サンタクロース役、少々つらい
数日前のことである。深夜遅くに帰宅したところ、リビングに飾ってあるクリマスツリーの下にトレイらしきものが見えるではないか。もしやと思って近づいてみると、予想通りトレイの上には手紙、マグカップ、クッキーが置いてある。
我が家のクリスマスのしきたりというか、プロセスみたいなもの。その1。娘がサンタクロース宛てに欲しいクリスマスプレゼントを書いた手紙をクリスマスツリーの下に置いておく。その2。サンタクロースがその手紙を持って行く。その3。クリスマスの日に、娘のもとにサンタクロースにお願いしていたクリスマスプレゼントが届く。
毎年こんな感じである。問題なのは、その1である。手紙がクリスマスツリーの下に置いてあることとの何がそんなに問題なのかと、きっと思うに違いない。手紙だけならまだいい。確かに何の問題もない。問題は、甘いココアがなみなみと注がれた大きなマグカップと、大量のクッキーやチョコレートが手紙と一緒にトレイの中に置いてあることだ。
寒い日の夜、そりに乗って遠くからやってくるサンタクロースのために娘が用意したあったかいココア(飲むころには冷めてしまっているが)とお菓子。サンタクロースは喜んでそれを平らげなければならない。そして、サンタクロースは娘のもてなしに感謝しながらその手紙を持って帰る。そして、お礼の代わりにクリスマスプレゼントを届けにやって来る。
我が家にやって来るサンタクロースは辛党である。甘いココアやクッキーなどは好まないのである。しかもこの時期は忘年会シーズン。酒を飲んで酔っている体に甘いココアとクッキーはちょっと辛い。飲み物はせいぜいブラックコーヒーにしてくれと、毎回妻には頼んでいるのだが。。。
一度娘に言ったことがある。お酒が好きなサンタクロースかもしれないから、たまには缶ビールでも置いてみたらどうかと。すると、「酔って、そりを運転している途中に事故でも起こしてしまったら大変でしょう!」と一蹴されてしまった。
でも、良く考えてみると、ココアとクッキーがシングルモルトのウィスキーとスルメなんかに変わってしまったら、娘はもうサンタクロースを信用していないということになる。それを思うと、たまにはココアとクッキーもいいのかもしれない。それとも、とっくにサンタクロースのことなんか信用していないのに、父親を喜ばせようと思っていまだに続けているのだろうか。
とりあえず、どっちでもいいや。