【図解】コレ1枚でわかるビジネス文脈で捉えた「IT」と「デジタル」の違いと関係
昨日のブログで述べたように、「デジタル」の本来の意味は、「0と1(離散量)」のことです。しかし、ビジネス文脈でこの言葉を使うときは、異なる意味で使われることが少なくありません。
1. 言葉の定義:手段の「IT」、目的の「デジタル」
両者の関係を一言で整理すると以下のようになります。
- IT(Information Technology): 情報を活用するための「技術・手段」
- デジタル(Digital): ITを駆使して、新たな「価値・仕組み」を生み出すこと
「IT」=「技術そのもの」
ITとは、コンピューターやネットワークを実現し、操作する技術のことです。
- 大量のデータを高速処理するプロセッサー
- 超高速通信を実現する5G(次世代移動通信システム)
- 高度な識別を行う深層学習(ディープラーニング)
これらはすべて、これまで人手がかかっていたことを効率化したり、不可能だったことを可能にするための「道具(ツール)」であり、強力な「手段」です。
「デジタル」=「ITを使った変革」
一方で、ビジネス文脈における「デジタル」とは、ITという手段を使って「何を成し遂げるか」を指します。
単にアナログをデジタルデータに置き換えるだけではありません。ITを前提とすることで、ビジネスモデルや業務プロセスそのものを根本から作り変え、新しい価値を提供することを意味します。例えば、次のようなことです。
- カーシェアリング: スマートフォンやGPS(IT技術)を駆使し、「車は所有するもの」という常識を覆して「利用権を共有する」という新サービスを構築。
- 遠隔医療: 5Gや高精細映像(IT技術)を使い、地理的な制約を超えて医療が受けられる社会インフラを構築。
つまり、「IT」が「How(どうやって)」を提供するのに対し、「デジタル」は「What(何を創るか)」を定義するものと言えます。
2. 求められる「力」の違い
ITとデジタルは目指す方向が異なるため、そこに関わる人間に求められるスキルやマインドセット(心構え)も異なります。
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IT(技術) |
デジタル(価値創出) |
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焦点 |
技術の機能や性能 |
ビジネスや社会の仕組み |
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目的 |
技術を高める、極める |
技術を使って変革する |
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必要な力 |
「技術力」 (専門知識、実装スキル) |
「人間力」 (構想力、人を巻き込む意思) |
「IT」に関わるには、技術そのものを深く理解し、磨き上げるエンジニアリングの精神が必要です。
対して「デジタル」に関わるには、技術を前提に「世の中をどう良くするか」を構想し、組織や人を動かして新しい常識を作り上げるリーダーシップが求められます。
3. なぜ「IT部門」と「デジタル戦略部」は分かれているのか?
多くの企業で、既存の「IT部門(システム部)」とは別に、「デジタル戦略部」や「DX推進室」が作られる背景には、この「役割の違い」があります。
- CIO(Chief Information Officer): 情報システムの最適化、安定稼働、技術選定を担う(守りと効率化のIT)。
- CDO(Chief Digital Officer): デジタル技術を使った新規事業創出、顧客体験の変革を担う(攻めと変革のデジタル)。
既存の業務効率化やコスト削減(ITの領分)と、ビジネスモデルそのものの破壊的創造(デジタルの領分)は、求められる文化もスピード感も異なるため、あえて組織や役職を分けるケースが増えているのです。
4. 結論:不可分の関係
ここまで対比させてきましたが、「IT」と「デジタル」は対立するものではありません。
優れた「デジタル(変革)」を実現するには、基盤となる高度な「IT(技術)」が不可欠です。逆に、どんなに高度なITがあっても、それを活用して価値に変えるデジタルの視点がなければ、技術は宝の持ち腐れになります。
「ITを前提に、これまでの常識を置き換える」
これこそがデジタルの本質です。組織の中で両者の違いを正しく理解し、技術(IT)と変革(デジタル)の両輪を密に連携させることが、これからの時代に求められています。
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突然ですが、少しご自身の「常識」のアップデート状況を点検してみましょう。 お客様との雑談や会議で、次のような質問をされたとき、あなたは自信を持って答えられますか?
【初級編】基本の「キ」
まずは、現代のビジネスシーンで頻出するキーワードです。
- 「デジタル化」と「DX」、何が違うのですか?
- 「仮想化」と「コンテナ」、技術的な違いとメリットは何ですか?
- 「機械学習」「ニューラルネットワーク」「深層学習(ディープラーニング)」、それぞれの包含関係と違いは?
- 今のAIには何ができて、何ができないのですか? 人間の知性との決定的な違いは?
- セキュリティでよく聞く「ゼロトラスト」とは何ですか? 従来の境界型防御とはどう違うのですか?
【中級編】トレンドの本質を掴む
続いて、ニュースや現場で飛び交う言葉の「意味」を深く理解しているかどうかの問いです。
- 「クラウドネイティブ」とは何ですか? 単に「クラウドを使うこと」とは違いますか?
- AIにおける「モデル」とは、具体的に何を指す言葉ですか?
- 「Stack Overflowの死」という言葉が示唆する、プログラミングや開発現場の未来とは?
- 「アジャイル開発」と「DevOps」、それぞれの目的と両者の関係性は?
- 「マイクロサービスアーキテクチャ」を採用する際のメリットと、逆に生じる複雑さ(デメリット)は何ですか?
【上級編】未来と社会を見据える
最後は、技術が社会やビジネス構造に与える影響についての問いです。
- 「生成AI(Generative AI)」の台頭が、知的財産権や著作権法のあり方にどのような課題を投げかけていますか?
- 「量子コンピュータ」の実用化は、現在の暗号技術やセキュリティにどのようなインパクトを与えますか?
- 「Web3」や「DAO(分散型自律組織)」は、既存のプラットフォーマー型ビジネスをどう変える可能性がありますか?
- ITインフラの消費電力問題と「サステナビリティ」の観点から、データセンターやクラウド選定に求められる視点とは?
- 「デジタル主権(ソブリンクラウド)」という概念が、グローバルなデータ活用において重要視される背景は?
いかがでしたか? すらすらと、自分の言葉で説明できたでしょうか。それとも、曖昧な理解であることに気づき、言葉に詰まってしまったでしょうか。
もし答えに窮するとしたら、ぜひITソリューション塾にご参加ください。ここには、新たなビジネスとキャリアの未来を見つけるヒントがあるはずです。
【ユーザー企業の皆さんへ】
不確実性が常態化する現代、変化へ俊敏に対処するには「内製化」への舵切りが不可欠となりました。IT人材不足の中でも、この俊敏性(アジリティ)の獲得は至上命題です。AIの急速な進化、クラウド適用範囲の拡大、そしてそれらを支えるモダンITへの移行こそが、そのための強力な土台となります。
【ITベンダー/SI事業者の皆さんへ】
ユーザー企業の内製化シフト、AI駆動開発やAIOpsの普及に伴い、「工数提供ビジネス」の未来は描けなくなりました。いま求められているのは、労働力の提供ではなく、モダンITやAIを前提とした「技術力」の提供です。
戦略や施策を練る際、ITトレンドの風向きを見誤っては手の打ちようがありません。
ITソリューション塾では、最新トレンドを体系的・俯瞰的に学ぶ機会を提供します。さらに、アジャイル開発やDevOps、セキュリティの最前線で活躍する第一人者を講師に招き、実践知としてのノウハウも共有いただきます。
あなたは、次の質問に答えられますか?
- デジタル化とDXの違いを明確に説明できますか? また、DXの実践とは具体的に何を指しますか?
- 生成AI、AIエージェント、エージェンティックAI、AGIといった「AIの系譜」を説明できますか?
- プログラミングをAIに任せる時代、ITエンジニアはどのような役割を担い、どんなスキルが必要になるのでしょうか?
対象となる方
- SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
- ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
- デジタルを武器に事業改革や新規開発に取り組む皆さん
- 異業種からSI事業者/ITベンダー企業へ転職された皆さん
- デジタル人材/DX人材の育成に携わる皆さん
実施要領
- 期間:2026年2月10日(火) ~ 4月22日(水) 全10回+特別補講
- 時間:毎週 水曜日 18:30~20:30(※初回2/10など一部曜日変更あり)
- 方法:オンライン(Zoom)
- 費用:90,000円(税込み 99,000円)
受付はこちらから: https://www.netcommerce.co.jp/juku
※「意向はあるが最終決定には時間かがかかる」という方は、まずは参加ご希望の旨と人数をメールにてお知らせください。参加枠を確保いたします。
講義内容(予定)
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- ITの前提となるクラウド・ネイティブ
- ビジネス基盤となったIoT
- 既存の常識を書き換え、前提を再定義するAI
- コンピューティングの常識を転換する量子コンピュータ
- 変化に俊敏に対処するための開発と運用
- 【特別講師】クラウド/DevOpsの実践
- 【特別講師】アジャイルの実践とアジャイルワーク
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