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ソリューションの本当の意味とそのカタチ(2/2)

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ソリューションという商品は、どんなカタチをしているのでしょうか。答えは、「提案書」というカタチです。

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ソリューションにはカタチがないという人がいます。しかし、カタチのないものに人はどうやって価値を見出し、採否を決すれば良いのでしょうか。お客様が稟議の手続きを進めようとされるとき、何を対象として検討し、判断すれば良いのでしょうか。

カタチのないものは売れません。ならば、カタチにしなければならないのです。つまり、ソリューションという商品のカタチは、提案書なのです。そこには、お客さまが意志決定するために必要な様々な情報が必要十分に盛り込まれていなければなりません。なぜ必要なのか、目的は、手段や体制は、費用や期間は、などなど、それを見て、なるほどこれは欲しいと思わせることができなければ、お客さまに買って頂くことはできません。

そんな提案書に何を書けばいいかについては、こちらをご覧下さい。

>> 提案書とは何か、何を書けば良いのか

当然、商品は美しくなくてはなりません。誰が、汚い商品を買いたいと思うでしょうか。

内容がよければそれで十分という人がいます。私は、そうとは思いません。美しいとは、人にわかりやすく、確実に伝えたいという「思いやり」のカタチです。コミュニケーション能力の高さを表しているとも云えるでしょう。ビジネスはコミュニケーションの産物であり、そこが確実にできないとうまくゆきません。提案書が汚いと言うことは、その能力の欠如していることを示しています。そんな会社とはつきあわない方が良いと思います。

>> 汚い提案書を平気で持ってくる残念な人

提案書を受け取った相手は、どう思うでしょうか。自分の伝えたいことは書き込みました。それで満足し、相手の知りたいことや相手がどう見てくれるかといったことへの気づかいがない。相手の思考フロセスを想像することもなく、ただ伝えたい内容を満たしたことに満足する。

伝えたという自分の満足ではなく、伝わったという相手の真実が大切なのです。それを突き詰めれば、提案書は結果として、美しくなるのです。

ソリューションという商品は、お客さまの課題を解決することであり、自社の商品やサービスのことではありません。ソリューションという商品のカタチは、美しい提案書です。ソリューション・ビジネスとは、この当たり前の上に成り立っていることを忘れないようにしたいものです。

*募集中* ITソリューション塾【第18期】

2015年2月4日(水)より開講するITソリューション塾【第18期】の募集を開始致しました。既に、定員80名に対して半分ほどのお申し込み、参加意向のご連絡を頂きました。ありがとうございました。

第18期では、テクノロジーやビジネスに関する最新のトレンドに加え、提案やビジネス戦略・新規事業開発などについても考えてゆこうと思っています。また、アジャイル開発でSIビジネスをリメイクした実践事例、クラウド時代のセキュリティとガバナンスについては、それぞれの現場の第一線で活躍される講師をお招きし、生々しくそのノウハウをご紹介頂く予定です。

ご検討ください。

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詳しくはこちらをご覧下さい。また、パンフレットもこちらからダウンロードできます

SI事業者が生き残るための2つの戦略

従来型SIビジネスが難しくなることについて、これまでにも多くの方が語られています。これについては、私も、その理由を詳しく解説しています。詳細は、こちらをご覧下さい。

>> クラウドとSIビジネスの関係(3/3)クラウドが、なぜ従来型SI事業を難しくするのか

ポイントは次の通りです。

  • 人月積算を前提とした収益構造を維持できなる。そのため、この収益構造に過度に依存した事業は、規模の縮小を余儀なくされる。
  • 求められるテクノロジー・スキルや開発・運用スキルが大きく変わるため既存人材の持つスキルとの不整合が拡大する。
  • 比較的単純な業務しかこなせないエンジニアは、クラウドや人工知能に置き換わってゆく。仮に人月型の需要があって、オフショアとの価格競争を強いられる可能性が高く、収益に貢献しにくくなる。

この事態に対処するための「アウトサイド戦略」と「インサイド戦略」について整理してみました。

よろしければ、ご投票頂ければ幸いです m(_ _)m

拙著「システムインテグレーション崩壊」が、「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞」にノミネーションされました。お読み頂きました皆さんに感謝致します。

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「システムインテグレーション崩壊」

〜これからSIerはどう生き残ればいいか?

  • 国内の需要は先行き不透明。
  • 案件の規模は縮小の一途。
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  • クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。

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