なぜNPO法人ではなく株式会社を作ったのですか? 「あなたの仕事、聞かせてください」
今月の誠ブログのお題が「あなたの仕事、聞かせてください」と言うことなので、初対面の人によく聞かれることをお話ししようかと思います。
名刺交換した時に「御社はどのような仕事を・・・」と聞かれます。まあ、当たり前ですね。類似のサービスがないためいつも説明には苦労してしまいますが、最近では
「クリック課金型の広告でスポーツを支援するサービスを運営しています」
と答えるようにしています。
と言ってもイメージしづらいと思うので
「クリック課金型の広告でお支払い頂く広告費のうち、半分をスポーツ支援に回しています。」
と補足説明をすると、なんとなく納得していただけるような感じです。クリック課金型の広告が分からない方には、さらにその説明をすることがあります。
すると「へー、面白いことやってますね」と大体言われます。珍しいサービスなのでそういう印象をもたれる方が多いみたいです。
次に「失礼ですが、儲かるんですか?」と聞かれます。それはそうですよね。聞いたこともないサービスなんで儲かるのかどうか気になると思います。
「儲かってません。スポンサーになってください。」
と正直に言うようにしています。本当に儲かってないから仕方がないよね。スポンサーになってください。
とここまではほとんどの方に聞かれるのですが、たまに聞かれるのが「なんでNPO法人でやらなかったのですか?」と言うことです。支援するスポーツの中には障害者スポーツも含まれていますし、マイナーなスポーツを中心に支援をしているため、社会性のある事業だと感じていただくことも多くあります。
会社を作る際には確かにNPOでやろうか悩みましたし、その後も何度かNPOの方がよかったかなーと考えることもありました。しかし、今は株式会社でよかったと思っています。
NPO法人を作らなかった大きな理由としては、多くの方のNPOの認識として「稼いではいけない」というイメージがあるからです。私もそう思っていました。
しかし、私の中ではこれは儲けなければいけない事業だと頭の中で考えていました。自社が売り上げを上げれば上げるだけ、儲かれば儲かるだけスポーツの支援をすることができると考えていたからです。NPOだと儲けると色々いわれるのかな・・・と。
しかしNPOは少し語弊があるかもしれませんが、実は稼いでも問題ないのです。
その稼いだ利益を分配せずに、ちゃんとNPO法人が掲げる社会的な事業に使いましょうというのがNPOで、利益が出たら株主に配当しましょうというのが株式会社といった感じです。下記のリンクの表が分かりやすいと思います。
NPO法人DREAM ISLAND。
それとNPOは無税だと思っている方もいるかもしれませんが、表にあるように税金がしっかりかかります。ここも誤解を生んでいる部分だと思います。
もちろん給料もしっかり支払うことができます。全員がボランティアでなければならないというわけではないのです。中には1000万円以上の年収を得ている人もいます。
そして最近では「事業型NPO」なんてものもあるそうです。詳細は下記リンクをご覧いただければと思います。ちょっと長いですが。
http://www.rdche.hit-u.ac.jp/~sports/2002guest.pdf (PDFが開きます)
給料も(一応)いくらでも払っていい、事業で収益を上げてもいい、そして税金も納めなくてはならないとなると、NPOと株式会社ってそんなに違いが無いように思います。もちろん収益を追い求め、出資者に分配するのが株式会社で、NPOは収益を上げても分配をしないという大きな違いはあります。給料を払っていいのなら、それが利益の配分にもなりかねないですし。
他にも意思決定機関の違いとか様々な違いはあるのですが、それでも株式会社で十分だと考えています。
ちなみにNPOの方がよかったかなと、以前考えていたのは助成金や補助金が多くあるからです。例えばGoogleもこんな助成金を出しています。
NPOの助成金についてはもにょもにょと色々ありますが、CANPANさんが運営する下記リンクなどは大いに参考になるので、ぜひご覧ください。
NPO法人は社会的な事業を行っている、と多くの人は考えているはずですが、株式会社も社会的な事業を行っている会社が多いはずです。利益を追求するのはもちろんですが、企業理念を見てみるとどの会社も社会の役に立つ事業をしようとしているのがよく分かります。ブラック企業と呼ばれている会社の企業理念を見ても、それはよく分かると思います。
色々とやりかたが問題なだけで、はじめから悪いことをしてやろうという会社は少ないはずです。そこには株式会社もNPOも差はないはずです。
NPOのことについて詳しくないので、適当な事を書いてしまっているかもしれませんが、以上のような理由からNPOと株式会社に大きな違いが見出せず、むしろ利益を追求することによってスポーツの支援ができるのではないかという考えからNPOではなく株式会社でサービスをスタートすることにしました。
利益を追求している割には全く利益が上がっていないのが残念なところですが。