オルタナティブ・ブログ > 岩本幸男の「クラウドのあちら側に光を見たい」 >

クラウド、SaaSを中心に庶民からの思いを無責任につぶやく

「ハイブリッド」という言葉の使われ方に、安易さを感じる今日この頃です。

»

SaaSやクラウドの浸透にともない、「ハイブリッド」な提案が流行しています。

フロント系業務や、標準化可能な定型業務はクラウドを活用し、自社のコアを支える独自システムやミッションクリティカル業務はオンプレミスでやりましょう。適材適所でハイブリッドな導入しましょう...

    まあ、 雰囲気は解ります。 私も良く言います。

古くは、アナログ時計とデジタル時計が一つの筐体に収まった腕時計、アナログとデジタルが連携している訳ではありませんが、一つの筐体に収まっているという点で、革新的です。
ハイブリッド車に至っては、燃料で動くエンジンと電気で動くモーターが、緻密に連携し駆動力を生み出しています。まさにエンジンとモーターの動力が連携し融合するという革新的なシステムです。

さて、ハイブリッドなITシステムではどうでしょう。単純なデータ連携であればもちろん可能です。大量データのバッチ連携も可能です。でも、根本的にプラットフォームが別々ですので、マスターデータの一元管理やトランザクションデータのリアルタイム伝播、ビジネスプロセスを複雑に跨ぐトランザクション処理など、ちょっと現実的ではありません。
なので、クラウドでやる部分と、オンプレミスでやる部分を分けてしまうのが一番簡単で安心なわけです。そこには、融合や連携の革新性はありません。別々な2種類のITシステムです。

これってハイブリッドっていう素敵な言葉で呼んでも良いですか?
ちょっと、安易な使い方と感じてしまいます。

ハイブリッド時計の保守は時計メーカーが、ハイブリッド車の保守は自動車メーカーが責任をもってやってくれます。

    ハイブリッドなITシステムは、誰かが責任とってくれますか?

別々に使うなら良いですけど、混ぜて繋いで、運用するのは誰が責任取るんでしょう....?結局ユーザ責任ということになります。

「ハイブリッド」という言葉の使われ方に、安易さを感じる今日この頃です。

Comment(2)