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Web 2.0のセールスマンなら最低限。。。

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最近巷に溢れているWeb 2.0のセールスマンは、今までのソリューションやサービスを売っていたセールスマンとは、明らかに求められる資質が違ってきている。

つい最近、ブログやSNSのソリューションを扱っている企業から、自社サービスの説明を受ける機会があった。あるお客様から、一緒に説明を聞いて欲しいと頼まれたのが発端。説明に来たセールスマンは、一見したところ身なりもちゃんとしていて、それこそWeb 2.0をバリバリ使いこなしているように見えた。

その若いWeb 2.0のセールスマンは、自分の会社の説明を簡単にした後、見た目が立派な分厚いパンフレットをカバンから取り出し、サービスの説明を始める。パンフレットの内容は完璧だったし、しゃべりも上手い。30分くらいは時間が経っただろうか。一通りの説明が終わった後で、いきなりこう切り出した。「何か質問はございますか?」

「これで終わり?」。横に座っている主役の部長さんは、どう見ても理解できていないようだった。ミクシィにも登録していなければ、ブログだってやったことがいないのだから、当然といえば当然の話。その部長さんは、「全部お前に任せるから」と目で合図をよこした。

そこで、Web 2.0のセールスマンに、ミクシィのマイページを見せてくれないかと頼んでみることに。同席していた部長さんに、実際に画面を見せながらSNSの基本機能を説明して欲しかったからだ。

ところが、若いWeb 2.0のセールスマンからは、耳を疑いたくなるような答えが帰ってきた。ミクシィには登録していないのだという。しかも、まったく悪びれる様子もなく平然としている。

そうか、きっとミクシィは使い過ぎて飽きてやめてしまったんだな。それならきっとマイスペース派に違いない。淡い望みを抱きながらおそるおそる聞いてみた。ところが、案の定マイスペースにも登録していないという。もちろんブログも書いていない。

呆れてしばらくの間口を開くことができなかった。今まで30分もかけて、彼が最もらしく説明してくれた「ブログとSNSを使ってECサイトの売上を伸ばす方法」とは一体何だったのか。SNSもブログも使ったことがないというWeb 2.0のセールスマンに、その根拠を聞いてみた。当然何も答えることができない。

これでは、Web 2.0のセールスマンは務まらない。Web 2.0のサービスは、パンフレットを使いながら説明するだけではだめだ。実際にサービスを使って見せないことにははじまらない。SNSもブログも使ったことがないというWeb 2.0のセールスマンから、誰がWeb 2.0のサービスを買いたいと思うだろうか。そんなこと、絶対にあり得ない話だ。

去年まで実際にWeb 2.0のセールスマンをやっていたので、これだけは自信を持って言える。お客に自社のWeb 2.0のサービスを買って欲しいのなら、自分が売ろうとしているWeb 2.0なサービスをまずは自分自身で使ってみることだ。

Web 2.0の世界では、お金をかけたパンフレットや流れるようなスピーチも意味をなさない。ユーザが、ただのユーザーでなくなってしまっているWeb 2.0の世界。売る方は本当に大変。。。

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