歴史学を専攻したのですが、卒業後はICT関連の業界で働いてたりします(転職込で15年ほど)。就職した当時は「情報」を扱うことへの劇的なパラダイムシフトの兆候を感じたから、くらいのモヤっとした感覚でしたが、、

 ここ最近では、科学の本分でもある「情報を整理し社会に還元する」との観点で、双方はどこかしらでつながっているなと感じるようになっています。これは、1年ほど前から参加している「朝活」という「アウトプットの場」ができたことが大きいと思いますが、、朝活に参加する後押しをしてくれたのが、こちらです。

 『2022-これから10年、活躍できる人の条件』(神田昌典/PHPビジネス新書)

 一番ストンと落ちてきたのは、「歴史は70年周期で巡っている」との一言でした。「歴史は繰り返す」とはよく聞くフレーズですが、ここでは、70年前後でその後の社会に劇的な変化を促すような事象が起きる、とのことになります。そして、その事象が起きた後の10年は、人が変化に適合していくための激動の時代になるであろうとも。

 日本にあてはめれば、先の大東亜戦争(1941-45年)が約70年前、その70年ほど前には明治維新(1868年)が起きています。ちなみにそこからさらに70年ほど遡ると(1800年前後)、ロシア、イギリス、アメリカなどの外国船の来航が始まり、鎖国体制に影響が出始めていた時期となります。

 今の時代は「東日本大震災(2011年)」、これによって戦後レジームで定められた既得の枠組みが揺るがされていると、思います。

 また、ちょうど並行して読んでいた『日米開戦の真実(佐藤優)』ででも、世界状況が70年前と同じような流れになっているとありました。一見するとあまり関係がなさそうなこのお二人がとのギャップがとても新鮮で興味深かったのも、印象的です。

 今から70年前を、そしてそれのさらに70年前を思い返せば、自分の生きている今の社会の形態が「何も変化がなく」未来永劫続くとは、さすがに思えません。本書にもある「ありふれたパターン。陳腐なドラマのくり返し。組織末期の典型的な症状だ。」、なかなかに耳に痛い言葉ですが、思い当たる節も多く決して他人事ではないなぁ、とも。

 そうすると、今の形態での会社の価値は下がっていく一方と覚悟して、自分自身の軸をしっかりとしないと、なんでしょうね。

 文中の「本当に熱中できる仕事に、リスクはない。」とまで楽観的ではいられませんが、「ライスワーク」だけではなく「ライフワーク」も意識した上で何かしらの「解」を持っておかないと、10年後に「社会」から必要とされなくなってしまうのかな、と強く感じました。

 その二つを融合させていくのか棲みわけていくのかは個々人に依存するのでしょうが、本田直之さんが『ノマドライフ』で仰っている、「ベーシックインカム」や「複業」との考え方を見ると、これまたなるほどなぁ、、とも。

 自分にとっての「ライフワーク」ってなんだろうとつきつけられた、そんな一冊です。

【あわせて読んでみたい、かもな一冊。】
 『日米開戦の真実』(佐藤優/小学館文庫)
 『ノマドライフ』(本田直之/朝日新聞出版)
 『1時間の違いですべてが捗る 朝活のススメ』(徳本昌大&小川晋平/インプレスコミュニケーションズ)
 『ソーシャルメディア時代の朝活術』(福島宏明&森暁子/アスキー・メディアワークス)
 『乗り遅れるな!ソーシャルおじさん増殖中!』(徳本昌大&高木芳紀/ソフトバンク新書)

【補足】
 ちなみにこちら、「東京朝活読書会(エビカツ読書会)」での【テーマ:これから5年間を考えて、読んでおきたい一冊!】の回で、、といっても、表ではなく「裏(闇?)開催」のテーブルで紹介しました。自分も見つめ直すきっかけとなるエッセイや、常に5年後を意識させてくれるような写真集などいろいろとありましたが、中でも『ナリワイをつくる』との一冊が、非常に面白そうでした。

 「ナリワイ(生業)」、由来は江戸時代に求められるとのことでしたが、その時代は「仕事」も様々であったようです、、まさしく「複業」の時代でもあったのかなぁ、、とも、ふむふむ。

 これまた個人的な話ですが、、この先どこかで「仕事」として「本」や「図書館」、「生涯学習」を軸にした情報サービスに携わっていきたいと考えるようになったことは、「3.11」後の最大の変化になります。

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