手数料無料のクラウドファンディング「HopeMob」が示すもの
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日本でも話題のクラウドファンディング。CAMPFIREやREADYFOR?、そして以前インタビューをさせて頂いたWESYMなどが日本では有名でしょうか。
海外ではKickstarterが有名ですね。最近ニュースになったのはたったの7時間で100万ドルの支援を達成と言うニュース。世界のクラウドファンディング市場は2013年に51億ドル(約5000億円)になるとも言われています。
クラウドファンディングの良いところは、もちろん寄付や出資を受けられるという部分もありますが、そのプロジェクトを多くの人に知ってもらえるということも大きいでしょう。言ってしまえば有名なクラウドファンディングサイトに掲載されるということは、自分のやっているプロジェクトの宣伝にもなるわけです。
クラウドファンディングの運営費はどこから出ているのか
そんなクラウドファンディングですが、寄付・少額出資を受けるプロジェクトを実行する人たちは、その寄付や出資を受けたお金が手に入るのは分かります。では、クラウドファンディングを運営している事業者はどのようにその運営費を賄っているのでしょうか。
答えは簡単で、達成したプロジェクトに対して手数料をもらっているのです。CAMPFIREは20%、READYFOR?は詳細は分かりませんが手数料を取っています。この手数料はプロジェクトが達成した時、つまり寄付や少額出資を受けられると決まった時に初めてかかるもので、プロジェクトを始めるときには一切掛かりません。
手数料が発生するのは当たり前と言えば当たり前で、クラウドファンディングのサイトを運営するということは、そこに人件費などの維持費がかかるので、手数料をもらわないと運営ができなくなってしまいます。
以前、前に勤めていた会社の後輩に「クラウドファンディングのサイト作ってよ」と冗談半分に言ったら、「嫌ですよ。だってぼったくりじゃないですか」と言われました。ぼったくりと言うのは多分手数料のことを言っているのだと思います。「いやー、ほら運営するのだって人件費とかかかるじゃん」って言ったのですが、確かにそうだよなとも思いました。
手数料無料のクラウドファンディング
そんな中出てきたのが手数料無料の「HopeMob」。なんで手数料が無料なのかと言うと、運営費は寄付で賄い、さらにボランティアの手によって運営されているそうです。
こうすることで寄付や出資をした人は自分の出したお金が100%応援したい相手に行くのでロイヤルティも高くなるのではないでしょうか。
ここで思ったのがどうやって寄付をするのが一番いいのかと言うこと。東日本大震災の時もどこに寄付をするのが一番いいのかが少し話題になりました。多くの自治体が独自の口座を開設し、そこに寄付金を集めたりもしていましたが、様々な団体が寄付窓口を開設し、そこから地方自治体やNPOなどに集めた寄付金を渡すというこをしていました。そうすると自治体やNPOの間に入っている団体は、ボランティアベースでない限り人件費などが掛かっているはずです。
もちろん沢山の窓口があればそれだけ寄付をしやすくなるのかもしれませんし、色々と分配をしてくれるのかもしれませんが、最終的に寄付金が集まる団体に直接渡した方がいいのではないかということです。
HopeMobが示すクラウドファンディングの今後
今回のHopeMobはある意味今後のクラウドファンディングのあり方を示すものになっていくのかもしれません。やはり自分の出したお金はそのまま応援している人や団体に渡って欲しいもの。そしてプロジェクトを実行している人や団体も、手数料なしで受け取れた方がいいのは間違いないでしょう。
ただ、いかんせん各プロジェクトはこれから世の中に出て行こうというものがほとんど。誰も知らない、そしてある意味まだ信用度が低いプロジェクトにはお金は集まってきません。その情報発信や、信頼性を担保する、そして決済の部分ではクラウドファンディングはまだまだ活躍できることでしょう。
しかし、何れは手数料を取るというビジネスモデルは厳しくなってくるような気がします。一度成功したプロジェクトは、次回からは発信力も向上し、自分で寄付や出資を集めることも可能になってくるでしょうし、日本版HopeMobもできないとも限りません。
個人間送金をどうするか
一番いいのはやはり直接寄付や出資ができること。でもそのためには情報発信と決済の手段を各プロジェクトが担わなければなりません。決済については法人などであれば口座番号を公開することで対応できるのでしょうが、個人となるとなかなか難しいみたいです。
それは以前クラウドファンディングのWESYMさんにインタビューをした中でも触れられていますが、日本では個人間の送金は結構グレーな部分があるそうです。PayPalも個人間の送金はできないままのようですし。
そんなわけでクラウドファンディングは、現在の形から手数料なしになり、法的な問題が解決されるようになったら直接寄付のような形になるのではないでしょうか。その時には「お勧めプロジェクト」まとめのような、単純にプロジェクトをまとめたサイトに寄付先が掲載されていたり、著名人やキュレーターがプロジェクトを紹介して直接寄付に促すようになっていると思います。
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