スポーツと共に進む~世界に通用するスポーツ選手、ビジネスマンを育てる OSS株式会社~
スポーツとともに進む。今回は日本におけるスポーツマーケティングの第一人者であるOffice Strategic Service 株式会社(以下OSS)の半田裕さんにお話を伺いました。日本のみならず、世界に通用する人材を育て上げるOSS半田さんの夢とは。
-半田さんの自己紹介をお願いします
OSSの半田裕です。ネスレ日本に新入社員で入社し、そこで営業やマーケティングを担当しました。その後、世界最大のスポーツマーケティングカンパニーであるIMGに入社し、サッカーのピエール・リトバルスキー、ロベルト・バッジョ、F1のアイルトン・セナ、アラン・プロスト、ミハエル・シューマッハやアメフトのジョー・モンタナなど、多くの著名スポーツ選手のマネージメント及びサッカー、野球、アメフト、音楽などのスポーツビジネスの契約・企画・立案・運営に携わってきました。
そして2002年の日韓共催のサッカーワールドカップに向けて設立された、アディダス・ジャパンの創設メンバーとして参加し、サッカー日本代表の契約を含めた創世記のアディダ・スジャパンのすべてのコンテンツを確保する契約に関わり、2002年のワールドカップのマーケティング活動を展開していきます。
ワールドカップ終了後はナイキジャパンに移り、ナイキスポーツマーケティングの陣頭指揮をとり、サッカーの中田英寿、小野伸二、稲本潤一や野球のダルビッシュ有、松坂大輔など数え切れないほどのトップアスリートを活用するブランドマーケティングに携わりました。
2006年にジャパン・スポーツ・マーケティング株式会社の設立に参加し、伊達公子、キッド山本などのアスリートのマネジメントやスポーツマーケティングの活動の企画運営の陣頭指揮を執り、2009年にOSSを設立しました。
-すごい経歴ですね!皆さん、一度は名前聞いたことがあるような方ばかりです。様々なスポーツマネジメントに携わって来られて立ち上げられたのがOSSということなのですが、OSSではどのような事業を行っているのでしょうか?
OSSでは3つの事業を展開しています。1つ目はスポーツビジネスのプロデュースです。現在、財団法人JKAにおいて次のリオデジャネイロオリンピックに向けた自転車競技の日本代表の育成プログラムや、スポンサーセールスをゼロから行っています。特にガールズケイリンの事業に力を入れています。そして日本トップリーグ連携機構では、所属する全国217チームのうち5チームの事業コンサルタントも行い、チームの事業運営面でのコンサルタント活動を行っています。
2つ目はスポーツツーリズムです。これは夏休みや冬休み等子供たちの休みの日ににスポーツキッズキャンプを行います。そのキャンプでは引退したサッカー選手やプロ野球選手がコーチとなり、子供たちに指導を行います。その間、保護者の方にもゴルフやテニスなどの競技をプロ選手とを楽しんでもらい、親子で楽しめるプログラムをご提案します。
3つ目は「人材育成と選手の育成」です。これは日本のみならず世界で活躍するスポーツビジネス、またはスポーツ選手を育成するのが目的です。現在、様々なスポーツビジネス向けの講座を行っています。様々な分野で活躍されている方を講師としてお招きし、これからスポーツビジネスの世界へ飛び込もうとする、学生や社会人の方を対象にした講座展開です。現在は教室での直接講義ですが、今後は地方の方にもご覧いただけるようなプログラムも展開していく予定です。
また講座だけでは無く、東京と大阪では100-200名規模のカンファレンス開催、インターンシップのプログラムを法人サポーターとの企業との間で展開し、入口から出口までのワンストップサービスを目指すプログラムを構築中です。
-1つ目の事業の中にあったガールズケイリンって非常に面白そうですね。競輪と女性はあまり結び付かないような気がしますが、どのような事業なのでしょうか。
競輪はもともと戦後復興の財源を確保するために生まれました。競馬は農林水産省、ボートやオートバイは経済産業相、そして競輪は運輸省が管轄し、多くの皆さんに楽しんでもらいながら財源を確保していきました。
競輪も平成元年には2兆円もの売り上げがあったのですが、現在は他の公営ギャンブルと同様に売り上げを落としています。売り上げが落ち込んだ原因は、今まで支え頂いたファンの方も高齢化し、少しずつファンの数も減っていきました。そこで競輪界を盛り上げるために新しいコンテンツを投入しないといけない、というわけで48年ぶりに女子競輪を復活させました。
-昔は女子競輪があったのですね。それは知りませんでした。
はい、2012年7月にガールズケイリンとして復活をいたしました。やはり競輪と言えば男性しかやらないというイメージがありますが、そのイメージを払しょくして女性の方にも気軽に競輪を楽しんでもらい、さらに20代、30代の新しいファンの開拓にもつなげていこうと思っています。現在、女子選手は33人と少ないですが、今までに競輪に興味のなさそうな客層も少しずつ増えてきたという手ごたえを感じています。
-なるほど女性が競輪場に足を運んでくれるようになると、またイメージも変わってきますね。3つ目の事業として挙げられた人材育成についてですが、最近多くの方がスポーツビジネスに興味をお持ちです。何かアドバイスのようなものをいただけますか。
今後、様々な組織に属することになると思います。それはオリンピックであったり、ワールドカップであったり、ガールズケイリンであったり。そしてそれぞれの組織に属した時に、その組織の権利を最大化することが大切です。そしてスポーツの面白さ楽しさを世の中の人にもっと知ってもらえるようにする。その組織が持っているコンテンツを通じてスポーツという切り口で世の中をもっと元気に明るくできるということを理解してもらいたいですね。だから組織の権利を最大化する人材を目指してもらいたい。
私は2002年の日韓ワールドカップの際にアディダス・ジャパンで働いていました。その時の売り上げは約500億円。しかし、その規模の会社がスポーツの持つ権利を最大化して日本を揺り動かすことができたのです。だからブランドの価値を最大化することにより企業のもつサービスや商品を山のように売れる仕組み作りができる人材を育成したいですね。
-そのような人材になるためにはどんなスキルが必要でしょうか。
マーケティング、語学、コミュニケーション、ドキュメンテーション、プレゼンテーションのような能力かもしれませんが、身につけないといけない能力は山ほどあります。それは働く組織によっても、適性に応じてはまるところにはまれば良いと思います。
新卒でスポーツの中心的な仕事をことはなかなか難しいです。だから最初のキャリアはスポーツとは関係のない仕事でも構いません。私は最初ネスレ日本で働いていました。そこで社会人の常識と基本を教えられて、営業やマーケティングの力を磨き上げてきました。スポーツの業界は2ステップ、3ステップ目で目指していくことも全然ありです。
-最後に半田さんの夢や目標を教えてください
ハードやソフトの両面での人材育成を核にした、スポーツとエンターテインメントの日本で一番の会社を作りたいと思っています。人材育成という面では特にインターナショナルスポーツアカデミーを作ることが夢です。そこでこれからの日本の若者がスポーツ選手として、ビジネスマン・ウーマンとして世界で活躍する人材を育成したいです。
-半田さんありがとうございました!
スポーツマネジメントの最前線で活躍する半田さんのインタビューいかがだったでしょうか。OSSさんでは様々なセミナーも行っています。各分野で活躍されている方が講師を務めるセミナーです。私も参加させてもらいましたが、役立つ情報から様々な裏話まで聞けてとても面白いセミナーでした。セミナーの一覧はこちらからご覧ください。→セミナー一覧
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