【図解】コレ1枚でわかる学習と推論
前回紹介した機械学習には、「学習(トレーニング)」と「推論(インファレンス)」という2つの異なるフェーズ(段階)が存在します。この2つのフェーズを経て初めて機械学習は機能します。
人間に例えるなら、「学習」は学校や塾で長期間猛勉強して知識を身につけるフェーズであり、「推論」は身につけた知識を使って実際の試験問題を素早く解く、あるいは現場で仕事をするフェーズにあたります。
まず第1段階の「学習フェーズ」では、用意した大量の過去データをコンピュータに読み込ませ、データの背景にあるパターンや法則性を抽出させます。このプロセスは、膨大な回数の計算を繰り返しながら最適な数値を導き出していくため、極めて高い計算能力(コンピューティングリソース)を要求します。そのため、通常はクラウド上の強力なサーバー環境や、GPU(画像処理装置)を多数搭載した高価な専用ハードウェアが用いられます。高度なAIモデルになると、学習が完了するまでに数日から数ヶ月の時間を要し、多額のコストがかかることも珍しくありません。この過酷な計算の果てに生み出される「AIの頭脳」の完成品を「学習済みモデル」と呼びます。
そして第2段階が、完成した学習済みモデルを実際のサービスに組み込んで利用する「推論フェーズ」です。例えば、スマートフォンに搭載された顔認証システムで顔を読み取ったり、工場のラインで流れてくる不良品をカメラで瞬時に検知したりするのが推論です。推論フェーズの特徴は、学習時のような膨大なデータや計算能力は必要としない点です。すでに「法則」は身についているため、入力された新しい未知のデータに対して、即座に予測や分類の結果を返すことができます。
推論においては、クラウド上のサーバーにデータを送って結果を待つ構成もありますが、近年ではネットワークの遅延(レイテンシ)をなくすために、スマートフォンやIoT端末そのものに学習済みモデルを組み込み、その場で推論を行う「エッジAI」という手法も主流になっています。
ビジネスにおけるAIプロジェクトでは、「今自分たちが直面している課題は、時間とコストをかけて自社独自のデータで『学習』を行う必要があるのか、それとも既存の学習済みモデルを活用して『推論』だけを行えば解決できるのか」を見極めることが成功の鍵となります。また、一度学習したモデルも、社会環境の変化や新しいトレンドによって徐々に精度が落ちていくため、定期的に最新のデータを追加して「再学習」させるという運用サイクルを設計しておくことも大切です。
今、「AIをどう使うか」という段階は終わり、「AIと共にどう変わるか」が問われる時代へと、世の中は大きく変わりつつあります。変化はAIだけではありません。ITの潮流もまた、「レガシーIT」から「モダンIT」へと構造的な転換期を迎えています。
営業職であれエンジニア職であれ、新入社員や若手がこの「現実」を知らないまま現場に出ればどうなるでしょうか。お客様との会話は噛み合わず、信頼を得ることは難しいでしょう。その結果、せっかくの才能を持ちながら、仕事への自信を失ってしまうことになりかねません。
そのような不幸なミスマッチを少しでも減らしたい!この研修は、そんな想いから始まりました。
今年で10年目を迎えますが、これまでの経験を土台に、変化の速いIT常識の全体像を、基礎・基本やビジネスとの関連性とともに分かりやすく紐解きます。さらに、ITプロフェッショナルとしてどう役割を果たし、どう学び続けるべきか、AI時代に即した「すぐに使える実践ノウハウ」も解説します。
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