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弘前の実家から届いた荷物

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弘前の実家から荷物が届いた。小さな段ボール箱一個。「弘前のおじいちゃんとおばあちゃんからだ!」。そう言っていつも娘が段ボールを開ける。娘は自分宛の荷物が入っていることを知っていて、それが楽しみなのである。

今回の荷物のなかみは、娘へのお小遣い、娘への文房具、リンゴ、リンゴジュース、マタギ飯の素、焼いたハタハタ、焼いたイカ、焼いたホタテ、筋子(弘前ではイクラよりも筋子を多く食す)、キノコの塩から。最近のなかみは大体こんなところである。なかみはいつも代り映えしないのだが、年に2回くらい送られてくる。

最近の箱のなかみは、娘へのプレゼント、妻が喜ぶ食料品の類、そして私の好物と大きく3種類に分類される。昔は私の好物で箱の中がいっぱいだった。それが結婚して、子供ができて、箱のなかみも少しづつ変わっていった。

東京に出てきてから30年間、回数は減ってもいまだに毎年届く贈り物。若い頃は「また来たのか」って思った時期もあったが、最近になってやっと有難味がわかってきた。本当は娘以上に届くのを楽しみにしている。

東京に出て来て間もない頃は、それこそ毎月大きな段ボールが届いたものである。食料品はもちろん、シャンプー、石鹸、トイレットペーパーなど生活に必要なたいがいのものが入っていた。そして、手紙と現金の入った封筒。毎月届く段ボールが生活を支えていたのである。

時代とともに箱の大きさや入っているなかみは変わっても、箱の中に込められた両親の思いだけは昔も今も変わらない。弘前から送られてくる荷物、もう何回受け取ることができるんだろうか。来年も届いてほしいんだ、この荷物だけだけは。

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