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アプリの一般的な開発環境とゲーム開発プラットフォーム、広告会社に求められるSDKの対応について

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iPhoneやAndroidでアプリを作る場合、

当然ながらアプリを開発する開発環境が必要になります。iOS(iPhoneやiPad、iPod Touch)の場合はObjective-Cで開発を行うXcodeが必要になり、Androidの場合はJavaで開発するEclipseといった開発環境が必要になります。これらは統合開発環境(IDE - Integrated Development Environment)と呼ばれるコンパイラ・テキストエディタ・デバッガなどがひとつになったもので、画面から簡単に操作できるようになっています。

今回はそんなアプリの開発環境、

近年人気の高いゲームアプリの開発環境についてフォーカスしたい思います。ゲームアプリの場合、ゲームエンジンと呼ばれる2Dまたは3Dグラフィックレンダリング、物理演算、サウンド、AIやアニメーションなど、ゲームの基本的な要素を提供するソフトウェア・フレームワークが必要になり、それぞれの開発環境(Xcode、Eclipse)だけではまかないきれず、専用の開発環境(ここでは「ゲーム開発プラットフォーム」と呼びます)を使うことが一般的になっています。

なぜにゲームアプリを開発していない私が、こういったゲーム開発プラットフォームについて調査しているのかといいますと、広告出稿を行うにあたり、アプリがインストールされたかの成果判定を行うために、SDK(Software Development Kit)と呼ばれる広告計測用の開発キットを組み込んでもらう必要があります。この開発キットは、各ゲーム開発プラットフォームに合わせた形式でなければならない(開発言語に合わせていなければいけない)ため、それぞれに対応させる必要があります。そのためリワード広告会社としてもこういったゲーム開発プラットフォームへの対応が必須にあるといった状況になっています。

下図が一般的な開発ツール(iOSの場合Xcode、Androidの場合Eclipse)で開発を行った場合の流れです。当然、開発時に広告SDKを組み込みます。

一般的なツールでアプリを開発し、広告SDKを組み込む場合

そして下図が、ゲーム開発プラットフォームで開発する場合の流れになります。ゲーム開発プラットフォームで開発を行うのですが、アプリを申請・公開するまでにXcode・Eclipseでのビルドが必要になります。そのため、アプリのビルド(アップデート)毎に広告SDKを組み込む必要があり、とても手間になるため、赤枠のゲーム開発プラットフォーム内でSDKを組み込んでしまい、出力したあとはビルドするだけにしておけば、その分手間が省け、SDKの組み込みミスも減るといった具合です。

ゲーム開発プラットフォームでアプリを開発し、広告SDKを組み込む場合

また、図に記載していますように、

ゲーム開発プラットフォームはクロスプラットフォーム(iOSへもAndroidへも出力すること)に対応しているものがあります。これはアプリの開発を1つに集中できるため、開発コストであったりが減らせるためメリットが多いようです(*1)。

そんなiOS・Androidに対応したゲーム開発プラットフォームを調査しましてみました。今回調査対象としたのが、クロスプラットフォームへの対応(iOSやAndroidアプリは必須)で、いくつかアプリが紹介されていたものです。シェア率についても調査しようと思ったのですがなかなか見つからず、各ホームページの開発実績のあるアプリ紹介ページでの掲載アプリ数をもとに並べています。このへんのシェア率についてご存知の方がいらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。

あと、Titanium MobilePhonegapといった開発環境もクロスプラットプラットフォームに対応しておりますが、ゲーム開発プラットフォームで考えるとちょっと違うかなぁと思い、このリストには含めておりません。

 著:

クロスプラットフォームに対応したゲーム開発プラットフォーム

Unity Mobile http://unity3d.com/
概要 業界で一番使われているであろう3Dゲームエンジン。iOS、Androidをはじめとし家庭用ゲームなどにも対応。世界各国、日本でも多くのゲームデベロッパーが使用している。XcodeやEclipseプロジェクトへの出力も行えるため直接Objective-Cでのコーディングも可能。日本サポートあり。
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows Mobile、Flash、Windows、Mac、ブラウザゲーム、家庭用ゲーム
費用 30日間無料。プロはUS $1,500。iOS、Android用のプラグインがありそれぞれUS $400~(売上によりProが必要)
ゲームリスト http://japan.unity3d.com/gallery/made-with-unity/game-list

開発者の声としていくつかのアプリがフォーカスされてました
Lord of Knights、もののけ対戦"陣"
http://japan.unity3d.com/gallery/made-with-unity/voices/
開発元 アメリカ

 

Adobe AIR http://www.adobe.com/jp/products/air.html
概要 HTML、CSS、JavaScript、Ajax、Flashなどの技術を使って、ブラウザを立ち上げることなくデスクトップで実行できるWebアプリの開発環境。Adobe AIR 3.0では、「Captive Runtime」が加わり、ランタイムをAdobe AIRアプリのパッケージにして配布できるようになった。「ネイティブ拡張」により、各OSのネイティブコードで記述されたライブラリを利用することもできる。
対応プラットフォーム iOS、Android、BlackBerry OS、Flash、Windows、Mac、Linux、ブラウザゲーム、家庭用ゲーム
費用 無料(*2)。Flash Builder 4.7 Premiumは有料。
ゲームリスト http://adobe-ria.jp/air/

毎年コンテストがあるようです。
Adobe - ADOBE AIR コンテスト2012受賞作品 http://www.adobe.com/jp/joc/aircon2012/awards/
開発元 アメリカ

 

Unreal Development Kit http://www.unrealengine.com/
概要 iOS、AndroidやPCゲーム、家庭用ゲームに対応した3Dゲームエンジン。略してUDK。UnrealScriptを使用して、ゲームプログラミングを行なう。日本語サポートあり
対応プラットフォーム iOS、Android、Flash、Windows、Mac、ゲーム、家庭用ゲーム
費用 個人使用であれば無料、商用利用であれば有料(商用の場合US $99が必要で売上がUS $50,000に達した時25%のロイヤリティが必要、ロイヤリティフリーはUS $ 2,500)
ゲームリスト Infinity Blade、DmC Devil May Cryなど
http://www.unrealengine.com/en/showcase/
開発元 アメリカ

 

Corona SDK http://www.coronalabs.com/
概要 iOS、Androidゲーム作成エンジンとして比較的人気。Kindle fireにも対応。Lua(スクリプト言語)で開発することができゲームアプリからビジネスアプリまで幅広い制作実績あり。
対応プラットフォーム iOS、Android、Kindle fire
費用 無料。iOS、Android用のプラグインがありそれぞれUS $199。US $349で両プラットフォームへのビルドが可能。
ゲームリスト netmarble、NumberLinkなど
http://www.coronalabs.com/resources/case-studies/
開発元 アメリカ

 

Marmalade http://www.madewithmarmalade.com/
概要 HTML5でネイティブアプリが作れるツール。
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows Mobile、Windows、Mac、ブラウザゲーム、家庭用ゲーム
費用 4パターンのタイプ(US$149~US$1200)あり。各タイプによって対応できるプラットフォームの種類が異なる。iOS・AndroidだったらUS$149~可能。また、これらは売上がUS $50,000以下が対象。それ以上は要問合せとのこと。30日間のトライアル版あり。
ゲームリスト CoD: World at War: Zombies 、Pro Evolution Soccer (PES) 2011など
http://www.madewithmarmalade.com/apps-program/apps-catalogue
開発元 イギリス

 

Papaya Social Game Engine http://papayamobile.com/
概要 ソーシャルゲームを容易に作成するためのゲームエンジン。課金やリワードのマネタイズまでをオールインワンで導入できる。UnityやMarmalade、Coronaとの連携も可能。
対応プラットフォーム iOS、Android
費用 無料?
ゲームリスト Mafia Farm、Paper Tossなど
http://papayamobile.com/games
開発元 中国

 

ShiVa3D http://www.shivaengine.com/
概要 iOS、Android、WindowsMobileとBlackBerry OSから家庭用ゲームをサポートする"最もクロスプラットフォーム"ゲームエンジンであることを主張する開発ツールキット。Lua(スクリプト言語)やC,C++で開発することができ、直接Objective-Cでのコーディングも可能
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows Mobile、BlackBerry OS、Flash、Windows、Mac、Linux、ブラウザゲーム、家庭用ゲーム
費用 Web上であれば無料。ServerとEditorとTrainingに分かれていて、それぞれAdvance(US $1,000)とBasic(US $500)に分かれている。
ゲームリスト http://www.shivaengine.com/shiva-3d-engine-showcase.html
開発元 不明

 

EDGELIB http://www.edgelib.com/
概要 iOS、Android、Windows Mobile、Symbianに対応した2D・3Dミドルゲームエンジン。Javaベース
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows Mobile、Symbian
費用 個人使用であれば無料、商用利用であれば有料(1アカウント € 5,000)
ゲームリスト http://www.edgelib.com/index.php?node=showcase&page=0
開発元 オランダ

 

MoSync http://www.mosync.com/
概要 HTML5/JavaScriptとC/C++とでネイティブアプリが作れるツール。
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows Mobile、Microsoft Surface
費用 個人使用であれば無料、商用利用であれば有料(1アカウント € 199/年)。電話サポートなど必要な場合 1アカウント € 2,999/年。
ゲームリスト http://www.mosync.com/showcase
開発元 スゥエーデン

 

JMonkey Engine http://jmonkeyengine.org/
概要 Javaで3Dゲームが作れるゲームエンジン。OpenGLをラップしたlwjglを使っており、3Dで動くゲームを作ることができる。
対応プラットフォーム iOS、Android
費用 商用無料 Free, open-source software (under the New BSD license)
ゲームリスト http://jmonkeyengine.com/showcase/
開発元 不明

 

NME http://www.haxenme.org/
概要 単一のコードベースからAndroid、iOSの、BlackBerryやWindows Phoneのアプリを開発できるようにする無料のオープンソースのフレームワーク。CやC+ +のスキルは必要なく、ターゲットプラットフォーム上で実行するために、仮想マシンまたはランタイム(JavaおよびAdobe AIRなど)は必要ない。
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows Mobile、BlackBerry OS、Flash、Windows、Mac、Linux
費用 無料
ゲームリスト http://www.haxenme.org/showcase/
開発元 不明

 

emo-framework http://www.emo-framework.com/
概要 OpenGL ES and OpenAL/OpenSLでiOS、Androidゲームが作れるゲームエンジン。2011年10月に日本向けのガイドブックを発表しているが、2012年になって更新がない。
対応プラットフォーム iOS、Android
費用 無料
ゲームリスト 不明
開発元 不明

 

libGDX http://libgdx.badlogicgames.com/
概要 HTML5とJavaベースの2D・3Dゲームエンジン。Windows、Androidなど。iOSに対応するには別途対応が必要。
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows 、Mac
費用 無料?
ゲームリスト 不明
開発元 不明

 

GameSalad http://gamesalad.com/
概要 ドラッグ&ドロップでゲームが作れるプラットフォーム。
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows、Mac
費用 有料。US $299/年。iOS(Mac含む)のみの無料版もあり(その他機能制限付き)
ゲームリスト http://gamesalad.com/creator/stories
開発元 アメリカ

 

SIO2 http://sio2interactive.com/
概要 iOSとAndroid用のOpenGLESベースの2Dおよび3Dゲームエンジン。
対応プラットフォーム iOS、Android
費用 iOS・Androidともに US$399.99。機能制限のあるトライアル版あり
ゲームリスト 不明
開発元 アメリカ

 

BattryTech http://www.batterytechsdk.com/
概要 AndroidとiPhoneのプラットフォーム用のネイティブC + +のコードを書くことができますゲーム開発フレームワーク。
対応プラットフォーム iOS、Android、BlackBerry OS、Windows、Mac
費用 有料。組織の大きさによって価格帯が設定されている。~5名 US$249.95、 6~199名 US$ 999.95、200以上は問い合わせ
ゲームリスト 不明
開発元 不明

 

App Game Kit http://www.appgamekit.com/
概要 iOS、AndroidとブラックベリーOSを含む複数のプラットフォームに展開するための基本的なスクリプト言語を使用。
対応プラットフォーム iOS、Android、BlackBerry OS、Windows、Mac
費用 有料。US$59。トライアル版あり
ゲームリスト 不明
開発元 不明

 

Antiryad Gx http://www.arkham-development.com/
概要 C,C++とGelに対応した2D・3Dゲームエンジン
対応プラットフォーム iOS、Android、Windows Mobile、BlackBerry OS、Windows、Mac、Linux、家庭用ゲーム
費用 無料?
ゲームリスト http://www.arkham-development.com/games.htm
開発元 フランス

昨年末くらいに調査していたものなので現在はまた変わっているかもしれません。また、ゲーム開発者ではないため、間違いなどご指摘いただけると幸いです。

うちの会社でも、いくつかの開発プラットフォームに合わせたSDKを提供しておりますが、それぞれにあったSDKゆえ仕様書やサポートなど、それぞれ必要になってくるので、体制作りも必要になってきています。こういったSDK開発・サポートにご興味の方は是非ご連絡ください!

*1 反面、XcodeやEclipseのようなネイティブ開発では実現できて、クロスプラットフォームの場合はできないといった「痒いことろに手が届かない」的なご意見もちらほらいただきますので一長一短だと思います。

*2 過サイト上では「Adobe AIRランタイムおよびAdobe AIR SDKは、ほとんどのユーザーに無償で提供されます。」と記述されており、どのユーザが有料なのか誰か教えてください。
Adobe AIR 3 | FAQ | よく寄せられる質問 http://www.adobe.com/jp/products/air/faq.html

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