オルタナティブ・ブログ > 開米のリアリスト思考室 >

「誰かが教えてくれることを信じるのではなく、自分で考えて行動する」ためには、矛盾だらけの「現実」をありのままに把握することから始めるリアリスト思考が欠かせません。「考える・書く力」の研修を手がける開米瑞浩が、現実の社会問題を相手にリアリスト思考を実践してゆくブログです。

原子力論考(109)「信じない」と宣言するのは自由ですが・・・

»
こんにちは。文書化能力の向上トレーニングが本職の開米瑞浩です。

今日は久しぶりに原子力関係の話。

原子力発電を推進するかどうか、というのは本来、

リスクとリターンの勘定の問題
であって、

感情の問題
ではないはずです。

にもかかわらず「私は政府・東電の言うことなんか信じない」あるいは「推進派の言うことなんか信じない」と言い出すのは、「俺は考えることを放棄した」と宣言するも同然の行為ですよ。

もちろん、法律で規制されているわけではありませんから、思考放棄を宣言するのは勝手ですが、その瞬間、利害得失の計算の出来ない奴、と見られるのは覚悟しておいてください。

客観的に見るなら、「福島原発事故の放射能漏れによってとんでもない健康被害が起きる」という主張はすべて事実によって否定されつつあり、避難区域の設定もあまりにも広すぎたというのは明らかになっています。

それを認められない人々は今まで、トンデモ学者の主張に頼って「莫大な被害!」を主張してきたわけですが、それがすべて破綻してきたからこそ出てくるのが、「推進派の言うことなんか信じない」という言葉です。

信じるか信じないかは、それこそ個人の信仰の問題です。「信じない」と主張した瞬間にその主張は宗教になっていることを自覚するべきです。

まあ、こんなことを言っても一番肝心な「信じない」と宣言している人には届かないのはわかってますけどね・・・・

■開米の原子力論考一覧ページを用意しました。
→原子力論考 一覧ページ
Comment(9)