オリンピック、パラリンピック。実はあと2つ○○リンピックがあるのをご存知ですか?
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ロンドンオリンピック開幕まで後わずかになって参りました。日本代表選手が出発する映像や、様々なスポーツの情報がメディアを賑わせています。
最近はオリンピックのすぐ後に同一開催地でパラリンピックが開かれているため、多くの人が障害者スポーツを目にすることが増えてきました。パラリンピックはもともとオリンピックとは別の開催地で行われていましたが、1988年のソウルオリンピックから同一の開催地で開催されることが義務付けられるようになりました。開催期間は別にはなりますが、オリンピックの後に行われるようになってから飛躍的に知名度が増して、障害者スポーツ版オリンピックと認識している人も多いと思います。
ちなみにパラリンピックは初め半身不随の方しか参加できませんでしたが、その他の障害を抱えた方も参加するようになったため、現在では「平行(パラレル)なオリンピック」つまり「もうひとつのオリンピック」と言う意味でパラリンピックと呼ばれています。
さてオリンピックとパラリンピック以外に○○ピックとつく競技大会があるのをご存じでしょうか?
実はこのパラリンピックと色々と縁の深い○○ピックがあるんです。それは「デフリンピック」と呼ばれるものです。デフリンピックとは聴覚障害者の方が出場する競技大会です。もともとは聴覚障害をお持ちの方もパラリンピックに参加していたのですが、1995年に国際パラリンピック委員会から国際ろう者スポーツ委員会が離れたために現在はパラリンピックに聴覚障害の方は参加できない状況が続いています。
しかし国際オリンピック委員会からは、オリンピックの名称使用の許可を得ているためデフリンピックと言う呼称を使用しています。デフリンピックはオリンピックイヤーにオリンピックと同一開催地で行うことはないので知名度はパラリンピックに比べたら低いですが、多くの日本人選手が活躍しています。オリンピックのハンマー投げでは室伏広治さんがもちろん有名ですが、ろう者のハンマー投げ世界記録も日本人が持っています。森本真敏さんと言って2009年のデフリンピックで金メダルを獲得されています。
さて、もうひとつの○○ピックですがこちらもご存じない方が多いかもしれません。それは「スペシャルオリンピックス」と言います。デフリンピックと同じく、国際オリンピック委員会から正式にオリンピックの名称使用の許可を得ています。さてスペシャルオリンピックスとはどのような競技大会なのでしょうか。
スペシャルオリンピックスは知的障害や発達障害などをお持ちの方が参加する大会です。パラリンピックやデフリンピックは競技性が非常に高く、記録を目指してプレーをしていますが、スペシャルオリンピックスは少し違います。知的障害をお持ちの方が日ごろ行っているスポーツトレーニングの成果を発表する場としてスペシャルオリンピックスは存在しているのです。
オリンピックやパラリンピックでは競技は予選から始まり、決勝に残った数名で競技を行って、金銀銅メダルの順位を争います。しかしスペシャルオリンピックスでは「ディビジョニング」と呼ばれる組み分けがあります。これは年齢や性別、運動能力などをかんがみて組み分けを行い、できるだけ同水準のレベルの選手で競技を行う方法です。
例えば24名の参加者がいる競技があるとします。まずは予選を行い運動能力などを確認して3つのディビジョンに組み分けを行います。オリンピックなどではここで上位に残らないと予選敗退となるのですが、スペシャルオリンピックでは24人全員が決勝に進むことができるのです。つまり予選はあくまでも組み分けを行うためのものであって、参加者全員が各ディビジョンごとの決勝に進めると言うわけです。
そして各ディビジョンごとに決勝を行い、金銀銅メダルと決めるのですが4位以降の選手にもリボンが渡されます。そして順位に関わらず一人一人の表彰に際して最後まで拍手を行うそうです。
さて皆さんはデフリンピックとスペシャルオリンピックスご存知でしたでしょうか?障害者スポーツもパラリンピックだけではなく、様々な大会が行われているんですね。知名度はまだまだオリンピックやパラリンピックには負けてしまいますが、日本を代表してプレーしている選手がここにも沢山います。ぜひ皆さんも応援をしていきましょう!
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