ロック少年の心を震わせたヤング・ミュージック・ショー
ご承知の通り、今ではもうライブ映像なんて珍しくもなんでもありません。お金を払えば画質のきれいな貴重なライブ映像がDVDで手に入るし、YouTubeをはじめとした動画投稿サイトはライブ映像のお宝の山と化しています。音楽ファンにしてみれば本当に便利な時代になったものです。
ちょっと前までは(と言っても30年位前の話になりますが)、ライブ映像を見るなんてことは本当に考えられないことでした。当時のロック少年にとって、写真だけが好きなアーティストの顔・姿を知ることができる唯一の方法だったのです。
そんな時代に、貴重なライブ映像をロック少年に見せてくれた貴重な番組がありました。NHKのヤング・ミュージック・ショーという、1971年から1981年にかけて10年間続いた番組です。当時はMTVもなかったわけですから、当時のロック少年にとってこのヤング・ミュージック・ショーという番組はそれこそ絶対的な存在でした。
私が見始めたのは1972年からで、最初に見た記憶があるのは忘れもしないEL&P(エマーソン・レイク&パーマー)の映像でした。当時EL&Pは非常に人気のあったバンドで、私もテレビの前に正座して見たという記憶があります。
1973年に放映されたピンク・フロイドのボンペイでのライブ映像にも度肝を抜かれました。シンプルなバンドスタイルの映像を想像していた田舎のロック少年にとって、テレビに写し出された大掛かりなステージの映像は本当にショッキングだったのです。「ピンク・フロイドってすげえなぁ」、まさにそれが見終わった後の正直な感想でした。
そして忘れもしないその年の夏に放映されたレオン・ラッセル。当時の私にとってレオン・ラッセルはマイ・フェイバリット・アーティストの一人でした。それもかなり上位にランキングされるほど好きなアーティストでした。予告編が流れてから、夏が来るの本当に首を長くして待っていたのを今でも覚えています。
この時のレオン・ラッセルの映像には本当に感動しました。ピンク・フロイドとは違って、リラックス・ムード溢れる典型的なバンドスタイルで演奏される名曲の数々。まさにライブの楽しさと凄さを思い知らされた瞬間でした。
このヤング・ミュージック・ショーですが、まだDVD化されていないようです。著作権の問題とかがあって大変だとは思いますが、是非DVD化してほしいところです。絶対買います!今のリスナーはそんな感動を覚えることもなく当たり前のようにライブ映像を見ているのでしょうね。ヤング・ミュージック・ショー世代にしてみれば、ちょっと複雑な気持ちです。
※ ヤング・ミュージック・ショーで放映された番組がすべてわかります。
http://www.fsinet.or.jp/~eneman/MUSIC/yms/yms.html