【図解】コレ1枚でわかるソフトウエア化された世界
昨日のブログで述べたとおり、「ビジネスの主役が、モノからサービスへ」と移りつつあるいま、サービスの実態であるソフトウェアが、ますます重要となっています。これは、業種や業界を問わず全てのビジネス分野に加え、社会の様々な仕組みまでもが、ソフトウエアなしには機能しない時代になると言うことでもあります。
例えば、電車の切符を自動販売機で買い、自動改札を通り、定時運行された電車に乗るのも、そこに組み込まれたソフトウェアが、動いているからです。銀行でのお金の出し入れや送金、自動車や家電製品の操作もまた、ソフトウェアが、人間と機械を仲介しています。会社での経費精算や稟議書の提出、報告書や企画書の作成、メールやSNSでのコミュニケーション、オンライン会議や資料の共有、ホームページでの商品紹介やネット販売など、日常の仕事もまたソフトウエアなしでは回りません。
ソフトウェアが、ビジネスに欠かせない存在となったいま、ソフトウェアの優劣が、企業の競争力や業績を左右します。ソフトウェアを経営戦略や事業戦略と同期させ、従業員や顧客に魅力ある、価値のあるサービスをいち早く提供し、改善し続けることができなければ、企業の存続や事業の継続はできません。
そんな企業のコアコンピタンス(中核的価値)となったソフトウェアを自らが作り、維持してゆくのは当然のことです。情報システムを内製化しようとの昨今の動きは、このトレンドと大きく関係しています。
変化が速く、将来の予測が困難な時代となったいま、変化に俊敏に対応できる能力の有無は、企業の存亡を左右します。これは、ソフトウエアの開発や運用もまた、俊敏性が求められると言うことでもあります。
そのためには、経営や業務の現場とソフトウェアを開発、運用する現場が、円滑に意思疎通でき、即決、即断、即実行できる近さがなくてはなりません。このようなことは、ソフトウエアを外注していてはできないことで、そのためにも内製化は必然と言えるでしょう。
私たちは、「リアル=現実世界」で仕事をし、生活を営んでいます。「リアル」は、アナログ(連続量)の世界であり、ここで必要な、コンピュータや自動車、店舗などを私たちは使っています。あらゆるモノがつながる社会では、これらの機能や仕組み、そこに関わる人たちの行動をデータとして捉えることができます。つまり、現実世界のデジタル・コピーが、リアルタイムで作られます。これを「デジタルツイン(Digital Twin)=アナログな現実世界のデジタルな双子の兄弟」と呼びます。
デジタルツインは、リアルを忠実に写し取ったものであるため、ノイズも多く、ビジネスの価値に直接結びつかない情報も含まれています。それらをより分け、本質的で重要な情報だけを取り出し(抽象化)、それらを最適な組合せでつないだのが、「バーチャル=仮想世界」です。
ところで、「バーチャル(Virtual)」という英語ですが、日本語では、「仮想」という言葉に訳されたために、誤解されることがあります。本来の意味は、「本物と同じ」であり、日本語の漢字から連想される「仮の想定、想像、実体のない存在」とは、大きくかけ離れています。つまり、「バーチャル=仮想世界」とは、「リアル=現実世界とは異なるが、実質的には、本物と同じことができる世界」という意味になります。
そんな「バーチャル」では、「リアル」なら所有しなければならないコンピューターの機能や性能を、クラウド・サービスとして利用することができます。つまり、「物理的な実態のある本物のコンピューターは持っていないが、本物を使う場合と同じように、その機能や性能を使うことができる」わけです。
「リアルな本物の店舗に行かなくても、バーチャルな店舗(Amazonや楽天など)で、本物の店舗と同様の買い物ができる」、「リアルな本物の自動車を所有しなくても、バーチャルなカーシェア・サービスで、本物の自動車を所有しなくても、移動の手段を手に入れられる」という「本物と同じ体験」ができます。
クラウド・サービスであれば、機能や性能の限界はなく、置く場所の確保、電源や冷却のための設備の維持管理、構築や運用管理の要員が不要です。バーチャルな店舗であれば、膨大な商品の中から欲しいものを探し、比較も容易です。カーシェア・サービスであれば、駐車場の確保、保険や車検の手続きも不要で、その時々の必要に応じて車種を変えることもできます。
- リアル/現実世界のものごとやできごとをデータに置き換えて、デジタルツインを作る。
- デジタルツインの膨大な現実世界の情報を削減/圧縮/抽象化する。
- リアルの機能やプロセスを再構成し、効率化・最適化し、利便性やコストパフォーマンスを向上させ、バーチャル/仮想世界で提供する。
これら一連のプロセスはソフトウエアによって実行されます。言い換えれば、ソフトウェアで世界を再構築し、効率がよく、利便性が高く、ムダのない社会やビジネスの仕組みに作り変えようというわけです。当然、ビジネスの仕組みもやり方も、この世界に最適化されたカタチに変えていかなければなりません。
【募集開始】ITソリューション塾・第51期
(2026年2月10日開講)
突然ですが、少しご自身の「常識」のアップデート状況を点検してみましょう。 お客様との雑談や会議で、次のような質問をされたとき、あなたは自信を持って答えられますか?
【初級編】基本の「キ」
まずは、現代のビジネスシーンで頻出するキーワードです。
- 「デジタル化」と「DX」、何が違うのですか?
- 「仮想化」と「コンテナ」、技術的な違いとメリットは何ですか?
- 「機械学習」「ニューラルネットワーク」「深層学習(ディープラーニング)」、それぞれの包含関係と違いは?
- 今のAIには何ができて、何ができないのですか? 人間の知性との決定的な違いは?
- セキュリティでよく聞く「ゼロトラスト」とは何ですか? 従来の境界型防御とはどう違うのですか?
【中級編】トレンドの本質を掴む
続いて、ニュースや現場で飛び交う言葉の「意味」を深く理解しているかどうかの問いです。
- 「クラウドネイティブ」とは何ですか? 単に「クラウドを使うこと」とは違いますか?
- AIにおける「モデル」とは、具体的に何を指す言葉ですか?
- 「Stack Overflowの死」という言葉が示唆する、プログラミングや開発現場の未来とは?
- 「アジャイル開発」と「DevOps」、それぞれの目的と両者の関係性は?
- 「マイクロサービスアーキテクチャ」を採用する際のメリットと、逆に生じる複雑さ(デメリット)は何ですか?
【上級編】未来と社会を見据える
最後は、技術が社会やビジネス構造に与える影響についての問いです。
- 「生成AI(Generative AI)」の台頭が、知的財産権や著作権法のあり方にどのような課題を投げかけていますか?
- 「量子コンピュータ」の実用化は、現在の暗号技術やセキュリティにどのようなインパクトを与えますか?
- 「Web3」や「DAO(分散型自律組織)」は、既存のプラットフォーマー型ビジネスをどう変える可能性がありますか?
- ITインフラの消費電力問題と「サステナビリティ」の観点から、データセンターやクラウド選定に求められる視点とは?
- 「デジタル主権(ソブリンクラウド)」という概念が、グローバルなデータ活用において重要視される背景は?
いかがでしたか? すらすらと、自分の言葉で説明できたでしょうか。それとも、曖昧な理解であることに気づき、言葉に詰まってしまったでしょうか。
もし答えに窮するとしたら、ぜひITソリューション塾にご参加ください。ここには、新たなビジネスとキャリアの未来を見つけるヒントがあるはずです。
【ユーザー企業の皆さんへ】
不確実性が常態化する現代、変化へ俊敏に対処するには「内製化」への舵切りが不可欠となりました。IT人材不足の中でも、この俊敏性(アジリティ)の獲得は至上命題です。AIの急速な進化、クラウド適用範囲の拡大、そしてそれらを支えるモダンITへの移行こそが、そのための強力な土台となります。
【ITベンダー/SI事業者の皆さんへ】
ユーザー企業の内製化シフト、AI駆動開発やAIOpsの普及に伴い、「工数提供ビジネス」の未来は描けなくなりました。いま求められているのは、労働力の提供ではなく、モダンITやAIを前提とした「技術力」の提供です。
戦略や施策を練る際、ITトレンドの風向きを見誤っては手の打ちようがありません。
ITソリューション塾では、最新トレンドを体系的・俯瞰的に学ぶ機会を提供します。さらに、アジャイル開発やDevOps、セキュリティの最前線で活躍する第一人者を講師に招き、実践知としてのノウハウも共有いただきます。
あなたは、次の質問に答えられますか?
- デジタル化とDXの違いを明確に説明できますか? また、DXの実践とは具体的に何を指しますか?
- 生成AI、AIエージェント、エージェンティックAI、AGIといった「AIの系譜」を説明できますか?
- プログラミングをAIに任せる時代、ITエンジニアはどのような役割を担い、どんなスキルが必要になるのでしょうか?
対象となる方
- SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
- ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
- デジタルを武器に事業改革や新規開発に取り組む皆さん
- 異業種からSI事業者/ITベンダー企業へ転職された皆さん
- デジタル人材/DX人材の育成に携わる皆さん
実施要領
- 期間:2026年2月10日(火) ~ 4月22日(水) 全10回+特別補講
- 時間:毎週 水曜日 18:30~20:30(※初回2/10など一部曜日変更あり)
- 方法:オンライン(Zoom)
- 費用:90,000円(税込み 99,000円)
受付はこちらから: https://www.netcommerce.co.jp/juku
※「意向はあるが最終決定には時間かがかかる」という方は、まずは参加ご希望の旨と人数をメールにてお知らせください。参加枠を確保いたします。
講義内容(予定)
- デジタルがもたらす社会の変化とDXの本質
- ITの前提となるクラウド・ネイティブ
- ビジネス基盤となったIoT
- 既存の常識を書き換え、前提を再定義するAI
- コンピューティングの常識を転換する量子コンピュータ
- 変化に俊敏に対処するための開発と運用
- 【特別講師】クラウド/DevOpsの実践
- 【特別講師】アジャイルの実践とアジャイルワーク
- 【特別講師】経営のためのセキュリティの基礎と本質
- 総括・これからのITビジネス戦略
- 【特別講師】特別補講 (現在人選中)
「システムインテグレーション革命」出版!
AI前提の世の中になろうとしている今、SIビジネスもまたAI前提に舵を切らなくてはなりません。しかし、どこに向かって、どのように舵を切ればいいのでしょうか。
本書は、「システムインテグレーション崩壊」、「システムインテグレーション再生の戦略」に続く第三弾としてとして。AIの大波を乗り越えるシナリオを描いています。是非、手に取ってご覧下さい。
8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。